森の住人から「ねぇ、ちょっと聞いて、聞いて！」

[困ったなあ！] カテゴリの記事

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• 最高裁の、また一つ変な判決

  　　先日の「朝日新聞」に、気になる最高裁判決が報じられていた（２０１１年１２月９日東京本社発行朝刊３７頁）。「北朝鮮制作の映画の著作権は、日本では守る義務がない」、というのだ。北朝鮮制作の映画の一部を、ニュース映像にまぜて使っていた日本テレビとフジテレビに対し、北朝鮮から同国制作の映画の著作権管理を委任された日本の会社が、著作権料を払うよう、両テレビ会社に求めていた訴訟の、最終判決だ。日本も北朝鮮も、万国著作権条約（ベルヌ条約）に加盟している。だが、両国には国交がない。最高裁の判決は、国交がないため、北朝鮮はベルヌ条約に加盟していることを、日本に公式に「告知」していない。「告知」しない以上、北朝鮮は、自国の著作権を日本に要求できないし、日本も北朝鮮の著作権を守る必要がない、従って、日本テレビとフジテレビは、著作権料を払う必要がない、という論理なのだ。　　僕は、これを読んで、呆然としてしまった。日本も北朝鮮も、ベルヌ条約に加盟していることは、「告知」が無くても、ベルヌ条約の事務局に確かめれば分かることではないのか。最高裁の論理で、国際条約より国交の有る無しを優先させるなら、おかしなことになる。　　たとえば、この判決で、損をするのは、北朝鮮より日本の方ではないのか。この最高裁の論理に従えば、今後、北朝鮮が日本の映画を無断で使っても、日本に著作権料を支払う義務は無いということになる。映画だけでなく、アニメも、ゲームも、そして音楽も。。これは、大変なことだ。なぜなら、アニメやゲームや音楽は、いま日本の重要な輸出品だからだ。北朝鮮は、この判決を逆手にとって、日本文化の“海賊版”を、自国の作品に焼き直して、中国やヨーロッパなど世界中に輸出するだろう。その際、日本は北朝鮮に著作権の要求は出来ない。一方、輸入した中国やヨーロッパなどは、ベルヌ条約に従い、北朝鮮にだけ著作権料を払えば済むということになってしまう。　　この判決を下した、判事はそのことを、どう考えているのだろうか。「朝日新聞」の記事に、僕の疑問に対する答えになるような情報は、何も載っていない。　　僕は、とくに北朝鮮の味方に立っている訳ではない。でも「北朝鮮」と言うだけで、感情的に差別するような、いまの日本の社会風潮が、気になっている。最高裁が、それに乗って、こんな簡単な帰結を忘れた判決を出したとは、思いたくない。だが、このブログで、これまで何回も書いているように、今の日本をこんな国にしてしまった責任は、国会や、政府もさることながら、裁判・検察などの司法にあると、僕は思っている。検察の小沢潰し然り、刑事事件での冤罪多作然り、原発訴訟を巡る住民敗訴の連続然り、である。日本の司法は、根本的に腐っている。で、今回の判決もその一端に見えてしまう。　　そして、「朝日新聞」はじめとする大手メディアが、こんな司法を問題にせず、批判せず、背景をえぐる様な解説もしない怠慢に、日本の未来は無いと、暗澹たる気持ちになる。＜このブログは火曜日に更新します＞

  2011.12.13

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• 腐った役人の作る閉塞社会

  　　東京の小田急電鉄を走っていた「ドラエモン」キャラクターのラッピング電車が、東京都の役人から都の屋外広告条例違反だと指摘され、運転を取りやめたという記事が、少し前の「朝日新聞」（2011年9月23日付朝刊）に載っていた。小田急では車体にドラエモンの絵をラッピングした車両が「屋外広告だとは思わなかった」という。　　この記事を読んで、僕は、この国を住みにくくしているのは、こうした指摘をする役人であるとの例を、また一つ見た気がした。　　「ドラエモン電車」が、広告かどうかは、人によって意見が分かれるだろう。それを、役人が一方的に「決めつける」根拠は何なのか。「朝日」の「欠陥」記事は、その点には触れていないので、分からない。　　単なる役人の「仕事してますよ」という自己存在証明以外に、多くの子供たちが楽しみにしている電車を、「屋外広告条例違反」だと子供たちから奪うメリットが、何かあるのだろうか。　　この「指摘」をした役人は、憲法に保障された「表現の自由」なんて、条例と条例の本当に狭い隙間くらいとしか考えていないのではないか。全く本末転倒の腐った役人根性としか思えない。　　それに、小田急電鉄は、こうした役人「一方的な」指摘に反論や抗議したのだろうか。これも「朝日」の「欠陥」記事には書いてないので、分からない。　　これ一つが、日本を動かす大事件とは思わないが、こうした一つ一つの「腐った役人の行為とそれに従う民間」が、日本の社会をつまらなくし閉塞感に追い込んでいるのではないか。そうしたことを痛感するのは、3か月間のハンガリー生活から帰って間がないためだろうか。ハンガリー社会も問題だらけだが、そのおおらかさと住みやすさが懐かしい。＜このブログは、火曜日更新です＞。

  2011.10.11

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• 恐怖の日本の裁判体質

  　　驚いた。小沢一郎氏の３人の元秘書に対する9月２６日の東京地裁の「陸山会事件」有罪判決のことである。僕は、３人が有罪になったことに驚いたのではない。有罪になった理由、つまり有罪という結論を導き出した裁判所のプロセスに驚いたのである。　　裁判と言うのは、厳密に吟味した証拠に基づいて判決を下すものと思っていた。でも、この日の判決は違っていた。判決のあった翌朝の「朝日新聞」に載っている「判決要旨」を見ても、「・・・とは、到底考えられない」とか「・・・ことが、強く推認される」というのが、有罪の最大の理由なのである。つまり、裁判官が、「思った」り、「推測した」ことで、有罪と決めた。それ以外、この「判決要旨」をいくら読んでも、有罪にした具体的証拠は見当たらないのである。こんな裁判ってあっていいのだろうか。　　もし、あなたや僕が、ドロボーの疑いで逮捕・起訴されて、何の証拠もないのに、「お前がドロボーしてないとは、到底考えられない」とか「ドロボーしたと、強く推認される」という裁判官の「思い込み」だけで、有罪になったら、どうなるんだろう。これは、日本の裁判の危機だと思った。　　もっとも、裁判に詳しい友人に聞いた話では、こうした「政治」がらみ以外の日常的な裁判でも、こうしたことは日常茶飯事らしいから、日本の裁判は、危機と言うより、すでに崩壊しているのかもしれない。何しろ、大阪地検特捜部だけでなく、あらかじめストーリーを決めてそれに沿う自白を強要する検察の調書に基づいて、９９%以上の被告を有罪にするのが、日本の裁判所の体質だと、これまでも言われてきたのだから。本当に恐ろしいことだ。　　江川紹子さんが言うように、検察の改革と共に、裁判の改革も必要だと痛感した。つまり日本の司法全体が、官僚組織と同様に腐っているのだ。　　僕は、小沢一郎氏が、とくに好きでも、嫌いでもない。直接会ったことがあるわけではないし。ただ、彼が、戦後の日本の自民党独裁政治を変えようとしてきたことを知っている。官僚まかせで、米国に何を言われても反論できず、米国の勝手な戦争の片棒を担がされ、膨大な税金を無駄遣いしきたてきた状況を、代えるべきだ、つまり日本の政治を、米国大使館や財務省から、国民の手に取り戻すべきだ、との思いを持ち続け、政権交代を実現させた。彼の政治家としての基本理念は、「増税を避け、まず官僚による膨大な無駄を削るべきだ」、ということに集約されると思う。ところが体制変換で、自分たちの既得権を奪われることを恐れた、検察庁に潰され、政治の表舞台から消えた。　　汚職や腐敗も困るが、僕は、自民党の「毒」を制するには、ある程度の「毒」が必要だったと思っている。学生時代に読んだJ・P・サルトルの「汚れた手」を待つまでもなく、政治は、夢や理想だけでは動かない、政治とは、もともと汚い面を持っているのだ。　　判決翌朝の「朝日新聞」の社説もひどい。「小沢氏は、潔くやめるべきだ」と書きながら、その根拠や理由をまったく示していない。東京地裁の判決と同じなのだ。（他の新聞は読んでないし、テレビも見ないので何を言っているか分からないが）。新聞の「社説」が世論を代表しているとは思わないが、こうしたいい加減なジャーナリズムが、せっかくの政権交代をダメにし、日本を滅ぼす今の政治状況を到来させたのではないか。こちらの責任も問いたい。＜次回の更新は、10月11日（火）を、予定しています＞。

