schatzky☆ドイツ忘我と結実の境。

日本ケーキは、ドイツトルテになるのだ

日本ケーキはドイツトルテになるのだ。

Torte トルテ

タイトルは、なにやら謎かけのようではありますが。
一言で言えば、

日本のケーキは、ドイツに行くと、みんな「トルテ」として売られているよ。

ということなのだった。

では、きちんと説明しましょうね。

ドイツ語のトルテ、ドイツで「トルテ」と名付けられているものは、日本で普通に思い浮かべるケーキにかぎりなーく近いものです。

ドイツ語の辞書(独独)には、Torteは、たとえば、
「上等の、大抵はいくつかの層からなる、・・・
クリーム・・・を詰めるか、果物を載せ、・・・飾り付けをした、
大抵は丸い形からなるKuchenクーヘン」

とあります。

ドイツの食品辞典を引いて、ちょっと専門的に解説を述べると、

「円形が多く、味には多くのバリエーションがある。
スポンジ台のあるタイプ、ないタイプがある。
スポンジ台には詰め物をする場合としない場合があり、
ケーキを作る店で、最良品質の製品である。」


これだと、種類が非常に多いということが分かります。

続けると、

トルテとは、
スポンジ台の間や上にフルーツやチョコレート、様々な種類のクリームを挟んだり載せたりし、
さらに、様々な味や香り、色を付けたクリームで飾りあげたもの
を、
基本的には指す。
一般に、生地を作る段階より、焼き上げたあとの手間が重要になる。


フルーツが載っただけの、クリームを含まないトルテもあるが、
こちらも台を焼き上げたあとの仕上げが重要であるという点では、クリームを使うものと同様である。



というわけで、トルテの場合、
生地を焼き上げたあとのデコレーション作業がとても大事。
ここで、トルテの味と見栄えの方向性が決まります。


そういうことからしても、日本でいわゆるケーキと呼ばれるお菓子と、性格的には似ているのね。

さて、前のページからの続き(昔書いたものね)。


 ...日本のケーキ屋さんで売っているきれいにデコレしたケーキは、
こちらでは「トルテ」といいます。
 フランス語にある「タルテ」と語源は一緒ですが、
あちらは大小のタルテ型に焼いた台にクリームやフルーツを詰め,デコレーションしたもの。

こちらのトルテは、日本でもおなじみの、
大抵はBiskuitboden:ビスクイット(フランス語>ビスキュイ)生地で作ったスポンジ台に、
生クリーム、バタークリームその他いろいろで飾り立てた、美しいケーキです。

例を挙げましょう。

ショートケーキは日本特有のケーキですが、
ドイツ語に直すとSahnecremetorte(生クリームのケーキ)とか、
イチゴを強調するときはErdbeeresahnetorte / Sahne-Erdbeertorte(イチゴクリームケーキ)になります。

ショートケーキを直訳したら?
Backfettstorte・・・・・ 製菓用油脂ケーキ。・・・ちょっと、まずそう(笑)
とても人工的な感じがしますね。それに,職人的だけど夢がない。(笑)
ちなみにこれは、ショートケーキの語源が、ショートニングという製菓用油脂を用いたケーキだからということに基づいています。
ショートニングはどこに行ってもショートニングで通した方が良いのかしら。
少し話が横にそれますが、
ショートケーキって、短い(早い)ケーキではないのね(笑)
ショートニングがが入ると、生地がさくさく、ほろほろとなるのだそうです。そこから来ているというのが、定説のようです。

あ、同じ系統で、ショートブレッド、ご存じでしょうか?イギリスの、ビスケットみたいなお菓子。
あのショートと同じ意味のようです。




さて、では、ドイツではこのようなケーキを、上に述べた外に、どのように言い表すでしょう。

フランス的に、スポンジ(ビスキュイ生地)を強調するなら、Biskuittorte ビスキュイットトルテ。
ただし、トルテは台をビスキュイ生地で作るのが基本の一つなのね
(フルーツトルテなどにはまた別の生地があるにょ)。

だから、ビスキュイ・トルテという名前は、
特に生地の種類を明らかにする必要がある専門書などでケーキ生地の分類をしている場合以外、
見かけることはないかもしれません。


