ディプロマミルとかなんとか、USAとその愉快な仲間達のお国には、
まっとうな神経と常識の持ち主には訳の分からないものがある。
ドイツはお堅い国だが、それでも剽窃/盗用をするアホがいる。
だからこそか、ギャグでまともにナンチャッテ博士号を買っちゃおうよという話が出た。
ドイツという国は偽の称号を使うことにすごく厳しい。
ドクターどころかマギスターとマスターは違うんだとかね…。
ついでに称号の入手法もうるさい。
どっちも怪しげなことをすると立派な犯罪とされ、
公の立場にいようものなら最後の最後まで糾弾。
そのいい例が、彼の政治家たち。
結構イケメンで襟も正しいさわやかスーパーニューカマーとして期待されてた
Zu Guttenberg氏は、博論の盗作騒ぎですったもんだの末辞任
(まあ、盗作どころかゴーストライターに書かせただろって話になってるけど)。
最近はハンガリーの大統領もこれで辞任しちゃったしね。
剽窃/盗用の追っかけも激しく、それ専用のWikiもある。
何でも水に流してしまえばどうにかなっちゃう日本とは大違い。
*まあ、今回は某巨大掲示板&個人サイトさんが細かな検証をしているが。
ところが、法律を逆手にとって合法に博士号やら教授の称号を売る会社が表れた。
分野は宗教経済/ホメオパシー/風水/アロマセラピー/超物理/
エクソシスム(悪魔払い)/UFO学、等々…と全部で65種。
どんどん怪しくなってくるのは、これが一応ギャグだから。
普通の頭で考えれば、私生活にしか使えない(使わない)だろうが…。
それでも、怪しげなことをやっている人なんかは自分で欲しくなるんですかね…。
それともほんとにギャグでプレゼント用?
だって、かのBild紙によればグルーポンで6週間のうちに7000本以上売れてるんだもん。
売り上げで28万ユーロ、凡そ3千万円。
関連ニュースを見たら、3月末の時点で6千人以上が既に購入、予約が4千人近く。
グルーポンではじめに出たときも結構センセーショナルなギャグだったらしく
あちこちでニュースになっていたが
こんなに売れるとは売り始めた人も想像しなかったんじゃーなかろうか。
少なくともグルーポンは「ギャグで」と言っていた。
かくいう私も、その頃は「あほらし」と思ってスルーしておりました。
いやー…好きな人は好きなんですねぇ、称号。
zu Guttenbergも大金払ってあんなことになるより、これで我慢しとけばよかったのに…。
(って、ゴシップ紙が色々かき立てるから選挙には使えないけどね)
ちなみに、こういうのを名前につけて使うときにとりあえず捕まらないポイントは、
要するに「アカデミックな博士号と区別できる」みたいなことらしい。
つまり、まっとうな博士号ではないことが誰の目にも明らかでなければいけないってこと。
この団体はうまくカモフラージュしてて、
そんなことはちょっと見ただけでは分からなくなっている。
法律上はまだ争う余地があるらしいけど
1."h.c."って記号をつける。これはhonoris causa=「名誉博士」、
つまり博士号をとるためだけの学術的な論文も書いてなけりゃ
審査も受けてないよってことを表す記号。
けど、そんなの一般人には分からない。
大学に貢献した著名人とかもこれ、もらってるし。
普通に博士号を持っている人が加えて持っていることもある。
2.どこの国で出てるのか、明らかにする。で、この団体、適当な教会名がついてるんだけど
(これがまたぷんぷんにおう…Miami Life Development Church)、
その頭文字をとるとMLDC、
というわけで、発行元がMLDC Institute (USA)なんてつけると、
いかにもアカデミックっぽいにおいがする。
3. どんな分野でというのも書かなきゃいけないわけだが、「カウンセリング」「風水」「ホメオパシー」なんて、
「へぇ、そんなのでも博士号あるんだ~」とか、思っちゃいそう。
さらにはここ、教会を名乗ってるだけあって、「宗教学」とか「聖書…」というのもあって、
最初に書いたみたいに「宗教経済」なんてタイトルなら、宗教に興味のない人は信じちゃうかもねぇ…。
もっとも、キリスト教大国で「宗教」という大くくりな分野はよく考えればかなり嘘くさいんだけど。
そんなこんなで、Doctor h.c. of Religious Economics MLDC, USA.
(「宗教経済博士 MLDC(米国)」)なんて、ほら、結構立派で本物っぽい。
じゃあ、買ってみる?
ちなみにここから買えます。
ご使用は個人責任でどうぞ(笑)。
*追記(2014):昨今の日本における剽窃盗用博士号取得事件&
コピペに対する「してはいけないという認識がなかった」というあきれてものも言えない発言を鑑み、
不要な犯罪を未然に防ぐため、
以後、ギャグであろうがなかろうが、一切の利用はお勧めいたしません。
(こんなことを書かなきゃならない日が来るとは思わなかった)