  2011.09.27

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• 「閉塞感」の原因

  　　最近、新聞で見た、「あきれた話」を2つ――。　　東京発、博多行きの新幹線「のぞみ」が、相生―岡山間で緊急停車した。原因は運転手が「眼鏡を忘れた」ことだった。ＪＲ西日本の規則で、両目とも裸眼が１．０未満の運転手は、眼鏡を使わなければならないことになっている。この運転手は、その月の検査で、裸眼で左１．０、右０．９だったため、それ以後、運転の時は眼鏡を掛けるようになったという。多分、日常生活では眼鏡を使う習慣がなかったのだろう。この日も、「汗を拭こうとして、眼鏡をしていないことに気が付いた」のだという。交代の運転手が、緊急停車の現場に向かい、運転を代わったという（2011年8月29日朝日新聞・朝刊＝東京発行22ページ）。　　片目の視力だけが、たった０．１足りないことで、運転にどれだけ支障があるというのだろう。何千人もの乗客に遅れを強いた迷惑と、どちらが大事なのか。僕は目を疑った。かけがえのない用件や楽しみを、この片眼０．１の差で逃した乗客も多かっただろうに。それに対し、ＪＲ西日本は、どうやって償ったのだろうか。視力は、本人も気が付かないくらいの差。多分検査の時に、たまたま体調が悪かったのだろう。慣れない眼鏡を気にしながら運転していた方が危険なのではないか。　　客の甚大な迷惑・損害より、ささいな規則の順守にこだわるＪＲ西日本の体質に、あきれるばかりだったのは、僕だけだろうか。このＪＲの規則運用は、まさに「官僚体質」そのものだろう。　　もう一つ。これも「朝日新聞」で見たのだが、就職面接で血液型がＢ型であるが故に悩む学生が多いのだという。Ｂ型は、「わが道をゆく」タイプで協調性がないとみられがちだから、面接で血液型を聞かれた時、正直の答えるべきかどうか迷ってしまう、というのが理由なのだという。　　血液型が、性格と何の関係も無いことは、科学者が一致して実証している、いまや常識だ。しかも血液型と性格を結び付けて話題にするのは、日本だけの特殊な現象だという。話題として、面白おかしく話しているうちは、まだ許せるだろうが、人の一生を左右する就職試験に、こんな「迷信」というか「風評」というかを、真面目に取り上げる会社があるなんて。この話にも、僕は、あきれ果ててしまった。もし、こういう風潮が、就職試験や、会社の人事などに、もしあるとすれば、日本の未来は真っ暗だ。　　こうした「迷信」「風評」を、真実であるかのように大きく扱ってきた、ＴＶや週刊誌などの責任も大きいのではないか。　　この話には、もう一つ深刻な問題を感じた。それは、「わが道をゆく」「協調性のない」学生を、企業が嫌うと、多くの学生が思っているという風潮だ。協調性ばかりあって、個性に欠ける学生ばかりを企業が求めていると、就職する側が思っているなら、そしてそれが、もし企業側の事実なら、日本の企業は世界でやっていけないし、近い将来、日本は沈没してしまうだろう。　　大事なことを見過ごしながら、些末な規則違反や無責任な「迷信」「風評」で多くの利益を失うこの国の社会は、健全なバランスを欠いている。それは僕に閉塞感を与える。この春から夏にかけて3か月間滞在したハンガリーの社会も、いろいろ問題を抱えているようだったが、路面電車の中で犬を連れていても、長距離バスの運転手が知り合いらしい乗客と何時間も話しながら運転していても、誰も何も言わない。地下鉄や列車内で携帯を使って話すのは、当たり前の風景だし（恋人同士のキスも！）、ローカル列車には自転車ごと乗れる車両が、必ずと言っていいほど1両は付いている。僕は、バスの運転手に知り合いはいなかったし、犬も、携帯も、自転車も持っていなかったが、こういう風景に接する度に、なんだかホッと気が和んだ。同時に、これが日本だったら、どうだろう、とつい考え込んでしまった。　　政治の「閉塞感」も、有権者やメディアが、些末なことにこだわって大局を見失う「気を見て森を見ない」バランス感覚の欠如が原因でないか、と思えることが多い。「形式的な」規則違反や、政策と関係ないプライベートな問題で、政策そっちのけで、有能な政治家の働き場を奪ってしまう。　　思うに、中高生のころから、「校則」にがんじがらめにされ、髪の長さやズボンやスカートの長さが学問より大事だ、と認識するバランス感覚を欠く訓練ばかり受けてきた人たちが、社会の中枢を担っているから、こういう世の中になってしまったのでは、ないだろうか。　　考えてみれば、こちらの方が深刻。そして、こちらも、それを得意げに放送するＴＶやメディアの責任、それを問題視出来ない人間ばかり育ててしまった自民党支配下の文部省教育の弊害が大きい、と僕は思う。＜次回の更新は、9月13日（火）に、予定しています＞。

  2011.09.06

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• 次回更新は、２０１１年１月２５日

  　　１０年愛用したパソコンが、ついに寿命になり、毎週火曜日に更新していたこのブログ書きサイトを開くのが困難になりました。　　新しいパソコンを導入する予定の来年２０１１年１月まで、このブログを休載します。それまでは、申し訳ないのですが、下記の［一覧］をクリックして、これまでの記事を拾い読みしていていただけると嬉しいです。次回の［NEW］記事更新は、２０１１年１月２５日（火）を予定しています。　　２０１０年９月現在、何だか、日本をこんなにしてしまった諸悪の元凶の一つは「検察の暴走」のような気がしています。経済の停滞も、ねじれ国会も、日中関係険悪化もです。詳しくは機会を見て、次回２０１１年１月２５日（火）以後にまた書きます。　　それでは、どなた様も良いお年を。２０１１年は皆様にとって良い年でありますよう。（少し早かったか！）

  2010.09.26

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• どこの国とも仲良くする努力が、最大の「抑止力」

  　　民主党政府が、内閣改造などでゴタゴタしている間に、東シナ海・尖閣諸島で起きた官僚（海上保安庁）の“暴走”と、政府の無思慮な「官僚の言いなり政治」により、いま日本が最重視しなければならない隣国・中国との間が険悪になってしまった。この摩擦は、どちらの「得」にもならない全く無用の摩擦だと思う。　　「政治」が「官僚」を抑えて、しっかりしていれば、こんな無用な「喧嘩」は防げたのではないか。勿論、いまからでも遅くはない。「官僚」と違い「政治」とは、「法律を守る」ことでなく「日本の将来を守る」ことなのだから、小さな島のいざこざで、面子争いなどせず、大局的に国民の「得」になるよう、きちんと舵を取って欲しいと思う。　　世界中を見渡すと、国境を接する隣国同士は、しばしば仲が悪い。お互い迷惑を掛け易いからかもしれない。とくに「領土問題」があれば、なおさらだ。日本は、韓国、中国、ロシアと、「領土問題」を抱え、なかなか仲良くなれない。　　でも、日本は、憲法で「戦争しない」と宣言し、建前として「軍隊」を持たない。それなら、なおさらその見返りに日頃から、近隣の国々と仲良くする「努力」と「工夫」に精力を傾けていなければならないはずだ。だが、どーも実際は、その正反対。日本の政治家と官僚は、たいして日本国民の「得」にもならない、「小さな島」や、「鯨」や、「在日外国人の権利」や、「難民の受け入れ」や、「靖国参拝」などなどで、わざと外国に「敵」を増やし続けてきたように見える。そうしておいて、「抑止力」だ何だかだと、国民の子孫にツケを残す無謀な「軍事」支出を垂れ流している。　　「世界を見渡して、中国の本当の＜親友＞は、北朝鮮だけだ」と、国際情勢に詳しい人から聞いたことがある。その人は、同時に「世界を見渡して、日本には、＜親友＞と呼べる国は一つも無い」とも言った。僕は、これこそ「抑止力の無さ」の最たるものだと思っている。こんなことで、「平和憲法」が守れるのだろうか。日本国憲法は、平和を「守る」だけでなく、「守るための不断の努力」を政府に要求しているのではないか。　　日中交流のため上海万博を１０００人規模の日本の若者たちが訪問するはずだった「日本青年上海万博訪問団」が、出発前日に中国側の受け入れ拒否で、ドタキャンになった。これは鳩山前首相が今年５月に訪中した際、中国の温家宝首相の提案で決まったものだった。ドタキャンを知った訪問団員の一人はテレビのニュースの中で「遠い政治の話と思っていたことが、まさか自分に降りかかるとは、ショックだ」というようなことを言っていた。正直な感想と思うが、募集に応募するくらいの人なら、中国の政治（尖閣諸島問題など）についてもう少し日頃から身近に関心を持っていても良いのではないかと思った。若者と政治の乖離している実情を、改めて感じさせられた。このブログで前にも何回か書いたが、戦後の文部省の教育や、テレビなどのマスコミも責任があるのではないかと思った。　　今回の、日中の軋轢が、沖縄の普天間基地移転にからんだ米国や、それに服従する日本の「抑止力」増強主義者達の「やらせ」で無いことを祈るばかりだ。

  2010.09.21

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• 基本が分かってない裁判長

  　　青森地裁の小川賢司という裁判長は、一体「民主主義」や、それに欠かせない「表現の自由」について、どんな感覚を持っているのだろう。全く、こういう「木を見て森を見ない」というか「重箱の隅ばかり突き大局を見失うような」基本の分かっていない裁判官が、他にも全国の裁判所に沢山いるんだろうなあ、と思うと、暗澹たる気持になる。　　ことの起こりは、日本が世界の多数派を「敵」に回して続けている調査捕鯨で、捕鯨船の乗組員が調査を名目に捕った鯨の肉を個人的に隠匿して横流ししたいるのではないか、と疑った環境保護団体グリーンピース・ジャパンのメンバー２人が、その証拠を掴むため、青森市の運輸会社の倉庫に侵入し、鯨肉の入ったダンボール箱を持ち出した。これが住居侵入と窃盗罪に当たるとして、2人は逮捕・起訴されたのだ。　　調査捕鯨の賛否については、色々な意見があって良い。だが、この裁判の争点は、「不正を暴くために最低限必要な行為」と「法に触れて得た盗人の所有権」のどちらを優先させるべきか、であった。グリーンピース側は、「不正告発のための、やむを得ない正当行為であり、無罪」と主張していた。小川裁判長も「乗組員の鯨肉＜横領＞には、一部不明な点があったこと」「それがこのグリーンピースの行為で取り扱いが改められた」ことを認めた（2010年9月７日付け「朝日新聞」東京本社版３５頁）。それなのに、同記事によると、小川裁判長は「公益目的の正当なものでも、刑罰法令に触れて他人の権利を侵すことは是認できない」と断じたという。そして、グリーンピース側が主張していた「（不正告発という）表現の自由」については、「他者の権利や公の秩序、道徳の保護のため一定の制限が課せられる」と述べ、グリーンピース側の主張を退けたという。　　この判決は、簡単に言うと、「ドロボーを告発する人の権利より、ドロボーの権利を大切にしなくてはならない」ということになる。こんなバカな裁判が、堂々とまかり通る日本の不思議さ。欧州人権裁判所では逆の判決が出る例が多いと、「朝日新聞」は書いている。　　冤罪をでっち上げている検察庁だけでなく、国民の「正義」の権利より、ドロボーの「盗んだ物を守る」権利を優先させるような裁判官のいる裁判所も含め、日本の司法には、政治以上に「問題」が多いと、僕は思っている。裁判員制度だけでなく、司法のこうした無茶苦茶な現状に、僕ら国民は、もっと目を向けるべきだろう。　　国民の基本的な権利を守るための、菅首相率いる民主党政権の、もう一つの課題として「司法界の抜本改革」を、僕は期待する。

