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2009/07/02(木)19:14

スパイダーマン

アメコミ(25)

2002年5月公開 監督:サム・ライミ 制作費:1億3900万ドル  人気アメリカン・コミック「スパイダーマン」の、実写映画化作品。  監督は、ホラームービー『死霊のはらわた』などで知られるサム・ライミ。  スパイダーマン=ピーター・パーカー役に、トビー・マグワイア。  キャスティングはほかに、ウィレム・デフォー、キルスティン・ダンストなど。 [簡単なあらすじ]  伯父夫婦のもとで育てられたピーター・パーカー(トビー・マグワイア)は、隣家の幼馴染みメリー・ジェーン・ワトソン(キルスティン・ダンスト)に恋しているものの、なかなか想いを告げられずにいる気弱な高校生。  ところがある日、見学に訪れたコロンビア大学の研究室で、遺伝子改良を施された「スーパースパイダー」に噛まれてしまい、強力なクモの能力を手に入れる。  一方、ピーターの親友ハリー・オズボーンの父親であるノーマン・オズボーン(ウィレム・デフォー)は、自らの会社である軍需企業「オズコープ」の利益を守るため、開発中だったパワー増強剤を服用。  ところが、薬の副作用で二重人格となってしまい、彼の中で眠っていたもうひとりの自分、邪悪な「グリーン・ゴブリン」が覚醒してしまう。  伯父の遺志を継ぎ、街の平和を守ろうとするピーター=スパイダーマンと、悪に手を染めたグリーン・ゴブリンの戦いが、今始まる――  “親愛なる隣人”、人気コミック「スパイダーマン」を実写化したSF・アクション映画です。  「スーパーマン」「バットマン」と並び、過去に放映されていたアニメや特撮番組によって、日本でも知名度の高い「スパイダーマン」。  テーマソングを憶えている、という人も多いのではないでしょうか。  2002年公開ということで、2000年公開の「X-メン」に引き続き、アメコミ実写映画化ブームの火付け役となった作品でもあります。  監督は当初、『ターミネーター』シリーズなどのジェームズ・キャメロンが候補に挙がっていたそうですが、ホラー映画などでカルト的人気を誇っていたサム・ライミが務めることに。  そんな、映画版『スパイダーマン』。  日本でも大ヒットしたのですが、さぶろの評価としては、ちょっと下がる“まあまあかな”といったところ。  というのも、のちのシリーズである「2」「3」や、他のアメコミ映画作品と比べても、ストーリーに若干の物足りなさがあるんですよね……。  アメコミ映画のシリーズ一作目の恒例行事として、“スパイダーマン誕生秘話”がまずスタート。  この“ベン伯父さんの悲劇”ともいえるエピソード自体は原作通りでもあり、ピリッと辛味が効いていていいんですが、それ以降の展開が少々ありきたりで盛り上がりに欠けるかな、というのが正直な感想。  今回のヴィラン(敵役)、「グリーン・ゴブリン」の行動にも必然性が感じられず、子供向け特撮番組の拡大版、というような内容に。  (元々子供向けの映画といえばそれまでだけど、もうちょっと練り込む余地はあったかなぁと)  パーカー一家以外の登場人物たちに、あまり魅力が感じられないのも、物語に入り込めない原因のような気がします。  とはいえそれも、傑作だった「2」や、やはりレベルの高い「3」と比べての話。  もちろん「1」も、十分楽しむことができる映画ですのでご安心を。  特にすごいのがVFX。  スパイダーマンは、今更説明するまでもなくクモの力を持ったスーパーヒーロー。  この映画の最大の見どころは、VFX(視覚効果)を効果的に使用した、その能力の描写シーン。  ビヨーン、ビヨーンと、摩天楼の空を軽快に跳び回るスパイディ。  CGを多用する映画の場合、そのレベルは予算の量と比例するもの。  そういう意味では、制作費が1億ドルオーバーである本作のVFXレベルが高いのは当然ともいえるのですが、製作時が2002年というまだまだCG黎明期だったことを考えると、本作のCG技術が他の映画に比べても、群を抜いて高いことが分かってもらえると思います。  この作風? はシリーズにも受け継がれていき、「2」や「3」でも爽快感溢れる映像は健在。  これだけでもシリーズを観る価値あり?  主人公ピーター・パーカーは、取り立てて取り得のない気弱な青年。  そんな、共感しやすい等身大の彼が、ヒットの要因でもありそう。  ウィレム・デフォー=グリーン・ゴブリンの怪演もよかったです。  いかにも悪者っぽい顔(笑)(失礼)  “内なる狂気に取り憑かれた男”というホラーな演出は、カルト映画監督サム・ライミの面目躍如。  でも、グリーン・ゴブリンは、グライダーよりもあの高性能な爆弾(パンプキン・ボム)の方が気になって仕方ありませんでした。  あれを軍に売れば、オズコープも安泰だったのでは……?  ヒロイン、MJことメリー・ジェーン・ワトソンを演じるのは、キルスティン・ダンスト。  実はさぶろ、この女優サンがあまり好きではないという致命的な問題が……(笑)  見た目がどうにもダメなんですよねぇ。  劇中のMJも、高校時代に付き合っていた不良といい、ハリーといい、ヒロインに似つかわしくない人を見る目のなさ。  (それを言えば、ピーターも同じかな)  MJがもっといい子だったら(全体的な意味合いで)、『スパイダーマン』をより楽しむことができたのでしょうが……。  全体のストーリーとしては、ひょんなことからヒーローとなった青年と、彼を狙う悪者との戦い、とやや単調なきらいが。  しかし、よくいえばシンプルなストーリーのお陰でとても観やすい映画です。  そして、「X-MEN」シリーズ同様、「スパイダーマン」ものちのシリーズが面白いですので、そちらをより楽しむためにも、未見の方は是非ご観賞ください。  ********** BEST COLLECTION ALL TIME 1980::スパイダーマン デラックス・コレクターズ・エディション BEST COLLECTION ALL TIME 1980::スパイダーマン2 デラックス・コレクターズ・エディション スパイダーマン3 デラックス・コレクターズ・エディション この映画の詳細(Amazon)。 ⇒スパイダーマン TM デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD] スパイダーマンシリーズの記事はコチラ ⇒「スパイダーマン2」 ⇒「スパイダーマン3」 アメコミ原作映画の記事はコチラから ⇒アメリカンコミック原作映画(リンクページ)

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