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カテゴリ:映画
監督 三谷幸喜
少しあらすじ 港町、守加護(すかご)を牛耳るボス(西田敏行)の愛人(深津絵里)に手を出したために消されそうになったビンゴ(妻夫木聡)は、ボスに伝説の殺し屋デラ富樫を引き合わせることを条件に許される。 しかし5日の期限がせまってもデラは見つからない。ビンゴは三流役者の村田(佐藤浩一)を映画の撮影と騙してデラになりきらせることにする。 感想 三谷幸喜の作品(ただし映画以外はあまり知らない)は対象への盲目的な愛が土台になっているという気がする。「ラヂオの時間」ではラジオ番組づくり、「みんなの家」では家づくり、「THE有頂天ホテル」ではホテルマンの仕事への深い興味と愛情。そして本作は映画づくり。 ただ、その愛が盲目的であるために屈折感や毒気がなさ過ぎて、ややもの足りなさを感じるところもあるのだけど、今回はそんなことも忘れさせるぐらい「映画に愛をこめて」作られている。映画監督としての三谷幸喜は「ラヂオの時間」を超えられないと思っていたけど、これは間違いなく越えた。 物語は無理矢理である。セットがわかりやすすぎるのを隠そうともしていないし、エンドロールでその製作場面まで見せている。にせものとは言え映画作りがテーマで、作っているのはB級ギャング映画である。ゴダールの「勝手にしやがれ」とトリュフォーの「アメリカの夜」を叩き台にしているに違いない、というのは思い込みか? とにかく、こんなに映画への愛を感じさせる作品は「アメリカの夜」以来だ。(少しほめすぎているような気がしてきた) ちなみにタイトルになった「マジックアワー」は日が沈んでから暗くなるまでの、最も景色が美しく撮れる時間を意味する映画用語。「アメリカの夜」は昼間に撮影したものを夜景にする映像処理を表す映画用語。 「犬神家の一族」のお返しなのか市川昆がちょっとだけ出演しているのが泣かせる。(クレジットにも市川昆への献辞がある) 佐藤浩一がいきいきと三流役者を演じているのが楽しそう。ブッキーや西田敏行、寺島進はまぁいつも通り。小日向文世は見事なはまり役。深津絵里は古き良き時代のムービースターのよう。歌も雰囲気がある。 ちょい役のスターたちといい、サービス精神満タン。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.06.09 07:11:23
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