笹本敦史のブログ

　映画「容疑者Xの献身」の公開に合わせて放映されたスペシャルドラマ。

　内海（柴咲コウ）が登場する3年前の話ということで、主人公はガリレオこと湯川（福山雅治）と草薙刑事（北村一輝）。

　草薙が本庁へ栄転になって、入れ替わりに内海が配属されたというドラマシリーズの設定なので柴咲コウが使えない。だから華をそえる為に長澤まさみを使った、というように見えてしまうけど、まぁ可愛いから良いか。でも長澤まさみはこういうおちゃらけた役より、見るからにまじめな優等生という役の方が似合うと思う。

「容疑者Xの献身」を除けば短編のガリレオシリーズ。2時間枠で映画と同じぐらいの長さになるので、どうするのかと思ったら、草薙と湯川が学生時代にかかわった事件を回想で入れることで2つの短編をあわせた作りになっている。ここで狂言回しに栗林（渡辺いっけい）を使っているのが成功。

　学生時代の場面では「容疑者Xの献身」の石神が出てきたり、ラストシーンが「容疑者Xの献身」の冒頭シーンにつながっていたりで、映画を先に観ていると思わずニヤリとさせられる。

　でも映画はテレビシリーズとはずいぶん趣が違うので、テレビシリーズの延長を期待していくと外れる。映画は別のものと思って楽しむ作品です。

　このエピソードゼロは柴咲コウが出ていないけど、やはりテレビシリーズの作りになっている。映画にはなかった湯川がとりつかれたように数式を書き出す場面がある。それはそれですっかり馴染んでしまったので、妙な安心感がある。