  2010.09.14

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• 「総括」無いまま、イラク撤兵

  　　米国のイラクからの戦闘要員の撤退が完了した。ブッシュが国連や国際世論を無視して、英国・日本などの友好国と組んで、一方的にイラクに侵攻、同国を破壊してから、７年余り。この間、イラクで民間人１０万人が、何の罪も無く殺され、米軍も４４００人が、この彼らにとっては異郷の地で命を落とした。その間、撲滅されるはずだった「テロ」は、かえって勢いを増し、世界中に広がった。　　今頃になって、「この戦争って、何だったのだろう」と、多くの人が言い出した。日本も米国を助ける名目で、自衛隊をこの戦争に派遣した。戦死者さえ出さなかったが、７３７億円もの国民の血税を投入した。僕は、最初から、この戦争に反対だった。２４時間で地球の各地をグルッと回って行われた「世界同日反対デモ」は、欧米先進国の主要都市と比べ、日本では参加者が極端に少なかったが、僕は、居たたまれない気持ちで、東京でのデモに参加した。　　世界は、たった一人の人間がいたために、時に地獄になる。ヒトラー、スターリンなどなど。そしてブッシュが。さらに、それにへつらった、わが日本代表の小泉が。。　　小泉は、世界を地獄にしたブッシュにだけでなく、世界の経済を地獄にした米国の「詐欺師」集団の「グローバル化」という暴言にもひっかかり、日本の社会を荒廃させ、リーマン・ショックなどで、日本経済にも甚大な損害をもたらした。　　僕の周り（高校のクラス会の２次会）でも、７年半前、１０人のうち９人までが、「日本は、フセインのイラクを攻撃するブッシュの戦争に加担すべきだ」という意見だった。「反対」する僕は「左翼」というレッテルを貼られ、以後、どんな意見を言っても相手にされなかった。　　問題は、当時、小泉を支持し、米国のイラク侵攻を支持し、米国の「詐欺師」たちが声高に唱える「グローバル化」推進を支持していた、日本の多くの国民（選挙民たち＝僕のクラスメート達も含む）が、いま、この時の「選択」を、どう総括しているのかだ。テレビは勿論、新聞も、街の「世論」も、友人達も、まったく話題にしない。「あの時は、あの時。今は、今」といった顔をしている。　　前の大戦も、そうやって起き、そうやって終わったのではないか。なぜ、歴史を踏まえ、反省すべきは反省しながら、それを正してゆく道を考えないのだろうか。戦前は「軍部に騙されていた」、戦後は「自民党やエリート官僚に騙されていた」と言えば、それで済むのだろうか？　戦前も戦後も、深い底流では、何も変わっていない様な気がする。それが猛暑を、よけい暑くする。

  2010.08.24

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• テレビの「地デジ化」は、膨大なムダ？

  　　ＮＨＫの技術系職員で、テレビの「地デジ化」に一所懸命に取り組んでいる友人を「何のために、そんなことをやっているの？」と冷やかしたことがある。また、民放ローカルＴＶ局の役員をしていて、「地デジ化のために膨大なお金がかかり、経営の存亡が問われている」と嘆く友人にも、同じことを言って冷やかした。勿論、２人とも、「何も分っていないんだな、こいつは」という顔で、大真面目に「地デジ」の必要性を力説していた。数年前の話だ。　　僕が冷やかした気持の裏には、その頃から痛感していたテレビ番組の内容の、目に余るくだらなさというか、幼児化現象への皮肉もあったが、もう１つは、政府（その頃の自民党政権）の肝入りで、膨大な投資をして進められた「地デジ化」が完成する頃には、多くの人がネット（パソコン）でテレビを見る時代になっているのではないか、との予感があったからだ。　　両友人とも、そのことは認めながら、「でも、テレビとパソコンは、生活の中での使われ方が基本的に違うから」と、言っていた。　　数日前の「朝日新聞」（２０１０年５月２２日朝刊＝東京本社版３７頁）によると、ソニーと米グーグルが提携して、今秋「インターネット・テレビ」を米国で発売するのだという。テレビを見ながら、同時に好きなサイトを検索してアクセスしたり、メールなどの通信をしたり、要するにテレビとパソコンの「合体」らしい。　　テレビには「お茶の間で、家族皆で」という、パソコンには「一人で、机に向かって」という、それぞれのイメージがあるが、果たしてこれからは、どうなるんだろうか。　　いずれにしても、「地デジ化」のメリットとして喧伝されていた以上のことが、「ネット・テレビ」では出来そうな気がする。そうなると、放送局が「地デジ」投資に使った膨大な金や、やむなく「地デジ」対応テレビに買い換えさせられた僕らは、「何かとんでもないムダ遣い」をさせられたのでは、なかろうか、という気持ちにさせられる。　　先々週も、「先見の明を誇った」僕だが、またまた！。いや、この際、あまり図に乗るのはやめておこう、後が怖いから。でも、国やお役所って、何故こう、いつもいつも「先見の明」に欠けるのだろう。「地デジ化」に遣った金を、もっと他に使っていればなあ、とぼやにとどめて置く。

  2010.05.25

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• 「朝日新聞」までオカシイ

  　　昨日（２０１０年１月２５日）付け「朝日新聞」（東京）に挟み込みの「ＧＬＯＢＥ」面で、日本、韓国、台湾などの少子化は、この地域に特有の「家族」意識にも原因があるとの記事を見て、「なるほど」と感じた。僕など、そんなことを考えて見たこともなかったからだ。　　不景気や、格差拡大による貧困化で、この地域では共通して、結婚適齢期の男女が結婚出来ないでいる率が高まっている。これは欧米などでも同じだが、違うのは、結婚していない男女の間に子どもが生まれる率が、欧米では高い点だという。欧米では、結婚していない男女に子どもがいても当たり前。それによる、社会の目や相続上の差別が、日本を含む東アジアと比べずっと少ないのだという。確かに日本では、婚外子に対する社会の偏見や相続上の差別があり、これが無意識のうちに「子どもは、結婚してから」という思いを若者に植え付けているのかもしれない。　　僕は、このブログで以前、「少子化は、若年人口の余っている新興国などからの移民を増やせば、そんな深刻な問題ではない」と書いたが、もう一つ、「家族」意識や相続制度を変えれば、さらに解決に近づくという手があったんだ。「朝日新聞」の、こうした記事には、「目の付け所がいいなあ」と思ってしまう。　　膨大な税金を使っての政府の「子ども手当て」は、「景気対策」としての意味があるかどうかも分らないが、少子化対策としては、ちょっと無駄な気もする。まずは、法律や制度に「欠陥」が無いか、点検・議論すべきじゃないか？　税金を使わなければならない所は、他に幾らでもあるんだから。　　でも、同じ「朝日新聞」も、最近の政治記事は、どうしたのかと思うほど、オカシイ。例えば、今日（２０１０年１月２６日）付けの朝刊。１面にある売り物のコラム「天声人語」では、先日の沖縄・名護市の市長選結果で、鳩山首相の、普天間基地の代替地探しがさらに困難になったとして、「風見鶏を決め込んでいて青くなったかもしれない。いずれにせよ（鳩山首相は）数ヶ月で政治家としてのすべてが問われよう」と書いている。鳩山首相の何処が風見鶏か？　よく分らない。僕は、この市長選結果は、普通の政治家の常識的感覚からすれば、「折込済み」だったと思うが、この筆者は自分が「青くなった」のだろうか？　また、どうして、「数ヶ月で政治家としての全てが問われる」のだろう？　この国の今の政治課題として、「普天間」問題だけが、「全て」なのだろうか？　　　僕は、これも以前このブログで書いたが、鳩山政権は、沖縄の「普天間基地問題」では、いまのところ、とても上手くやっていると思う。日本のマスコミ（「朝日」も含む）が、口を揃えて、米国の当事者の言い分を、得意気に代弁し、「日米関係に亀裂を生じさせる」などとあり得ない暴論を吐く中で、とにかく時間を稼ぎ、米国の世論の微妙な変化を、じわじわと勝ち取る作戦。米国の中東政策にも同じことが言えるが、政府を味方につけても、肝心の国民を敵に回したら、「同盟」は十分に機能しない。そのことを、そのうち米国民も分ってくるのを待っているように、僕には見える。そして、５月まで、という短い期間にこれが達成できなくても、それで、日本の政治の「全て」が否定される、なんて事は全く無いと思う。日本の政治にとって「日米同盟」が「全て」であるなんてことは、誰が考えてもオカシイだろう。　　他にも、「朝日新聞」が、ついに他のメディア（といっても、僕は「朝日新聞」と地上波テレビしか見ていないけれど）と同じレベルまでオカシクなってしまった記事は、多い。例えば、同じく今日（２０１０年１月２６日）朝刊２頁の「失言重ねる首相」と４頁の「首相なぜブレる」という記事。内容は、鳩山首相が小沢幹事長に「（検察と）戦ってください」と言ったことを、メディアが勝手に「政府と検察の対決」と捕らえ大騒ぎをした事で、首相が「そういうニュアンスで言ったのではない」と釈明したことと、逮捕された民主党の石川代議士について鳩山首相が「起訴されないことを望みたい」と言ったことを、メディアが勝手に「検察に対して指揮権発動か」と騒ぎ、これも首相が「そういうニュアンスで言ったのではない」と釈明したというだけのことに関する「政治記者の解釈」。人の発言を、自分たちが勝手に「針小棒大」に捕らえて騒ぎ、発言した本人が「そういう意味で言ったのではない」と否定すると、「失言だ」「言葉が軽い」と批判する。これって本当にオカシイんじゃないだろうか。政治家が「言葉で勝負する」仕事なら、マスコミも同じだろう。言葉通り取らずに「拡大解釈」するマスコミの言葉の使い方の方が、世間とズレているんじゃないの？　読まされる読者にとっては良い面の皮だ。しかも、他にも大事なニュースがあると思うのに、何故、内容のほとんど同じ記事を違うページにダブって載せるのか、首をかしげる。　　僕は、鳩山首相が、「失言を重ねている」とも「ブレている」とも、ちっとも思わない。むしろ、そろそろ新聞を変えようか、と思いたくなるが、「朝日新聞」は、他の新聞に比べて、これまでのところは、マシだったので。。（といっても他紙は読んでないが）。

