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2009.08.27
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カテゴリ:ティム・バートン
スウィーニー・トッド

2008年1月公開
監督:ティム・バートン
製作費:5千万ドル


 ティム・バートン、ジョニー・デップの強力コンビによる、伝説の殺人鬼スウィーニー・トッドを描いた、ホラー・ミュージカル映画。
 共演は、同じくティム・バートン映画には欠かせないヘレナ・ボナム=カーター。
 R‐15指定。


[簡単なあらすじ]
 19世紀のロンドン。
 無実の罪に問われて流罪となり、悪徳判事に妻と娘を奪われた男ベンジャミン・バーカー(ジョニー・デップ)は、復讐のために姿と名前を変えてフリート街へと舞い戻った。

 スウィーニー・トッドを名乗ったバーカーは、ラヴェット夫人(ヘレナ・ボナム=カーター)のパイ屋の2階で営業を再開。
 判事への復讐の機会を狙いつつ、髭剃りにやってきた客たちの柔らかな喉を、鋭いカミソリで切り裂いていく――



 プライベートでも友人同士であるという、ティム・バートン監督とジョニー・デップの最新コラボ作品です。
 デップは、同じくバートン監督作『シザーハンズ』以来、実に17年ぶりに床屋を演じることに。

 ブロードウェイで公演されたミュージカル版スウィーニー・トッドの映画化ということで、本作もキャストがセリフを歌って表現するミュージカル調で製作されているのが特徴。
 そのため、同じくミュージカル作品を映画化したジョエル・シュマッカーの2004年の映画、『オペラ座の怪人』と似た構成となっておりました。


 ストーリーは、実在したともいわれているイギリスの殺人鬼スウィーニー・トッドと、その共犯者で人肉を使ったパイを売っていたというラヴェット夫人をメインに、トッドの家族とその周囲の人々を巻き込んでいく、陰惨な復讐劇。
 この脚本が、予想以上に練りこまれていて、サスペンスとしても十分楽しめるできに。
 登場人物の関係が、複雑に絡み合っていく展開が、自分好みでよかったです。


 次々と客の喉を掻き切っていき、モノクロに近い暗い色調の映像の中で、真紅の血を盛大に噴き出させたり、
 眼の周りに黒い隈を作った不気味な化粧のラヴェット夫人が、南国の海辺で生活することを妄想したり、
 と、独特のアクの強いバートン節も余すところなく発揮されていて、ファンの方も安心(?)。



これだけ華やかじゃない主人公たちも珍しい

 常に眉間に皺を寄せた、暗い表情のジョニー・デップ。
 『パイレーツ・オブ・カリビアン』とはまた一味違った重い演技で、本職ではない歌の方も、無難にこなしておりました。
 床屋で、泡をつけて髭剃りして欲しくなる映画です。


 一方、本作の影の主役ともいえるヘレナ・ボナム=カーター。
 不気味な化粧と、胸元のぱっくり開いた大胆な衣装で、妙な味わいを醸し出しています。
 犠牲者を挽肉にして売ってしまおうなんて、トッド以上の異常っぷり。
 「世の中食うか食われるか」は、ちょっと洒落になっていません(笑)
 でも、子供は助けようとするなど、実は優しい一面も。
 結局すべては、愛ゆえにの行動だったのでしょうか。


床屋に行くのが恐くなりそう……(笑)

 殺人にも慣れてきたのか、バシバシと容赦なく人を殺していくトッド。
 終盤のジェノサイドには、思わず苦笑いが(笑)

 それと、ラストに至る展開があまりにショッキング過ぎて、ただでさえ置いてけ堀のジョアナとアンソニーの影が、さらに薄くなってしまったような。
 せめて、若い二人だけでも、幸せになって欲しいところです。



 ミュージカルであったり、ラブストーリーであったり、パイ作り(?)であったりと、どちらかというと女性向けといった印象の映画でした。
 ただし、結構グロテスクなシーンもあるので、観賞時には注意を。
 男性はというと、おそらくラヴェット夫人とジョアナの胸元にばかり目がいってしまって、困ってしまうことでしょう(笑)



 **********


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ティム・バートン監督作品の記事はコチラ

「ビートルジュース」

「シザーハンズ」

「マーズ・アタック!」

「ビッグ・フィッシュ」





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最終更新日  2009.08.27 18:32:49
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