カテゴリ:アメコミ
![]() 2009年4月公開 監督:レクシー・アレクサンダー 製作費:3500万ドル 人気アメコミシリーズ、「パニッシャー」の実写映画化作品。 「パニッシャー」の映画化としては3作目となるが、直接の関わりはなく、それぞれが独立した物語となっている。 [簡単なあらすじ] 法で裁けぬ悪人を、暴力を持って処刑する非情のクライムファイター、「パニッシャー(仕置人)」ことフランク・キャッスル(レイ・スティーヴンソン)。 だが、彼はある夜、マフィアを襲撃した際に、潜入捜査を行っていたFBI捜査官ドナテッリを誤って射殺してしまう。 ドナテッリの葬儀の場で、悲しむ妻と娘の姿を見、動揺するフランク。 彼もまた、マフィアによって罪もない家族を失った人間だったのだ。 贖罪のため、パニッシャーの引退を決意したフランク。 ところが、パニッシャーに顔の皮膚をズタズタにされ、激しく憎しみを募らせてたマフィアのリーダー「ジグソウ」の魔の手が、ドナテッリ母娘に伸びてしまい―― 『アイアンマン』『インクレディブル・ハルク』に続き、マーベル・スタジオズが自社制作を行ったアメコミ映画化シリーズの第3作です。 また、「パニッシャー」自体の映画化としても3作品目にあたりますが、トーマス・ジェーン、ジョン・トラボルタ出演の、2004年公開の『パニッシャー』とは関連のない、まったく別の物語となっています。 どうやら、脚本が原因で主演のトーマス・ジェーンの降板という経緯にいたったらしく、公開前から色々といわくがついた映画でもあり。 アメコミ原作とはいいつつも、「パニッシャー」には超人や怪人は登場しません。 作中の、すべての登場人物はいたって普通の人間であり、主人公であるパニッシャーことフランク・キャッスルも、銃器・格闘技に精通している以外は生身の人間。 そのため、他のアメコミ映画にあるような、CGを駆使した荒唐無稽なアクションシーンといったようなものはなく、全編とおしてシリアスな人間ドラマに焦点があてられているので、対象年齢が高めの映画ともいえるかも。 前作『パニッシャー』が、原作がコミックであることを思わせるコミカルなノリを持っていたのと比べると、大きく路線変更がなされたといえます。 また、銃器類を使った激しい戦闘シーンは、頭部の肉片が飛び散ったり、血が噴き出したりと、かなりグロテスクなので、苦手な人はご注意を。 本作の監督を務めたレクシー・アレクサンダーさん、女性監督なのになかなかハードな画を撮ります。 ![]() マフィアの抗争に巻き込まれ、罪もない家族を失ったフランク・キャッスルは、決して悪を許さない孤高のクライムファイター“パニッシャー”として生まれ変わった! 今回は、パニッシャー誕生ストーリーはサラッと軽く流されて、いきなり凄腕の戦士として登場。 “仕置人”の名のとおり、初っ端からガンガン悪人を殺していってくれるさまは、気分爽快。 トーマス・ジェーンも悪くなかったけど、レイ・スティーヴンソンのいかにも傭兵然としたマッチョな風貌が、原作の骨太な男パニッシャーとそっくりでよかった。 ドナテッリの幼い娘に、なくした我が子を重ねたりと、意外と人間性も残っていたり。 警察が割り合い好意的なのが、アメコミにしては珍しいかも。 ![]() 一方、ヴィラン(敵役)として登場するのは、パニッシャーにガラス瓶の中へ突き落とされ、ジグソーパズルのように継ぎはぎだらけの顔面となってしまった、怪人“ジグソウ”。 傷つく前も、男前だったかどうか疑問が残るのは置いておくとして、同じような設定を持つ他のアメコミの敵役(ジョーカーやトゥーフェイスなど)と比べて、どうにもキャラが弱いのが難点。 弟の「変人ジム」も小柄で迫力不足だし、敵キャラにアクが出せなかったのが、この映画の欠点のような気がします。 もっと、ヤバいくらいの狂気といったものが欲しかった。 パニッシャーとマフィアとの熾烈な銃撃戦をメインで見せつつも、愛する家族を失ったものたちの悲しみをドラマティックに描くなど、アメコミ映画とは侮れない、見応え十分の映画でした。 さすが女性監督だけあって、繊細な感情を描くのがうまい。 さらに、ラストでは、廃墟となったホテルでの膨大な人数のマフィアとの戦闘、といった漫画スレスレの熱い展開も用意されているので、アクション好きも安心。 原作漫画の知名度の低さから、日本ではほとんど注目されなかった不憫な作品ですが、いい意味で期待を裏切ってくれる完成度の高さを持った映画でした。 ただし、過剰なスプラッター描写は、喜ぶ人よりも敬遠する人の方が多いので、やりすぎない方がよかったかな……。 ********** ![]() パニッシャー:ウォー・ゾーン ![]() パニッシャー:ウォー・ゾーン【Blu-rayDisc Video】 ![]() パニッシャー コレクターズ・エディション この映画の詳細(Amazon)。 ⇒パニッシャー : ウォー・ゾーン [DVD] パニッシャーシリーズの記事はコチラ ⇒「パニッシャー」 アメコミ原作映画の記事はコチラから ⇒アメリカンコミック原作映画(リンクページ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.09.16 19:36:13
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