  2010.01.26

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• 冤罪を生んだ、裁判官らは、「業務上過失」で罰せよ

  　　　　冤罪のニュースが続く。今現在も、刑務所の中には、無実なのに入れられて、身に覚えの無い他人の罪のために、苦役を強いられ、人生を無駄にされている人が、多勢いるのだろう。きっと。もし、自分が、そういう目にあったらと思うと、居たたまれない気持になる。　　足利事件で、身に覚えも無いのに逮捕され、警察、検察庁、裁判所のいずれもから、幼女殺しの犯人とされ、１７年間も刑務所などに拘束され、先日間違いらしいと分り、釈放された菅家利和さんは、記者会見で「間違ったではすまないんです」と語った。　　菅家さんだけでない。富山の婦女暴行事件では、全く身に覚えのない人が、警察により、犯人に仕立て上げられ、裁判所もそれを鵜呑みにして、懲役３年の実刑判決を下し、無実なのに３年間も刑務所で暮らし、出所後、真犯人が分ったという事件もあった。他にも、痴漢などの冤罪事件が後を絶たない。　　十分な注意をしていても、仕事中に、間違って他人を、怪我をさせたり死なせてしまうことは、ある。その場合、業務上過失傷害罪や、業務上過失致死罪などの疑いで逮捕されることが多いだろう。　　でも、不思議なのは、警官や、検事や、裁判官が、誤って他人の人生をメチャメチャにしても、何の罪にも問われないことだ。　　マスコミも、不思議だ。こうしたニュースでは、無罪と分り釈放された人は、取材するが、間違って逮捕した警官、間違って起訴した検察官、間違って有罪の判決を下した裁判官を、どうして取材しないのだろう。　　菅家さんの場合は、すでに一度、再審請求をして、それが宇都宮地裁で昨年却下されているわけだから、少なくとも、それを却下した池本寿美子裁判長には、きちんと取材・弁明させるべきではないか。　　富山の事件でも、本人にアリバイがあるのに、取調べの警察はそれを無視して、自供を脅し取った。こうした最初に調べた警察官や、漫然と有罪を疑わなかった池本裁判長のような、関係する責任者には、「説明責任」があるし、顔も見てみたい。　　彼（彼女）らは、「業務上の過失」で、他人の人生を無茶苦茶にしたのだから、当然個人としても、罰せられて然るべきだ、と僕は思う。そうでなければ、他の業務上過失の罪で、罰せられる人と、憲法で定めた「法の下の平等」に反することになる。　　「役人なら、何をやっても、絶対間違いではないし、責任も問われない」とうい考えは、もうやめるべきではないか。人間、誰にも間違いはあるし、それは民間も、役人も同じだろう。なぜ、役人は間違っても、罰せられず、取材されず、弁明も求められないのか。　　前にも、このブログに書いたが、日本では、起訴されると有罪になる確率が、異常に高い。これは、裁判所の能力が極端に低いということなのだ。裁判官は、検察官の調べたことを疑わずに、正しいと、漫然と思い込む。こういう裁判官は、後で自分の判決が間違っていた判明したら、職務怠慢と、業務上過失で、罰するべきだではないか。そういうことがなければ、今後も冤罪事件や、役人の「間違い」は続くだろう。　　役人の横暴の話をもう一つ。先日、東京で、警官が職務質問をしようとしたオートバイが、停止せず逃げたため、パトカーが追いかけた。その途中、オートバイはガードレールに衝突して乗っていた２人が死傷した。それなのに新宿署の黄海副署長は「追跡行為と職務執行行為は適正だった」と言い放っている（「朝日新聞」６月８日付による）。少なくとも人一人が死んでいるんだ。パトカーが追いかけなければ、この事故は起きなかった。しかも職務質問って「任意」なんじゃないの？　人を殺しておいて、よく「適正だった」と言えるもんだ。全くその神経を疑うよ。こういう役所（警察）が、冤罪を生むんじゃないの？　過去にも、今も、これからも。。　　

  2009.06.09

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• お上の「お節介」に飼いならされて、こんなザマに。

  　　僕の購読している「朝日新聞」の2009年5月2３日付け（東京）１７頁に、ジャーナリストの斎藤貴男さんが、「お上頼みの禁煙は個人の自由を損なう」という一文を寄せていた。彼は、煙草が大の苦手だそうだが、それでも、鉄道会社や役所が、全ての人に、上から一律に禁煙を押し付け、喫煙者が文句も言わず、それに黙って従うような、「個人の自由」を認めない世の中は、煙草の煙よりもっと嫌だ、という趣旨だ。　　僕も、煙草は大の苦手。30メートルくらい離れた所に歩き煙草している人がいるだけでも、一時的に気分が悪くなる。だから、斎藤氏の文章に、喫煙者が勇気づけられ、所構わず発煙されたら、本当に困る。でも、斎藤氏の言いたい趣旨は、理解できるし、考え方には大賛成だ。ただ、斎藤氏に質問したい。何故、「禁煙」だけを問題にするのか？　　役所やお上が、個人の「自己責任」を認めず、「お節介」をやいて、個人の自由を規制し、日常を生き難くしている例は、なにも禁煙に限ったことだけでは無い。例えば、オートバイのヘルメット、車のシート・ベルト、車のほとんど通らない交差点の赤信号、など、など。。　　死ぬのは自分なのだから、ヘルメットを被らなくても、シート・ベルト締めなくても、赤信号で停まらなくても、「個人の自由」だろう。勿論、事故によって死ねば、周りの他人も迷惑を蒙るから、被るよう、締めるよう、停まるよう強制するのだろうが、これは、煙草の煙と同じこと。あくまで、「個人の責任」として罰すべきものを、お上がお節介に、「全員に」強制する。国民は、それに文句を言わない。そのことに、疑問を感じない。それがおかしいと、僕も思う。　　僕は、バイクを愛用していたが、ヘルメットのせいで、頭髪が薄くなったのに気づき、道路以外でヘルメットの要らない所でしか、バイクに乗らなくなった。　　斎藤氏には、「禁煙」だけでなく、こうした全ての、「お上のお節介」を指摘して批判してほしかった。　　お上の、過剰な「お節介」の最たるものが、今度の新型インフルエンザの「水際作戦」だろう。こんなことやっても、防げるわけないのに、膨大な税金をドブに捨てるように使い、「個人の自由」を制限して、病気でもない人をホテルに閉じ込めたり、一生に一度の思い出深い修学旅行を中止させたりして、挙句の果てに大失敗。個人の人権を制限され、役所に犠牲を強いられた迷惑は、結局「無駄」だったことになった。　　担当の役人は、「新型インフルエンザ」が猛毒でないことが分ってからも、猛毒の「鳥インフル」のマニュアルを、そのまま使っていたというのだから、あきれ返るというか、憤りを感じる。世界中の空港で、集団でマスクをしている異常な日本人集団が、好奇の目で見られ、笑いものなった。すべて、国民が日頃から、無能なお上の「お節介」に慣らされてきた結果ではないか。それを拡大して騒ぎ立て、国民を脅して洗脳し、国民から「自分の頭で考える力」を奪い取ったＮＨＫニュースは（他のマスコミも）、責任を取るべきだ、と僕は思うんだけど。斎藤さん、如何ですか？　ちょっと過激かなあ。。

  2009.05.26

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• ＮＨＫの空騒ぎ「ニュース」が、国民を誤らせる。

  　　最近のＮＨＫニュースの、役所とつるんでの「騒ぎ過ぎ」は、異常というほかない。　　新聞の投書などでも、気がついて「おかしい、どうなっているの？」と指摘する人が増え始めた。新聞本体の論説や社説でなく、投書欄という所が、新聞も「共犯」といえる証になっているが。　　北朝鮮の「人工衛星打ち上げ失敗」を、日本を狙った「テポドン・ミサイル実験」と意図的に捕らえて、連日大騒ぎしたと思ったら、次は、ＳＭＡＰの草薙剛が、夜中に酔っぱらって羽目を外しただけのことを、あたかも天下を揺るがす大事件の様に、通行人の感想インタビューまで織り交ぜての、連日の長々トップ報道。そして、今度は、メキシコから広がった、「豚インフルエンザ」だ。　　タレントの若者が夜中に酔って裸になったというだけで、逮捕した（結局、不起訴で釈放）警察もおかしいが、飛行機で到着した人が熱があったというだけで、豚インフルかどうか判らないのに、その周囲にいた関係ない乗客を大量に拘束、足止めした、空港の検疫官も、異常というほかない。とばっちりで、大事な用件（契約など）に間に合わず金銭的大損害をこうむった人、一生の記念の出来事（結婚式など）に間に合わず人生の貴重な思い出を逸した人も、いたのではないか。乗り継ぎ便に乗れなかった人は、航空会社が、無償で優先的に次の便を手配したのだろうか？　　「水際作戦」と、役所が恣意的（非科学的）に銘打てさえすれば、「個人の人権」も何も無視して、何でも出来る、日本のお役所の専横に対し、マスコミとくに自民党に偏向したＮＨＫは、一切の疑問を挟まず、「そうだ、そうだ」と、国民を煽る。　　こんな成田空港での検疫のやり方を、例えば英国のＢＢＣは、皮肉っぽく伝え、「わが国ではこんな事は、しません（からご安心を）」と、コメントしたというではないか。イギリス人の考え方は、科学的に解明されていない「新型ウィルス」を防ぐのに、こんなことをして効果があるのかどうか、分らない。むしろ、迷惑を蒙る人のことを考えたら、やらない方が良い、というものだろう。これに対し、日本のお役人は、もし「水際」で手抜かりがあったため、国内に「猛毒の新型ウィルス」が入り込んだ場合、自分たちの責任が問われるては困る、だから、個人の迷惑など犠牲にして、過剰といわれても闇雲にやっておけばいい、とうことではないか。この対比で、ＮＨＫは、後者を支持。他の日本のマスコミモ似たりよったり。でも、これって「世界の常識」とは、ズレているのではないだろうか。　　日本のＮＨＫなどの報道に乗せられ、連休明けに海外から帰国した日本人乗客が、空港で皆マスクをしていたのを見て、例えばスペインから帰国した日本人旅行客が、「現地では、我々のマスク姿は、異常と見られているようだった」と、素直に語っていた。　　ＮＨＫは、これまでも、「狂牛病」や、「食品の賞味期限問題」で、「何かあった時責任を取りたくない」役所とつるんで、大騒ぎして、消費者の不安を煽った。まるで「食べたら、死ぬんじゃないか」と思わせた。科学者はこの報道ぶりを「非科学的」と批判していた。僕なんか、安くなった牛肉を、今こそチャンスとばかり食べ、賞味期限間近かで半額になったものを買って来て家に寝かせておいて、期限を大分過ぎてから食べたが、何とも無かった。全て自己責任だが、「過剰大騒ぎ」の役所やＮＨＫには、躍らせられたくなかったのだ。　　僕が、ＮＨＫを批判するのは、非科学的な「空騒ぎ」で国民の不安を煽る裏で、そのために、もっと大事なニュースが隠されてしまうこと。そして、視聴者が、知らず知らずのうちに「役所のやることが正しい」と、合理的根拠もないまま認めてしまい、それが、世界の常識とかけ離れた「日本の政治」に反映されてしまうからだ。　　今回の「豚インフル」騒ぎも、感染力が弱いことが次第に明らかになり、やがてＮＨＫもすっかり忘れて、何も無かったかの様に、次に世論をミスリードするための「空騒ぎ」のターゲット探しに、鵜の目鷹の目になるのだろうね。　　一方、日本の役所は、過去にミドリ十字のエイズ・ウイルスや、チッソの水俣病などでは、指摘があってもやるべき対策を取らず、情報を隠し、責任も取らずだった。ああ、怖い、怖い。。

