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カテゴリ:研究と大学
須澤通、井出 万秀著:ドイツ語史―社会・文化・メディアを背景としてすごい本です。 私ごときがいうのも何ですが。 これだけの本を書かれるのは、並大抵のことではない。 そして、これは、 そういうわけで、滅多にしないことですが、 彼女-黒い森の白いくまさんの、この本によせる想いはこちらからどうぞ。 さて、本について。 この本は、ドイツ語の発達史を学びながら、 ドイツ史を、ドイツの文化を、ドイツの社会とメディアとひとの関わりを学べる。 それも、全体を俯瞰して。 そして、全体をつなぐ、一本の糸の役割を果たしているのが、ドイツ語です。 ドイツ語という言葉を軸に、ドイツを学べる本といってもいいでしょう。 (これは、文化学研究者としての視点からです。ドイツ語専門のかたはご不満かも)
私からみたら、こんなありがたい本はありません。 くまさんが書いているけど、この半世紀、ドイツ語史をまとめた本は、でてこなかったとか。 私も、そんな本にお目にかかった覚えはありません。 そして、この本のすごいところは、ドイツ語という一つの視点から 一冊で全体を見渡すことができる本というのは、ドイツ語史でなくても、 なかなかないものです。 逆に、あったらとても楽。とてもありがたい。 その一冊をひもとけば、要点がサッと掴める。知りたいところがぱっと引ける。 何か、疑問があったら、その点を確かめることができる。 初学者には少し、近づきがたい本かもしれませんが、 大切なことを、要点を押さえてまとめてくださっています。 いっぺんに全部を読み通すのは、大変な本です。 でも、手元に置いて、繰り返し、少しずつ読んだらとてもためになる本です。
大学での研究の半分から三分の2は、資料集めであると あるテーマについて一貫した資料を最初から最後まで揃えることは それほど、面倒くさくて難しいものです。 資料が集まらなければ、研究はできない。 どんなにテーマがおもしろくても、だめなのです。 一方、概説史というのは、ときとして散漫、もしくは平坦になりがちで、 そんなときに、何でもいいから一つ、視点を定めて物事を追っていくと、 この本は、その視点をドイツ語という言葉に置いています。 その裾野の広さを考えたら、この著者の方々はどうやってこれを成し遂げたのだろうと 言葉と文化は、切っても切り離せないもの。 言語だけ学んでいても、それは役には立ちません。 そういう意味で、この本は正統派の本です。 ドイツ語を学ぶなら、是非読んで欲しい。 そして、ドイツを知りたい、学びたい人には、 全部を読み通すのは、なかなか容易ではありませんが、
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「その視点をドイツ語という言葉に置く」 ― なにかとても凄い事のように思いますが、資料も膨大な反面優れた研究も数多くあるでしょう。
その点「クーヘン」の方は身近な感じがする反面資料となる研究は少なさそうなので、収集自体が骨折りなのでしょうか。 (2009年08月06日 23時41分44秒)
pfaelzerweinさん
こんにちは。 >その点「クーヘン」の方は身近な感じがする反面資料となる研究は少なさそうなので、収集自体が骨折りなのでしょうか。 そうですね、「クーヘン」については、収集自体が「無理じゃないの?」と思われることが多かったですし、実際、難しいです。先行研究がたくさんあるものとはやはり研究手法が異なります。どんな研究でも、どこに何が書いてあるのかを最初におさらいするんですけれど、私の場合はこれが少ないので、必然的に探索の幅を広げることになりました。だからこその学際的研究でもあります。 記述があるものを探して文献を探しまくっても、一冊に一行、二行しかなかったり。300ページくらいある本で1ページくらいの記述がある本を見つけると、それだけで大喜びでした(笑)。 特に20世紀、戦後がポイントだったので、学術的な文献がないことも多くて、一次資料を探しに文書館を訪ねたり、雑誌を取り寄せたり。試行錯誤の繰り返しで、いろいろ集めていきました。普通の人は図書館に資料がごっそりあって、持ち帰れないので図書館で作業をするのですが、私の場合は図書館に行ってもないので、いろんなところからコピーして持ち帰った資料を家において、最後は引きこもり生活(笑)。 そして、民俗学の大切な手法にフィールドワークがあるのですが、私の研究はこれがあってこそ成り立ったようなものです。 (2009年08月07日 08時18分46秒) |
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