2010/07/21(水)18:12
夜の公園
昨日はだるくて何もする気がしなかったので、母が買った「夜の公園」(川上弘美)を拝借して読みました。
後悔した~。この人の本はわりと好きだったのに。
午前2時過ぎの夜の公園を歩くのを習慣にする、主人公の専業主婦。分からん。
結婚して2年で、なんとなくというカンジで不倫する。
ダンナは自分の親友と不倫し、その親友は自分の不倫相手の兄とも、ほかの人とも不倫する、私立高校の教師。あ、いや、親友のは不倫とはいわないか。
ついでに、高校教師の相手の兄は、無理心中を図ったりもする。…分からん分からん。
別に、飛んでる筋書きもありだと思いますが、これはどうだろうなあ。
「スジだけをなぞるとぶっ飛んでるようだけど、登場人物の心の動きを読むと、分からないでもないなあ」と思わされるようなものが、なにもない。
こんな、ほわほわした日常を送っている人が、何人も束になっている世の中なのだろうか、今の世の中の人に私は疎いけど。
まあでも実際、私の周りを見渡しても、なんか軽いなあ~と思わされることがよくあります。
小学生の時、ひょろひょろでちっちゃいお猿さんみたいに愛嬌のあった男の子が、しっかりしたいい人と結婚してかわいい子もできたのに離婚してしまいましたが、その奥さんだった人は今でもお義母さんとうまくお付き合いをしているように振る舞い、自分が旅行に行く時などに子供を預けていったりします。
賢い子供はバアバに気を使って楽しそうな様子を演出しているし、バアバも好かれているうちはとヘトヘトになりながら目いっぱい面倒を見ているし、肝心の息子は一人すぐ近くのマンションで独身生活を満喫してるしで、私から見るとなんともったいないと思うことばかりですが、あの人たちにはそれなりに事情があるのでしょう。
少し前には、いとこが親の家に「昨日自殺未遂をした」と電話してきて、しばらく入院したりなんやらかんやらありましたが、あれも私には、何とか分かってあげないといけないのだろうけどもその切実さがさっぱり分からず、なるべく黙っていましたが腹の立つことばかりでした。
本当に私にとって、この世の中に起こっていることは分からんことばかり。
人々のいう「悩み」も、その多くは、幸せの照れ隠しのように思えます。
こんな、ほわほわしたことでいいのかと、この小説を読んで思いましたが、案外今の世の中をよく表しているのかもしれません。
でも、登場人物のみんながみんな、こんな調子で、今の世の中に無理にこびているというか、作者自身もこういう方向に傾いているのではないかなあという気がしました。