  2009.05.05

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• もう一つの愚策、東京五輪

  　　「生活給付金」とかいう、政策ともいえないような愚策が、自民・公明連立政権の無理押しで、ついに実施されてしまった。国民の貴重な税金２兆円が、全国民が１回だけ、外食したり、旅行をしたりするための浪費に消えてしまう。しかも、それを配るために全国の自治体が、膨大な税金を浪費するのだ。こんな愚策を、選挙もしない政権が、世論を無視して、勝手に進めているんだから、たまったもんじゃない。　　最近あまり報道されていないが、もう１つの世紀の愚策が、東京へのオリンピック招致だと、僕は思っている。石原都知事は、「青少年に夢をあたえるため」の事業だといい、国にも支援を要請しているようだが、一体全体、派遣切りでハウジング・プア（家なし貧困者）が、街に溢れ、「１００年に１度」の世界不況といわれている中で、どうして「世界の運動会」をやることが、青少年の夢になるのか、僕は、青少年じゃないせいもあるかもしれないが、さっぱり理解できない。むしろワーキング・マザーのために保育園をもっと増やすとか、ホームレスの救済にお金を使う方が、まだ、将来に夢を持てるんじゃないだろうか。　　東京都は、このオリンピックを、「既存の施設を最大限使い、コンパクトで、環境破壊のないエコロジーな五輪」と宣伝しているが、すでに、巨額の税金を使って、五輪関係と称する、例によって不要不急の道路建設も始まろうとしている。その中には、世田谷区の閑静な住宅地の真っ只中を、地域住民に愛し親しまれている桜並木を切り倒して貫通しようとする幹線道路もあるという。ＩＯＣ委員には、石原知事の奇麗ごとだけでなく、こうした都市住民の環境破壊が、東京で、「五輪のため」と称して行われることを、ちゃんと見て欲しいと思う。　　「平和の祭典」五輪を、僕は否定しないが、東京では、もう１回やっているのだし、まだやってない大陸や国も多いのだから、そうした都市に譲った方が、「夢」としては、カッコいいんじゃないかと思うけどね。　　しかるに、この間、ある政治家と話していて、驚いたんだけど、東京オリンピックについては、僕と同じように思っている人は、結構多いのに、反対意見を一つにまとめる運動組織って、東京にも全国にも全くないんだって。どの政党も正面きって取り上げていない。　　都民も国民も、多くは無関心。石原都政は、税金を使って、無理やり官製の世論を盛り上げて、この世紀の愚策を、こんどは東京を舞台にやろうとしている。　　未曾有の経済危機の中で、国民が大人しいことをいいことに、苦労知らずの“お坊ちゃま”政治家たちが、様々な口実を設けて巨額の税金を「私物化」し、本当に困っている人のためじゃなく、自分の趣味を押し通す。それを「政治」だと称されては、納税者はたまったものじゃない。どうなっているんだろうね、この国の政治って。　　　　

  2009.03.17

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• 「嗤っちゃうというより、怒っている」国民

  　　「怒ると言うより、嗤っちゃう」と、麻生内閣に対して、小泉元首相が言ったが、僕は、その小泉に、同じ言葉を返したい。世襲議員への批判をものともせぬ厚顔鉄面皮を発揮、３世代世襲になる自分の息子に地盤を譲り引退を声明した身で、勝手な「ご感想」。もっとも、これは彼の責任と言うより、こんな男の発言を単に「視聴率が取れるから」と大々的に取り上げたテレビなどマスコミにも問題がある。面白おかしく「小泉劇場」などと政治を茶化して、国民をミス・リードした前回の「郵政」総選挙の後、確かテレビは「反省の弁」を述べていたような気がするが、実際は全く反省していないことを暴露した。その意味で、僕はテレビに対しても、「怒ると言うより、嗤っちゃう」。　米国ブッシュの忠犬といわれ、イラク侵攻、新自由主義、グローバル化の旗を振り、「構造改革」の名の下に、米国発の金融危機を許し、日本を、今のような窮状に陥れた自分の責任の一端を少しでも感じていたら、こんな事言ってられる場合じゃ無いんじゃないの？　だが、世襲でお坊ちゃまの麻生が作った「お友達内閣」がひどいことは、その通り。こちらは、現在進行形だから、僕は「嗤っちゃうと言うより、怒っている」。本当に。多くの人が僕と同じ感想を持っていると見えて、最新の民放の世論調査で支持率は、ついに１０％を割った。　自分の政権が続いている基盤になっている前回の総選挙で、自分が総裁をしている政党が公約した「郵政民営化」に、今頃になって、「賛成だった」「反対だった」とフラフラ迷言。一体「民主主義政治での国民の負託」のイロハが、この男は全く分かってないんじゃないのか。かんぽの宿の売却見直しで、「ポピュリズム」受けを狙って、失地回復を図ろうと思ったのだろうが、その安直でなり振り構わない根性に品性のかけらも無い。　「金融・財政改革」改革の象徴だった「金融と財政の分離」に逆行し、世論の反対を押し切ってやった組閣の要、「お友達」中川財務・金融相のローマでの「朦朧恥さらし」記者会見。外務省が「世界の中の日本のイメージ」を上げるのに、国民の税金を大量に使って色々苦労しても、こんな不埒な大臣が、それを一夜にしてぶち壊す。こんな事じゃ、国民はたまったものじゃないだろう。公の出張中に自分の体調管理も出来ないような「子供」が、大臣になった事が、どれだけ税金の無駄遣いか、多くの国民は本当に「嗤うと言うより、怒っている」。辞任したから済む事ではなかろう。その中川大臣、辞任した後、記者団に「これから、病院に＜寝に＞ゆきます」とぬかしたものだ。驚いたねえ。保険も無く、命に関わる病気でも病院に行けない国民の誰かと代わってあげれば、少しは名誉回復出来たのに。そんな細やかな神経はハナからお持ちでは無いでしょう。　麻生お坊ちゃまは、「生涯の中で、お祖父ちゃんもやった総理大臣になれたんだ。この上は、選挙の間のちょっとだけというんじゃなく、お祖父ちゃんと同様、少しでも長く、総理大臣の椅子に座っていたい。それに、いま解散したら、民主党の内閣に変わっちゃうから、その責任を取らされるのは、最も嫌だし」と思っているのだろう。でも税金を２兆円、ただ国民にばら撒いても、それで景気が良くなる訳はないし、その他の、麻生首相が念仏のように唱えている「景気対策」は、民主党とどこが違うのか、よく分らない。こんな状況で、いくら続けても、自民党政治の破綻という状況は、変わらないだろう。　国民総生産（GDP）が、先進国の中でずば抜けてダウン。世界の主要国のなかで、日本は最も深刻な不況に陥っていることが明らかになっている。いま麻生は、これも税金を投入して役人を使い、民主党のスキャンダル探しに奔走しているのだろうが、ちょっとやそっとのスキャンダルは、「小泉」も含む自民党が引き起こした未曾有の不況という「人災」を前に､霞んでしまうのではなかろうか。とにかく、１日も早く総選挙をして、衆参ねじれと言う「政治空白」をなくすべきだ。

  2009.02.17

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• 役所とテレビがグルになって、自殺者を生む

  　　大阪の「三笠フーズ」が、毒性の薬物やカビなどの混じった工業用のコメを、食用米に混ぜたりして、国内の食品メーカーに売っていた事件は、深刻な問題をはらんでいると思う。焼酎、日本酒ばかりか、ビールメーカーまでが、風評被害も含め、大損害を受け、怒り狂っている。これで、食の不安は、中国からの輸入食品だけでなく、国産の食品も、同じだ、ということになった。消費者は、何を食べたらいいのか、本当に悩んでしまう。　農水省は、「三笠フーズ」が、こうしたコメを売ったり、そのコメが流れた先の、全業者の実名を、公表した。この中には、毒性のコメと知っていた業者も、知らなかった業者もある。知らなかった業者は、「騙されていた」訳で、いわば被害者。はじめ、農水省は「業界保護」の立場に立って、「三笠フーズ」の毒米が、何処に流れたかの公表は出来ない、と言っていた。ところが、福田「僕、ヤーメタ」総理の記者会見の一言で、今度は一転、「消費者」サイドに立って、何の説明もなく、「加害者」「被害者」一緒くたに、業者名を公表してしまった。そして、おコメ取り扱い会社の気の弱い社長さんを自殺に追い込んだ。　何度も、「三笠フーズ」に、税金を使って検査に行きながら、不正を見抜けなかった、無能な農水省の役人達や、その上司の実名も、公表されたのかしら。　業者の名前より、その役人達の実名を公表すべきだし、テレビの「ニュース」も、職務怠慢、税金の浪費の凶悪犯人として、彼らの実名を顔写真入りで何度も流し、責任を追及すべきじゃないの？　一方、たまたま見た、何処かのテレビ局のニュースは、業者名公表の際の、農水省や消費者庁の、お粗末ドタバタぶりを批判していた。その後の、女のキャスターのコメントに、また呆れてしまった。彼女は「農水省は、公表された業者が、悪意があったのか、彼らも被害者なのか、調べて、説明をちゃんとつけて公表すべきだったのではないか」と言ったのだ。えっ、それって、テレビ局の仕事じゃないの？　農水省が、記者会見で発表した資料を、そのまま流すから、自殺者が出るんでしょ。発表を元に、個々のケースを取材して確かめて伝えるのが、「ニュース」じゃないの？　視聴者をバカにしているのか。このキャスターは、「ニュース」が何か、イロハが分っていない。　前回、日本のテレビ「ニュース」から報道やジャーナリズムが消えた、と言ったが、これもその例だろう。明治以来、仕事もしないで、民間を見下げ、威張っているだけだった役人と、役所の発表を垂れ流すのが「ニュース」だと勘違いしているテレビが、グルになって、自殺者を生み出す。国民は、それを黙って見ていて、さらに不安なあまり、テレビの欠陥「ニュース」が煽る「風評」に、右往左往する。ジャーナリズムが死に絶えた、いまの日本の姿。。　　

  2008.09.18

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• はやく総選挙を、すればいいのに。。

  　福田政権は、各地の世論調査で、支持率が急落、20％代をウロウロ。その打ち出す政策も、賛成より反対がずっと上回り､末期的な症状だ。思えば、「郵政民営化に、賛成か、反対か」だけでの投票で生まれた、現在の自・公政権が、その当時の小泉の後、選挙をしないまま、安倍、福田と、首相をたらい回ししながら、続いているのだから、このていたらくも、仕方がないと言ったところだろう。　ところが、テレビや新聞など、日本のマスコミが、例によって、あんまり報道しないため、気がつかなかったが、お隣、韓国の政権も、ひどい事になっているらしいのだ。しかも、こちらの李明博政権は、ついこの間の選挙で、誕生したばかり。「北」に対して、それまでより厳しい姿勢を取っているが、国内でも、「国民を守る」より「国民を取り締まる」公安優先や、「金持ち」を優遇した投資の規制緩和などの政策に、国民は「裏切られた」思いを強め、支持率が急落しているという。さらに、というより、彼の無策による、日本以上の不景気。ウォンも急落して、物価高に拍車をかけているという。　胡錦涛・中国は、国内の不満を力づくで押さえる一方で、愛国ナショナリズムを煽って、とにかく上辺だけでも北京五輪を成功させれば、いいと思っているし、どちらを見回しても、「歯車がどうかしちゃった」最近の世界の動きである。一体、どうなるの？　　日本だけでも、早く選挙をやらなきゃ。でも、テレビやマスコミの現状を考えると、有権者は、またマスコミに騙されて投票するかもね。この前の「郵政選挙」の時みたいに。あ～あ。どうなるの？　ホントに。

