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2009.10.26
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カテゴリ:洋画・ミステリ
ヴィドック

2002年1月公開
監督:ピトフ
製作費:1億5200万フラン


 かつて、フランスに実在した私立探偵、ヴィドックを主人公としたミステリー映画。
 監督は、『キャットウーマン』のフランス人映画監督ピトフ。


[簡単なあらすじ]
 1830年、フランス。
 国民的英雄であるヴィドックの死を伝える報が、パリの街路を駆け抜けた。
 連続殺人事件の犯人として、“鏡の仮面”を被った錬金術師を追っていたヴィドックが、直接対決に敗れ、命を落としたのである。

 そんな中、ヴィドックの相棒ニミエの元へ、作家を名乗るエチエンヌという男が姿を現す。
 ヴィドックの伝記執筆を依頼されていたというエチエンヌは、ニミエやヴィドックの知人である踊り子プレアの元を訪れて情報を集め、ヴィドックの死の真相を突き止めようとするのだが――



 19世紀のフランスで、史上初の私立探偵として活躍した実在の人物、フランソワ・ヴィドックを主人公として描いた、ミステリー映画です。

 『デリカテッセン』『エイリアン4』などで特撮監督を務めて経験を積んできたピトフの初監督作品で、フィルムを一切使わずに全編をフルデジタルで撮影した、世界初の映画になるということ。


 ストーリーは、
「ヴィドックが警察から依頼されて調査していた、落雷による三人の人物の死亡事件」と、
「鏡の仮面を被った謎の錬金術師に殺されたヴィドックの死の真相」
というふたつの事件が入れ子構造となったミステリ。

 ただし、本格的な推理ものというよりかは、ファンタジー色の強い幻想的なものとなっております。
 特に、敵である錬金術師は、自在に姿を消したり現したりすることができるなど、少々人間離れした存在。
 彼の被った鏡のマスクに顔が映ると、その人物に必ず死が訪れるという恐ろしい噂があるのですが……。



この時代はみなさんもみあげがすごい

 冒頭のシーンでいきなり死んでしまい、視聴者を驚かせてくれる主人公ヴィドック(手前ではなく、中央の人です)。
 英雄とはいえすでに中年の域に達しているので、なかなか恰幅のいい体型。
 アクション時の足元のヨタつきが怖いです(笑)

 しかしこの映画、ヴィドックに限らず、役者がフランス人だからか、みな同じような服装をしているからなのか、どうも登場人物たちの判別がつきにくいという難点が。
 被害者の3人など、まったく違いが分かりませんでした。
 日本人には不利な映画なのかも。


 また、映像といえば、フルデジタルの効果なのか意図的なものなのか、全体的に画面が黄みがかっていて、独特の頽廃的な雰囲気を醸し出しています。
 当時の西欧諸国の、栄華と汚さを現したような……、って表現が難しいんですが、分かりやすくいうと、「ジョジョ的」な映像イメージでした。
 (え? 全然分かりやすくない?)


漫画っぽい表現も多め

 ヒロインである踊り子ブレア。
 ダンスをする時、わざわざ東洋人のように見える化粧をするという念の入れよう。
 って、そんな必要あるのかな……??

 中国やクメールといっていたけど、踊りも装飾もどちらかというとインド系に見えますね。
 フランス人から見たアジア人のイメージは、このような感じなのでしょうか。
 ほとんど裸じゃないかという衣装が、極めてセクシーで素敵です。

 他にも、本編中にはいくつかエロスなシーンが。


錬金術師のマントをなびかせたアクションはよかった

 ミステリながら、ヴィドックと錬金術師による激しいアクションシーンも。
 ただし、こちらも暗い色彩と相まってなにが起こっているのか分かりづらく、いまいち見づらいです。



 さらには、肝心のミステリ部分に関しても、「これは一体どういうことなんだ?」という謎にあまり引かれないため少々退屈気味。
 ヴィドックがフランスでは有名な人物ということなので、フランス人には歴史ものをみるように面白いのかも知れませんが、一般的な鑑賞者としては変態のオジサンが三人死んだところで、どうでもいいんですよねぇ。
 錬金術師の正体には驚いたけど、伏線も曖昧だし、少々唐突であるのは否めず。
 もっと、グッと物語に引き込まれるような、インパクトや捻りが欲しかった。

 フルデジタルで古い時代のパリを再現した映像はすばらしいものの、結局見どころはそこくらいかなぁ、という残念な印象で終わってしまう映画でした。



 **********


ヴィドック


この映画の詳細(Amazon)。

ヴィドック [DVD]



ピトフ監督作品の記事はコチラ

「キャットウーマン」





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最終更新日  2009.10.26 19:38:15
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