お店で「ビスキュイットトルテください」といったら、
陳列してあるケーキの種類の大半を示される可能性、大。
これ、これこれ、あれとそれと、これも。とか
あ、そっちにあるのもだけど、そっちはアーモンドプードル入り、こっちはカカオ入りとか(笑)。

だから、ドイツのお店でトルテを買うときは、
生地の名前じゃなくて、
外の材料で入っていてほしいものを述べるか、
形から入って、どんな味がするかはあとのお楽しみとして注文したり。
これから先の説明でも述べてあるけれど、
作り手が自由に想像力を働かせて付けた名前もたくさんあるので
そういうとき、名前で味が判断できることは滅多にありません(笑)

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さて・・・これから先は、まじめにちょっと堅いので、
疲れたら別のところで一休みをしてね。

Torteの語源は、ラテン語のTORTUSから派生したもので、回すとか、裏返すことを意味する。

トルテの名称は、想像の産物であるので、大抵その名前から、特徴や、材料の調合を見分けることは出来ない。

・・・つまり、法律で名前と原料の配合が決められていないといえばいいかな。

特定の味や個性、形、特別な飾りといった特徴が名前に現れているトルテには、

PUNCHTORTE(パンチトルテ), WIENER TORTE(ヴィーン風トルテ), ALEXANDERTORTE(アレクサンダートルテ),
TRUEFFELTORTE(トリュフのトルテ), HAVANNATORTE(ハヴァナ風トルテ), SACHERTORTE(ザッハートルテ) DOBOSTORTE(ドボシュトルテ)などがある。

そのほかの名称は、

1.形によるもの (ハート型、卵形、王冠型) - フランクフルタークランツなど、
2.フィリング、デコレーション、上掛け、飾り、使用原料によるもの - 果物のトルテなど
3.供される形式によるもの、(分かりづらいけど、切り売りする予定のトルテをAnschnitttorte 切り分けトルテと呼んだり、販売用トルテなどという名称がある)
に分けられる。


トルテの生地台について。

トルテの生地には、

Muerbeteig, M?rbeteig ( ミュルベタイク、混ぜ生地。砂糖、油脂、卵、小麦粉、少量の牛乳または水で作った柔らかい生地)

Blaetterteig、Bl?tterteig(ブレッタータイク、パイのように幾つも折り重なった層のある生地)、

Baisermasse(ベゼーマッセ。卵白と砂糖で作った、メレンゲトルテ用の生地)

Volleimasse(フォルアイマッセ。全卵を使用した生地)
などがある。

その際、風味をだすのに役立つ原料、
チョコレートパウダーや各種ナッツのパウダー(プードル、すりつぶしたもの)なども一緒に使用される。


生地の特徴

トルテの台はきつね色に焼くばあい、常に、つやなしに焼き上げる。

台は柔らかく、噛みやすく、口の中でほろほろと崩れ落ちるようで、いくらか水分を含み、
なおかつ、もしフィリングを加えたり、フィリングを敷いたりする場合でも、
スポンジ台がすっかり湿ってしまうということになってはならない。


おもしろいねぇ。食感までこうしろと書いてある。



トルテのフィリングについて。

トルテのフィリングには、
マーマレード、コンフィトゥール(果実の粒入りジャム)、軽いか重いクリーム、
様々なクロカント、生クリーム、アイスなどの生原料を含む。

飾りや添え物には、
生、もしくは保存用(砂糖漬け)果物、
上掛けをしたり、全体を覆うには、
クーヴェルチュールチョコレート、カカオ入り植物油脂、フォンダン、砂糖、卵白、
スターチ、フルーツトルテ用のゼリー、マジパン等が使われる。

詰め物
詰め物がスポンジ生地に染みこむことなく、
生地の内側とうまく調和していなければならない。


あ、またですよ。ちゃんと美味しくなるように、決まりがある。

「トルテって、味にもうるさく決まりがあるのねぇ、やっぱり(^^)」
と、読んでいる間にまた、そのドイツらしさにうなずいてしまいました。



あと、まだまだ続くのですが、
専門的なことはこのくらいにいたしましょう。

語源も、もっと詳しく調べた研究がありますが、
また日を改めて。

次は、バウムクーヘンについて。

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