  2008.05.13

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• 「思想・信条や、表現の自由」が無くなった社会

  　こんなに、立て続けだと、本当に、日本には「思想・信条や、表現の自由」が、いつの間にか無くなっていたのではないかと、ゾッとさせられる。　＊3月、日本ビデオ倫理協会の幹部が、アダルト・ビデオのぼかしが薄いのを承知で認めたとして、わいせつ物頒布幇助の疑いで、警視庁保安課に逮捕された。ビデ倫は、業界の自主規制組織。それを、警視庁の役人の一存だけで逮捕出来るなら、この国では、言論・表現の自由は、全く無いに等しいことになる。業界の自主団体の判断より、警察の役人の判断の方が、上だと言うことになるわけだ。業界は、逮捕が怖くて、自由に物を表現したり、自分で判断することをやめてしまい、全て警察の顔色を伺ったことしかしなくなるだろう。　＊4月、自衛隊官舎のポストに、「自衛隊のイラク派遣反対」のビラを投げ入れた市民団体の3人に対して、住居侵入の逆転有罪判決が、東京高裁で出た。「表現の自由」より「住居に勝手に入られない自由」の方が、大事だという、裁判官の判断だ。ビラをポストに入れただけで何ヶ月も身柄を拘束されることを恐れて、今後は、何か主張したい人がいても、ビラの他に手段がない人は、皆沈黙。それが、僕らの社会にとって、玄関先に勝手に入られることより、どれほどの全体のマイナスになるか、裁判官は分かっていない。いずれ歴史が判断するだろう。　＊4月、音楽ヒットチャートを作成している「オリコン」が、その信頼性について疑問を投げかけた雑誌記事に「名誉」を傷つけられたとして、その雑誌ではなく、記事の中でインタビューに答えたフリーのジャーナリスト個人に、5000万円の損害賠償裁判を起こした訴訟で、東京地裁は、ジャーナリスト個人の罪を認め、100万円の賠償を命じた。そのジャナリストは、「訴訟は、企業が、批判的な談話を語る人の口を、脅しで封じる狙いのもので、雑誌にではなく、取材された人に高額の賠償を命じる判決がまかり通るなら、今後、誰も雑誌の取材に応じなくなり、ジャーナリズムは、成り立たなくなる」と反論している。僕も、全くその通りで、この判決は、ジャーナリズムに対する裁判所の無理解をさらけ出したものだと思う。　＊5月1日付け「朝日新聞」（東京本社最終版＝３０頁）によると、派遣社員やフリーター達が、トラックの荷台にスピーカーを乗せ、リーダーが荷台の上で音楽に合わせて踊りながら、都内でデモをしたところ、大勢の警官達に取に巻かれ、音楽を止めた途端、「積荷を見守る目的以外で、荷台に乗ることを禁じた」道交法違反の現行犯で逮捕された。たったこれだけのことで、3日間も拘留され、アパートの自室まで捜索されたという。スピーカーの音楽の方が、むしろ周囲には迷惑だと、僕は思うけど、それを止めたとたんの逮捕。しかもこんなことで、3日間も拘留されたり、家宅捜索を受けるのでは、今後、音楽を使った「陽気で平和的なデモ」で何かを主張をしようとする人は、いなくなるだろう。こんな大事なことを現場の警官の判断で行わせ、それを認める裁判官は、「表現の自由」なんて、軽～い、軽～い、屁みたいなもんなんだろうね、きっと。。　他にも、まだあるだろうが、これらの「事件」に共通しているのは、国家の秩序を保つ目的が優先され、その前で「表現の自由」があまりにひ弱なことである。それは、まず先に、国家や社会があり、そのお陰で、人々の生活が成り立っている、という考え方だろう。僕なんかの、人々の生活がまず先にあり、その集合が国家である、という考え方から見ると、全く逆転している。戦前の軍国日本が前者の典型。戦後の民主社会は、後者の典型だったはずなのが、いつのまにか、また戦前型に戻っている。責任は、役所、裁判所、自民党の教育にあると、僕は思う。　＊個人の「思想・信条の自由」が踏みにじられている事件の典型は、東京都などの公立学校の卒業式で、「日の丸」「君が代」に対し、強制的に起立させられるのを拒んだ教師達に対する処分だろう。3月、東京都教委は、あくまで、説を曲げない、根津君子教諭らを、またまた停職処分にした。「＜思想・信条の自由＞は、＜心の中＞だけのもので、それを＜表現＞することについては、必ずしも自由でない」と、裁判所は言う。「心と表現を、切り離す」なんて、どうやったら出来るの？　表現しなければ、心は伝わらないじゃない。

  2008.05.09

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• 役人は間違っても、決して謝らない

  　役人に対する風当たりが強い。僕は、当然だと思う。どぶねずみ色をしたダサい背広にツッカケ履きで、ぼんやりとタバコを吹かしながら、わざとゆっくりした動作で、必要も無いのに新聞を読んだり、周囲を見回したりしているだけで、一日何もせず時間を潰し、５時になるとサッと帰る。――なぜか、そんなイメージが（もちろん偏見だが、）役人にはある。その彼ら（彼女ら）が、不要な道路やダムを作るのには、異常な執念を燃やし、本当に困っている人たちには、「平等」を楯に、税金をケチる。　５月２日付け「朝日新聞」の社会面（３５、３６頁＝東京本社版）を見ていたら、いまの役人の現実を象徴する記事が、３本も載っていた（こちらは、偏見でなく事実）。　大阪府羽曳野市で、生活保護を受けていた女性が、窓口の市職員から、セクハラ電話を受けていた。女性は、生活保護を打ち切られるのが怖くて、耐え続けていたが、セクハラ電話は、それをいいことにエスカレート。女性は耐え切れず、弁護士に相談、市と職員を訴える裁判を起こした。しかし、市は「録音テープを聞けば、別人と一目瞭然だ」と職員を庇い続け、門前払い。声紋鑑定で、職員が有罪と分かるまで、１０ヶ月もかかった。女性は市に勝利したが、手にした賠償金もほとんどが裁判費用に消え、女性には苦痛以外何も残らなかった。　和歌山県紀の川市では、市の男性課長補佐が、勤務時間中に職場のパソコンで、アダルト・サイトを見続け、アクセス数は、０７年７月の１ヶ月だけで、１７万回にものぼったという。一体全体その間、仕事は無かったのだろうか。よくそれで、税金から給料がもらえるものだ。そんな役人は廃止したら良いのではないか。　大阪市住吉区で０４年に大阪地裁所長が襲われた事件で、強盗致傷の罪に問われた２人の被告の無罪が、裁判で確定した。長い間、誤って被告とされていた２人は、晴れて自由の身になって「警察や検察は、謝ってほしい」と要求している。だが、検察は「捜査は正当で、謝罪はしない」と言っているという。無罪の被告を捕まえて、どこが「正当」なのか。役人の頭の中味って、本当に僕には理解できない。　パトカーに追っかけられた車が、逃げる途中、赤信号で人をはね死亡させても、パトカーは「追跡は、適正に行われた」と言い張る。死んだ人は「運が悪かった」として処理されるのだろうか。パトカーが追跡さえしなければ、あるいは交差点で、「人が死ぬかも知れない」と予想さえしていれば、その人は死ななかった。「人を殺しておいて」、何が「正当」なのだろう。　役人は、ウソを平気でつくし、間違った結果が出ても、決して謝らない。これも、偏見でなく、限りなく事実に近い。

  2008.05.06

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• 「死刑志願」の殺人と、「刑務所で食住を保証されたい」ための犯罪

  　硫化水素を使った自殺が増えている。有毒ガス発生で、同じマンションに住む住人が、避難させられたり、巻き添えの迷惑も、大きい。　ビルから飛び降りたり、新幹線のドアをこじ開けて、飛び降りたりの自殺も、目立つ。その度に、何の関係もない人が、突然巻き添えで、死んだり、大けがをしたり、列車が大幅に遅れたり、やはり周囲に大きな迷惑を及ぼしている。　自殺者は、いずれも、生きる目算を失い、この世に絶望して死ぬわけだから、後に残る「自分よりは、まだしも幸せな」他人への迷惑なんか、考える余裕も無いのが、当然だろう。　もっと極端なのが、先日、鹿児島県で起きたタクシー運転手殺しで逮捕された19歳の少年のように、「人を殺して死刑になりたかった、別に誰でもよかった」というケース。これも、自殺の一種で、殺された運転手は、巻き添え被害だと、僕は思う。　僕は、基本的には、死刑廃止論者だ。死刑が無ければ、このタクシー運転手のような、不幸な「巻き添え死」も無いだろう。しかし、死刑が無くなれば、「安心して刑務所に入れてもらえ、一生、税金で、寝泊りと食事にあるつける」と、「刑務所入り志願」の犯罪が多発して、そのために、また国家の支出が増す、というブラック・ユーモアのような説もある。　要するに、「自由化」を名目に、格差を助長し、一方で、社会のセーフティ・ネットの底を割ってしまった、自民党政治の、なれの果てが、これである。それなのに、「羊のように」おとなしく、デモ一つ起きない。そんな僕らは、もう少し、勇気あるチベット人達を見習ったら、どうなんだろうか。

