ラブレターフロームカナダ

2007/06/08(金)01:46

第3話、当たって砕ける3

鬼のパンティ、道子の日記2(43)

「確か、お父さんが弁護士って言ってたかな、、 ロイヤーって弁護士って意味だよね? 彼、確か自分の父親はロイヤーって言ったと思うんだけど、、」 大きな黒い瞳で菊ちゃんが必死になって電子辞書を引き出した。 「弁護士なんだ、、、」 「いいじゃん、、」 私はそういいながら、 百合をひじでつっついた、、 「彼の体毛が濃すぎるのがいやなんだけど、 ほら、「猿の惑星」を特殊メイク無しでいけそうな、 Tシャツの丸首から暴れるようにはみ出てるあの体毛、、、 あれが全身あると思うと、、、 でもあれさえ我慢すれば、、、 うまく行けば豪邸に住めるのかな、、、 もう後がないしね、、私、、、」 話しがほとんど終ったところで菊ちゃんが大声をあげた。 「あった~!弁護士って意味だよ、弁護士、すごいじゃない、 いいじゃん!」 あまりの間の悪さに私と百合は 笑みがこぼれてきた。 そして菊ちゃんはそんなことも知らずに自慢げに、 「じゃあこれからは、百合さんはロベルトと、道子さんはジミー探しね。」 と言った。 「じゃあ、菊ちゃんは?」 百合が少しからかうように菊ちゃんに聞いた。 「私?う~んどうしようかな、、日本で彼待ってるしね、、 ま、適当に遊んで彼の元へ帰るかな、、、」 「遊ぶって、どうやってあそぶのよ、、」 「ちょこっとつまみ食い程度かな、、あはは、、、、」 菊ちゃんは冗談ぽく最後ははぐらかしていた。 後々、純粋な菊ちゃんは実際につまみ食いを試みるのだが、 これがとんでもない展開になり 最終的には思わぬ結果を生み出すのだが、 その時の私達には知るよしも無く、 ただただ このカナダでの生活は楽しい事ばかりが待っているように 思えて、3人は胸をときめかせ微笑みあっていた。 新しくカナダで出来た私の友達は、 私に負けず劣らずめでたく浅はかで、 私はジミー探しを続けながらも この私達の浅はかな計算によって 私達の「運命の人」探しが バンクーバーにて幕をきったのである。 それから1週間後、 学校と家との往復では 出会う数にも限られていることを悟り、 私は「出会い」のために仕事探しを始めたのだ。                         続く いつも有難うございます

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