2006/08/20(日)11:52
蝉時雨
チッチの散歩をしていると、あちこちに蝉の抜け殻。
木の根元には、ポコポコと穴が開いている。
梅雨が長かったから、ここへきて一気に眠りから覚めたらしい、鳴声を通り越して、騒音化しているよ。
アブラゼミのジージーに混じって、時折りヒグラシも鳴いている。
そろそろ夏も終わりだなあ・・・。
チッチの散歩道で、ちょうど孵化しかけたセミを見た。
虫は苦手な私だが、あんまり不思議な光景で、ジッと見入ってしまった。
蛍光ホワイトのふにゃっと柔らかそうなセミ。
ホンの1週間足らずの一生を謳歌すべく、ジッと乾くのを待っている。
チッチも私も夏バテ気味だ。
休みの日は、できるだけ6時台に起きて、一回り散歩させてやるのだが、20分も歩くと息遣いがガハガハしてきて、自宅方向へと自分から選んで歩いて行くのだ。
はじめ、チッチは何をワガママをいうようになったのかしら。と訝ったものだ。
でも、どうやら、帰る道を選んでいるのだ、と思い当たった時、チッチにも帰巣本能が宿っているのか、と感心したものだ。
そして帰ると水風呂ジャボン!
これじゃ腹のカイカイが治らないわけだ。
シッポの付け根もジュクジュクしてしまい、先週は医者にバリカンで刈られてしまった。
初めてのオハゲに、私はショックなのだが、チッチはへいちゃららしい。
バテバテで、昼間もエアコンの効いた家の中でゴロゴロしている私とチッチに、相反する男が一人・・・
主人だけは妙に元気である。
仙台から帰任して以来、豆腐ダイエットとスポーツジム通いで、すっかり贅肉を落とし、私へのイヤミか?と思うくらい逆三角形に整ったボディを得た。
一旦決めると、トコトンなのである。
去年は、猛暑の最中「今年は涼しいなあ」と爆弾発言をとばしやがった。
贅肉が落ちると、暑さも和らぐらしい。
そうか、私が今年やけに暑いのは、肉布団が一枚増えたからなのねっ
悪うござんしたっ
ああ、早く涼しくならないかなあ、秋が来ないかなあ、と思う反面、ギラギラした夏が眩しくもある。
焼けたコンクリートを爪先立ちで走りながら、プールに飛び込んでいった子供の頃。
帰り道に、なぜかあったおでん屋さんの屋台。醤油が滲みたハンペンの味。
赤い花の模様の浴衣、三尺帯。
ドラゴン花火。
少し高くなった青空と入道雲を見ていると、つい遠い夏に心の旅がはじまる。