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カテゴリ:雑感
消費税が10パーセントに引き上げられた。
僕は導入の時から消費税には反対している。理由は二つ。 一つは逆進性。所得が高くても低くても同じ税率で負担させられること。税率が同じだから平等だという考え方もあるだろうが、負担能力のある者がより多くを負担すべきだと僕は思う。 サラリーマンに比べ、自営業者は所得が捕捉されにくい。だから消費税の方が平等だという考え方もある。しかしそれは所得をどう定義し捕捉するかの問題であって、平等かどうかとは別問題だ。 そして贅沢品であっても生活必需品であっても税率が同じであるということも逆進性の原因になる。食料品は軽減税率が採られているが、あくまでも食料品という括りであって生活必需品ではない。 もう一つは消費税が所得税や法人税の減税の財源にされてきたことだ。今年度の税収見込みは今までの最高であった1990年を超えると言われている。1989年に消費税が導入され、税率が引き上げられてきたのに税収全体は増えていないのである。所得税や法人税は景気に左右されるものではあるが、30年スパンで消費税と逆比例してきたのは景気のせいとは言えない。 閑話休題。 消費税に対する批判の中に、輸出戻し税で大企業が利益を得ているというものがある。様々なところで言われていることだが、ソースはほぼ一人の先生で、それを真に受けて拡散しているものが多い。 しかしこれは消費税への批判としては間違っている。 そもそも消費税は消費者が負担するものであって、企業が負担するものではない。「いや、中小企業は身銭を切って消費税を負担している」という主張も聞くが、企業は顧客から預かった消費税を納付するだけである。もし身銭を切って消費税を納付しているのであれば、その企業は消費税がなくても赤字であるし、その状態が続くのであれば事業として成り立っていない。 大企業は下請けに消費税分の負担を押し付け、納入単価を引き下げているとも言われる。あるだろうと思うが、それは下請けいじめの問題であって、消費税がなくても起きることだ。仮に消費税分の値下げを求めたりすれば法律違反である。 いわゆる輸出戻し税は、商品を輸出する際に仕入れや物件費に掛かった消費税を還付するものだ。その商品を輸出せず国内で販売すれば、戻し税と同額の消費税と付加価値分の消費税を顧客から受け取り、付加価値分の消費税を納付することになる。例外がないとは言わないが、本来、企業にとって消費税はプラスにもマイナスにもならない。 専門家である件の先生はそんなことは承知の上で言っているのだろうと思う。しかし結果として的外れの批判を拡散しているのである。的外れの批判は本来の問題点をぼかすことになる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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