  2008.04.25

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• 「市民の自由」より、「国家の統治」を優先する社会

  　「表現の自由」と、「知る権利」は、表裏一体だ。人が自由に表現出来なければ、それを知りたいと思っても、知ることが出来ないからだ。　そこで、前回に続き、この両権利が、いま、日本で危機に瀕している話を。　右翼の街宣車に怯えて、社会の大きな利益が失われていると、前回、指摘したが、この国には、他にも、両権利が、ないがしろにされている事例が、いっぱいある。　入管法が、「知る権利」の障害になっているとは、知らなかった。イタリア人哲学者アントニオ・ネグリ氏の話を聞きたいと、財団法人国際文化会館が、講演会を企画して、氏を招こうとしたところ、氏が、故国で服役したことがあったという経歴を、理由に、わが国の入管当局が、入国を拒否。それでも集まった東京と京都の聴衆は、氏の話を聞けないまま、「議論大会」になって終わったという。　氏の服役体験は、「反体制知識人」の立場から、「政治テロに思想的影響を与えたとして」有罪になったことが理由と、「朝日新聞」は伝えた（４月６日朝刊３２頁ほか＝東京本社版）。　服役前科のある人間の入国を、拒否するのは､　犯罪を防ぐための治安上の理由と思われるが、一度でも罪を犯した人間は、それを償った後でも、永久に日本に来れないのだろうか。もし、そうなら、これだけでも、人権上大問題と思う。だって、刑を終えた人が、社会に出て、再犯するかどうかなんて、全く分らないじゃない。日本人も、前科が一度でもあれば、イタリアはじめ海外旅行には行けないのだろうか。そんな馬鹿な。。。と僕は、絶句する。　ましてや、ネグり氏は、強盗や人殺しで有罪になったわけでなく、いわば、思想犯だ。しかも、始め、パリの日本大使館は、彼の入国に「ビザは不要」と言っていたのに、渡航２日前になって急に、日本の外務省が、「ビザが必要」と言い出したのだという。そして、入管法に照らして、入国拒否に。　この間の、措置を判断した役人の裁量一つで、氏の話を聞きたいと思っていた、多くの人の「知る権利」が、一方的に奪われた。このことを､当の役人は、どう考えているんだろう？　それとも、「事なかれ」の治安を保つことだけで頭がいっぱいで、「知る権利」のことなんか考えても見なかったのだろうね、どうせ。それこそが、今の日本の危機だと、僕なんか思うんだけど。　最近、「プラーバシー権」とか「著作権＝知的財産権」とか、新しい権利が元気がいい。昔からある「公共の福祉」も、ますますのさばっている。それらを前に、「知る権利＝表現の自由」は、ひ弱で、虐められっぱなしに見える。これは、「市民の自由」より「国家の統治」を優先させる、明治以来の、日本の司法の伝統にも、原因があるように思う。いつの日か、また６３年前と同じように、国民皆が、後悔する日が来ないといいが。。。

  2008.04.08

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• 右翼の街宣車に、怯える社会

  　「表現の自由」や、それと裏腹の、「知る権利」が、日本では、危機に瀕している。リ・イン監督の力作ドキュメンタリー映画「靖国」が、上映中止に追い込まれたことなどに、それは現れている。僕は、この映画を見ていないが、見たいと思う。でも、東京に住んでいるので、大坂や、新潟まで出かけないと、見れなくなった。　上映予定していた映画館が、なぜ、上映を取りやめたか？　それは、右翼の街宣車の嫌がらせを、恐れ、自粛したからだ。なぜ、恐れたか？　それは、上映予定の一部の映画館に、実際に街宣車がやってきたり、そうでなくとも、嫌がらせの電話が、映画館に掛かってきたりしたからだ。大音量の街宣車は、当事者だけでなく、近隣の無関係な住人に無差別な「音の暴力」で多大な迷惑を与えるので、当事者は、それを恐れる。　なぜ、電話や､街宣車での嫌がらせが起きたのか？　それは、稲田朋美という自民党の代議士が、「この映画が、中立性を欠いた＜偏向映画＞では、ないか」と、疑問を抱き、上映前に、国会議員のための、試写会を開くよう、文化庁に要求し、文化庁のお膳立てで、試写会が開かれたからだ。なぜ、稲田代議士が、「中立でないといけない」と思ったか？　それは、この映画に、公的な助成金が使われていたからだ。　では、一連の動きの中で、誰が、一番悪いのか――。（結論は、最後の１１行にありますので、お急ぎの方は、そちらへどうぞ）。　優れた映画に、公的助成金を出すことは、悪いことではない。商業的にペイしない優れた芸術作品に、公的援助をするのは、文化国家なら当然のことだ。では、誰が、「優れた映画」かどうか事前に判断するのか？　個人の趣向でなく、国民の多くが納得する企画が選ばれる制度が必要だろう。それは、時の政権から独立していた方が望ましい、と僕は思う。今回の「靖国」については、誰が、どういう基準で選んだのか、肝心のことは、例によって、マスコミに報道されていないので、マスコミでしか情報を得ていない僕には、分らない。稲田という自民党の代議士が、すでに助成を得て完成した映画の「中立性」に疑問を持って、公開前に国会議員向け試写会を要求したことは、正しかったか？　稲田議員の行動は、権力を利用した一種の「検閲」に当たるかもしれない。NHKの番組の放送前に、国会議員が、NHK幹部を呼び、番組内容を説明させる行為と似ている。彼が国会議員だから出来たことで、もし、権力の無い僕らが要求しても、配給会社は試写会を開いてはくれないだろうからだ。　ところで、ドキュメンタリー映画や、報道番組に「中立」ってあり得るだろうか。「ドキュメンタリーは、３６０度の世界をどう切り取るかによって変わる主観的表現行為だ。中立であるべきと言うのは、ドキュメンタリーに対する読み取り能力を欠いた要求だ」と、映画監督で作家でもある森達也氏が、朝日新聞に書いていたが、僕も、これに納得できる。　稲田代議士が、議員として、どういう行為をするかは、自由だが、彼が「公的助成を受ける以上、作品は中立であるべき」、とするなら、「それは、ドキュメンタリーに対する読み取り能力を、全く欠いた認識だ」と僕は思う。　この点で、稲田代議士の認識は、４月４日付け朝日新聞（朝刊２頁＝東京）に載っていた、右翼団体の４０代幹部の「表現の自由と言われても許せないものはある」「上映させたうえで議論するという意見もあるだろうが、上映させたらいかんわけだよ」という言葉と、根底では共通している。それは、ドキュメンタリーだけでなく「表現の自由という言葉の読み取り能力を、全く欠いた」感覚だと、僕は思う。　上映予定の映画館が、右翼の街宣車を、恐れるのは、気持ちとしては、当然だ。この点で、朝日新聞などが、「右翼の嫌がらせに負けず、勇気を持って頑張るべきだ」とお説教じみた主張をするのは、空疎に響く。実際に、あんな大音響の「音の暴力団」がやってきたら、普通の市民なら、たまったものではない。日教組の教研集会を、違法な契約不履行で、大混乱させた、プリンス・ホテルに対する、国民の不安感に対しても、「朝日新聞」の主張は、プリンス・ホテルの「泊り客に迷惑をかけたくない」という定見を欠いた安易さを、非難した空疎なものだった。　（で、結論）　僕は、一番悪いのは、関係ない周囲の市民に無差別に、多大の迷惑を及ぼし、そのことで当事者に、恐怖を与える、右翼の街宣車だと思う。なぜ、政治（国会）も、司法当局（裁判所や警察）も、行政（役所）も、右翼の街宣車を野放しにしているのだろう。何か理由があるのかしらん？　マスコミが、表現の自由を守るために、今こそ、やらねばならないことは、右翼の街宣車の「音の暴力を勝手にふるう自由」から、もっと多様で、幅広い一般市民の「表現の自由を」守るキャンペーンを、必死にやることでは、ないか。もし、今やらなければ、「民主主義」の将来に、大きな禍根を残すと思う。そのことを、僕は「朝日新聞」や、全てのマスコミと、稲田代議士にも言いたい。　東京などでは、街角の喫煙まで、厳しく取りしまっている。団地内へのビラ配りに対しても然り。それに比べ、社会全体に与える迷惑被害の程度では、ずっと大きい、この「音の暴力」を、なぜ、取り締まれないのか。法律を改正するなり、運用を工夫するなり、やる気になれば、出来るはずだ。それとも、やりたくない理由が何かあるのか？

  2008.04.04

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• ほしい日記帳が、ない。

  　今年も、あとわずか。　僕は、あまり自慢にはならないが、この２８年間、１日も欠かさず、日記をつけている。　で、年末になると、来年の日記帳を、買いに行く。今年も、何軒かの書店を回って、何十種類もの日記帳をあさった。そして、例年と同じ様に、イライラし、ガッカリ気落ちして、不本意な日記帳を１冊買ってきた。　僕の、求めているのは、特別な日記帳ではない。縦に、普通の人が生活する、午前６時ごろから夜中の１２時頃までの時刻が、物差しの目盛りの様にきってあり、そこに横書きに、出来事を書く。その横か下に、その日、読んり見たりした、本の梗概や、映画・テレビの内容などをメモできるような、やや広めの空白がとってある。そしてこれと別に、その日食べた食事の内容や、金銭出納が記録できる小さなボックスでも、ついていれば理想的。それらを、１ページないしは見開きにまとめてあれば、いいのだ。　だが、いくつもの書店を回って、何十種類もの日記帳を探し回ってみても、僕の、ささやかな要求を満たしてくれる日記帳は、この２８年間で、ついにお目にかかれなかった。今年も、また。。　惜しいのは、あった。例えば、時間目盛りが、午前０時から、午後１２時までの２４時間。これは、今年使ってみたが、午前０時から午前６時までは、ほとんど書き込むことが無く、無駄。だって、この時間は、大体、寝てるでしょ。　また、僕の要求に、近いのはあったが、土曜日と、日曜日のスペースが、なぜか、平日の半分。イベントの多い、土・日こそ、書くことが多いのに。やはり、日本人は、ビジネス優先なのかなあ。　また、僕の、もう１つの要求は、軽くて、コンパクトなこと。なぜなら、旅行に持って歩くから。そのために、月ごとのカレンダーや、色んな「読み物」「生活標語」などの類は、無い方が良い。要するに、白紙の「帳面」に徹してほしい。それなのに、月替わりのところなどに、余計な「読み物」や「コメント」が書いてある日記張が、結構多い。それをやめて、その分、軽く、安くしてくれたら、どんなに良いか。　毎年、今年こそは、と、希望に胸を膨らませて、何軒かの書店や、文具店をまわるが、今年も、また裏切られた。結局、時刻目盛りの無い、縦長の日記帳を、自分で線で区切って使うことにした。結構厚くて、僕には全く不必要な、「美容メモ」みたいなのが、毎日載っている。これって、女性用なのだ。でも、これが、まあ、使い易そうだったので。　僕の、日記帳に対する要求は、そんなに、特殊なものとは、思えないのに、何で、無いのだろう。日記張をつくる人のセンスの問題か、物が溢れている様で、その実、皆横並びで、バラエティに乏しい、この国の文化の問題か。　来年は、どこか１社でいいから、僕のほしい様な日記帳を作ってくださ～い！

