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のんびり幸兵衛夢日記

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購入履歴

2007.12.19
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カテゴリ:読書
こないだの入院に際しては、まだ読まずにおいてあった文庫本があったので持って行きました。
忘れないうちに、書いておくことにします。

~ヒマツブシその二・読書ヘン~

・「密造人の娘」マーガレット・マロン(ハヤカワミステリ文庫)

タイトルに密造人の娘とあるけど、父親がかつて密造酒をつくり地域でボス的な存在であることは、ストーリーの本スジとは無関係。ただこの独特の父娘関係が、この女主人公の強さ・独立心の源、ということなのだろう。
かつてベビーシッターをしていた女の子に、自分がまだ赤ん坊だった頃に起こった、母親の殺人事件の真相を追ってほしいと頼まれる。
アメリカの南部の田舎町にはびこる、黒人、女性、そして同性愛に対する偏見が、日常を支配している様子を、主人公の地方裁判所判事の選挙運動をとおしてうまく描かれている。そのような偏見・価値観・宗教観といったものが、銃の引き金を引かせてしまう、というこのスジガキは、恨みやお金が目的の殺人より、ある意味説得力があるように感じた。
アメリカ探偵作家クラブ賞受賞。

・「ぬしさまへ」畠山恵(新潮文庫)
文庫化されたらすぐ買う♪「若旦那」シリーズ。今回もほっこりやさしく、じんわり心に沁みます。
江戸の大店のひとり息子、商いは大いに繁盛していて、経済的には何不自由ない恵まれた身の上。
しかし、丈夫な体だけはどうしても手に入らない若旦那にとっては、周りのテキパキ力仕事をこなす使用人たちがうらやましい。
また、いつまでも独り立ちできない自分が歯がゆく、背負うものが大きいだけに、先行きに不安を感じる日々。。
いつの時代も、持てる人も、持たざる人も、どんな境遇にあっても悩みのないことなんてないんだな。

・「シェエラザード(上・下)」浅田次郎(講談社文庫)

とにかく漫画本の如くどんどん読める。上巻の半ばほど進んだところで、どうも読んだことがあるような気がしてくる(遅すぎッ)。いや、今の時代の登場人物がどうのこうのするというストーリーは初めて読んだけど、戦時中の弥勒丸のハナシは知っているぞ?なんでだろ…とヘンな気分を引きずりながら、一気に読み終えた。
そして退院後、ネットで見て、この小説は「阿波丸事件」というものを題材にかかれたものだということを知り、ワタシ、いつこの事件の概要を知ったんだろう…と、また不思議な気持ちになってしまった。。
船は確かに女性詞だけど、ちょっと気持ちの入れように無理があるような気が、女の端くれとしては思わないでもなかった。
あと、ジェ~タイのお食事券の真っ只中に読んだのも、不運だったかな。

・「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」山田真哉(光文社文庫)

「なぜ」と「?」が私を激しく苦しめ、ずい分前に買ったまま読まずにいた。読んでいる最中や読み終えた直後は、正直、ちょっと内容に無理があるんじゃない?という感想を抱いた部分があった。タイトルをはじめ、具体的な、そして意表をつくような疑問が次々に提示されてハナシを展開し、各章の終わりにその答えが示されているのだが、ときどき、この「まず読者の意表をついて引きつけ、何故だろうと思って読み進んでもらう」という方針を貫こうとするあまり、「そうかなぁ…」と思える部分がチラホラ見られた気がした。
でもそれは、この人の根底に流れる価値観に、私自身が共感することが出来たからこそかもしれない。
なんたって、私もケチだから♪でももったいないもったいないとモノにまみれるケチさはもっとイヤ。物欲は最小限に、シンプルに行くのが、お得かも。
読んでしばらく経つと、実際この世の中見渡せば、あっちこっちにこの本に出てきた事例が散らばっていることに気づいた。世間知らずの私が、この本でちょっとだけ、世の中ってこうなってるんか~と知ることが出来た気がしました。





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最終更新日  2007.12.21 15:21:45
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