ラブレターフロームカナダ

2007/06/27(水)05:09

第20話、夢追いババたれ3

鬼のパンティ、道子の日記2(43)

頭がそんなに良くない分、 私の計算はかなり浅はかなものなのだが、 それでも常に色んなことを裏読みしながら行動してきた 私の性格というものは 無垢、という言葉とは程遠かった。 私はそれを偽り、 かなり無邪気な風を装ってこう聞いてみた。 「うわっ、素敵、ビクトリアにも家があるんですか? 私、一度も行った事がなくって、、、 一度行って見たいと思っていたんです~。」 両手を胸の辺りで組み、 語尾を少し上げてみた。 果たしてその行動が、 33歳の私に相応しかったかどうか分からないが、 よくある古い手を使った。 行った事が無い=行ってみたい=誘って欲しい=彼の家に泊まれる? 言った事が無い+誘われる=彼の部屋に泊まれる? 年頃の二人×彼の家に泊まる=鬼のパンツがやっと脱げる? という 方程式が私の頭の中を駆け巡っていた。 「ビクトリアはいいところですよ、 ここと比べるとかなり田舎なんですが、 のんびりしているし、、」 「え~、私、田舎好きなんです~都会育ちだから 田舎暮らしに憧れて、、、うわあ、言ってみたいな、、」 少し首を傾げたりもした。 「バンクーバーにいるのなら、一度は是非行ってみるべきですよ、、」 「はい、でも、どうやって行っていいのか知らなくって、知っている人と 一緒に、、、、」 「PCLってバスに乗ればバンクーバーのダウンタウンから ビクトリアのダウンタウンまで直行ですよ、、 ビクトリアのダウンタウンから色んなツアーも予約できますしね、、 お友達と来られるならレンタカー借りて色々周るのもいいですし、、」 色んな方向で責めてみても、 彼はひらりと返してくる、、 それでも私は 「私は彼の好みのタイプじゃないのだわ、、」 などという発想は一向に浮かばず、 夢で会い続けた運命の彼を信じ、 「私達まだ会ったばかりだし、彼は恥ずかしがりやなのかも、、」 と思い込んでいた。 再びぱらぱらと 「おコンパルール」をめくりだし、 押しても駄目ならもっと押してみろ! の最後の作戦にでてみた。 「じゃ、今度行きます~、でね、行った時、ジムに連絡していいですか? あ、あの、その、、なんていうのかな、、 会えればいいかな、なんて、、」 自分でも照れていたのか照れていなかったのか分からないほど 私は女優顔負けの演技で かわいい照れた女を演じたのではないだろうか? そんな会話の中、 幸子さんはジムのラテを作り終えていた。 ジムはそのラテをとる前に シャツのポッケから一枚のビジネスカードを取り出して 後ろにさらさらと何か文字を書き出した。 彼はそれを書き終えると 私の目の前にその名刺を差し出し、 「裏に僕の携帯番号を書きました、、 殆ど毎週末ビクトリアに帰っているし、 もし来る事があればいつでも電話してください。 それと、メールアドレスもここに書いてあるし、 いつでもメールしてくれていいですよ、、」 彼は軽く私にウインクすると、 軽く片手をあげて店を出て行った、 いつも夢で見せていた あのさわやかな笑顔を残して、、、、                             続く このお話を気に入っていただきましたらクリックお願いします^^

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