  2007.12.28

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• マスコミの世論調査結果は、支離滅裂！

  　「朝日新聞」による、世論調査の結果が、今朝の紙面で、報じられていた。　僕は、新聞社や、テレビ局の行う、世論調査の結果に、いつも、不思議に思うことがある。それは、回答者が、まるで精神分裂症にかかって居るのではないか、と思わせる様な、「支離滅裂」な数字が出ることである。例えば、今回、「仮に、いま総選挙の投票をするとしたら、比例区ではどの政党に投票しますか？」の質問に、「自民党」と答えた人は２３％、「民主党」と答えた人は、３８％。民主党が圧倒的に支持を集めた。それなのに、「いま、どの政党を支持しますか？」の質問には、「自民党」が２７％、「民主党」が２５％、と自民党支持者が、民主党支持者を、上回る。これは、「今投票するなら、民主党だが、私の支持政党は、自民党なんだよ」という人が、かなりいる、ということですよね。でも、自民党支持の人が、何で、選挙で、民主党に入れるの？　そこが、僕にはよく分からないのだ。だって、政党って、政治の為に存在するんで、その党に政治を託したくないなら、なんで、その党を、支持するの？　また、「今後望ましい政権」として、「民主党」が、「自民党」の１．５倍ちかい４１％もあるのに、「出来るだけ早く総選挙を行うべきだ」と考える人は、「急ぐべきでない」と答えたひとより、逆に１０ポイントちかくも、少ない。つまり、「政権交代した方がいい」と思っているのに、「急ぐ必要は無い」、という人が、結構たくさん居るということだ。こういう人達は、「悪い政権でも、もう少し続いたほうがいい」と、思っているわけで、僕のように、何に対しても「善は急げ」と、思っている人間から見ると、全く筋が通っていない。「一体何考えているの？」となってしまう。　一方、福田内閣の支持率は、前回の４４％から、３１％に急落、逆に不支持率は、３６％から４８％に増え、逆転した。この原因は、「宙に浮いた年金記録５０００万件を３月末までに全部解明する」との公約を、福田政権が破ったことへの失望なんだって。でも、そんなこと、それまでに報道されていた、厚生労働省のメチャクチャぶりを見て、僕なんかは、始めから、出来っこ無いと、常識的に思っていた。だから、始めから、自民党など支持していない。でも、自民党の「３月末までに、５０００万件の不明年金を全て解決する」という「公約」を、信じて、前回「自民」を支持し、今回は自民党に騙されたと思って、自民支持から野党支持へ移った「お人好し」で、「騙されやすい」体質の人達が、そんなに沢山いた、ということだ。これも、世論調査結果を見て、僕の腑に落ちない点だ。　要するに、世論調査結果で、いつも僕が、気になるのは、回答者の意思の「支離滅裂」ぶりと、民主主義を担う有権者としての、最低限の常識的想像力の無さだ。理由にならないようなことで、「支持」と「不支持」が、刹那的にに、フラフラ変わる。政治に対する意見や考え方って、もうちよっと、長期的で一貫した物だと、僕は思うんだけれどねえ。　こうしたことって、いい加減で、その場その場の感情を煽るだけの、偏ったテレビ報道の責任もあるんじゃないだろうか。と、また、議論が、そこへ行ってしまった。困ったなあ。　　

  2007.12.21

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• 欠陥だらけのＴＶニュース

  　最近のテレビのニュースって、あまりに、ひどいので、見ないようにしているんだけど、たまたま、昨日夕方５時半頃、何気なく見てしまった「ニュース」が、またひどかった。多分ＴＢＳだったと思う。吉野家で店員が、ご飯の上に肉を山盛りにした巨大な肉丼「テラ丼」（メガの上のギガより、さらに上の単位が、テラ）を作り、これを携帯電話で撮影して、ウェブ・サイトに流したら、問題になり、吉野家が、作った「犯人」を探しだして、処分する、というニュース。「テラ丼」の映像付きだ。僕はこれを見ても、何が問題で、何故処分されるのか、全く分からず、狐につままれたような感覚に陥った。ニュースでは、吉野家が、「キッチンの映像をウェブ・サイトに流した」ことを問題にしている、と言っていた。でも、レストランなどのキッチンは、しょっちゅうテレビのワイド・ショーや旅番組などに出てくるじゃない。吉野家には、普段から、「キッチンを外部に見せてはいけない」、という規則でもあったのかしら。ニュースでは、その点についての説明は、全く無かった。　また、もし、この「テラ丼」の映像が、「食べ物を冗談にしていて不謹慎だ」とでも言うなら、その映像を、また、わざわざ、テレビに映して、女性キャスターが、嬉しそうに紹介している、このニュースそのものは、不謹慎でないの？　要するに、何がニュースなの？　僕は、むしろ吉野家が、この「テラ丼」を、新商品として売り出す、というニュースなのかな、と思って見ていたのだが、全くそうではなかった。　続いて、報じられたのが、米国で、飼い犬が、１３億円の遺産を相続した、というニュース。可愛い犬も映像で紹介された。えっ、米国の法律では、犬も遺産相続出来るの？　で、犬の寿命って、長くても１５，６年だと思うけど、その後、その犬の子供が、その遺産を相続するの？　それとも、実際に、遺産を貰うのは、その犬を世話する人？　じゃ、もし、遺産を貰った後、その人が、「犬の世話なんか、や～めた」と、放り出したら、どうなるの？　それとも、米国の法律では、こういう場合、その人は、犬が死ぬまで世話する義務に縛られるのかなあ。瞬間的に、いろんな疑問が湧くが、ニュースは、ただ可愛い、マルチーズの映像を、見せるだけで、僕の疑問に答えるような解説は、一切無かった。　たまたま、昨夕のＴＢＳの２つの例だが、僕は、こういうのは、「欠陥ニュース」だと思う。見る方は、ニュースを、さっぱり理解できない。でも最近、こういう「ずさん」なニュースに、よく行き当たる。イライラするだけだから、テレビのニュースは、あまり見なくなった。ま、民放は、タダだから、どうでも良いんだけど。でも、テレビのＣＭに、企業がかけるお金は、結局、商品の価格に上乗せされる訳だから、やっぱり、タダだから良いとばかり、言ってられないか。　経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）の国際的な学習到達度調査によると、日本の１５歳は、物事に疑問を持ったり、考えたりする力が、弱いんだそうだ。これって、こうした、テレビ局で、何にも疑問を感じないで、ずさんな「欠陥ニュース」を作っている、「物を考えない」放送局の大人達の影響もあるんじゃないだろうか。それとも、僕が、どうでもいいことにまで、疑問を感じすぎるのかなあ。

  2007.12.05

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• 国会議員の５２％が、２世なんだって。

  「年金生活者」の懐でも、そう痛まない程度の会費で、今年のワインの新酒ボージョレー・ヌーボーが、飲み放題、というので、昨夜は、ある会合に出かけてみた。　そこに、テレビでも顔を知っている、ある政治家が来ていて、こんな話をした。　最近の、日本の政治の、一番の危機は、国会議員に２世が増えたこと。なんと、国会議員の５２％が、親も国会議員だった「２世議員」なんだって（話した本人も２世議員）。で、彼が言うには、困ったことに、その２世議員が、ほとんど、選挙区でなく、東京育ち。選挙の時だけ、親の地盤の選挙区に帰る。しかも、彼らの多くが、東京でも、公立ならお屋敷町の環境の良い学区、そうでなければ、小中高一貫の有名私立のお坊ちゃんお嬢さん学校出身だということだという。　東京の公立小中学校といえば、僕もその出身で、その経験で言っても、昔は、大概、地域の種々雑多な人たちの子供が集まっていて、極貧の家の子も、大邸宅から通う子も、親とは関係なく、子供は「子供だけの世界」を作って、遊び回っていた。その間に、自分の親とは全く違う、他の子の親の仕事や、家庭の事情などを、垣間見て、自分なりに色んなことを、学んだものだった。　でも、そうした体験を、その政治家が言うには、２世議員の多くが、全く持たないまま、国会にやって来て、世間のことを何も知ずに、自分たちの狭い視野の中だけで、政治をしようとしているんだって。　ホントに、全く、深刻な日本の危機ですねえ。僕は、話を聞きながら、国会答弁を前に、唐突に辞めてしまった前首相のことを考えていた。でも、さらに、「２世」が多いのは、なにも政治家の世界だけではないのでは、と気がつく。芸能界、芸術家、役人、社長－－今の日本は、どこも２世だらけではないか。　何だか、馬鹿馬鹿しくなって、ボージョレー・ヌーボーを、がぶ飲みしてしまった。　ワイン通なら、常識だろうが、ボージョレー・ヌーボーは、決して上等なワインではない。今秋の新酒というだけだ。本場のフランスでは、安くて、気分のいい点が、買われる。今年その土地で穫れた新酒を祝う「お祭り」的要素もある。国会も、東京に瓶詰めで貯えられている古酒でなく、各地でトレトレの新酒の方が、ふさわしいのではないか。だって政治は、「祭りごと」と、昔から言うでしょう。あ～あ、困ったなあ。

  2007.11.22

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• クリスチャンの伯母を、お寺に埋葬する。

  　先月、伯母が死んだ。９１歳。子供はなく、夫には１０数年前に先立たれ、都内のマンションで、１人暮らしだった。　伯母は、母のすぐ上の姉。僕は、両親や、その他のおじ、おばも、全て、すでにに亡くしており、これで、父母たちの世代は、誰もいなくなった。僕は、兄弟や、いとこ達の中で、最年長なので、いよいよ、次は、僕の番かと、少し心が、しーんとなった。　先月死んだ伯母は、熱心なクリスチャンだった。遺言で、自分の住んでいたマンションを、通っていた教会に寄付したほど。確かに、病床についてからも、教会の人たちが、代わる代わる見舞いに来て下さり、心の面はもとより、一人暮らしの生活を、あれこれ支えてくださった。葬式も、もちろん、その教会でした。　だが、伯母より先に亡くなった、伯父は、クリスチャンでなく、出身地の四国のお寺の墓に埋葬されている。しかも、２人に子供はなく、伯父も１人っ子だったため、その墓を受け継ぐ人は近所におらず、無縁になっている。　伯母は、元気な頃は、「私も、死んだら、夫の墓に入る」と言っていた。だが、死が近づいた最期の日々、「教会の墓地に埋めて欲しい」とも、言っていた。　死んだ後、僕ら、甥や姪が集まって話し合った。僕は「分骨してもいいのでは？」と言ったが、本家筋のいとこが、「私は、分骨なんて主義に合わない」というようなことを言い、結局、夫婦バラバラでは可愛そうということで、来月、僕が代表して、四国の伯父の墓に、伯母の納骨にゆくことになった。戒名は、つけなくても良いと、そのお寺も許してくれた。このことを予測して、骨壺には、あえて十字架をつけていなかった。　でも、伯母が、もし生きていたら、何と言うだろうかと、僕は、ちょっと複雑な気持ちで、四国に行く。

  2007.11.17

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