訳あって、ホスピスへ行って来た。
ドイツのホスピスは初めてだ。
日本では父が神奈川のホスピスに入っていたが、
ドイツのそこはそのホスピスより小ぢんまりとしていた。
普通の高層アパートが立ち並ぶ一角にあり、入り口も普通のアパートのようだった。
部屋は個人部屋で、天井の一部が吹き抜けになっている。
そこから光が入ってきて、少し暗めの部屋を明るくしてくれていた。
窓の外は緑がたくさん見え、涼しげ。
部屋の大きさは15平米くらいだろうか。
ベッドのほか、衣装だな、書き物机、椅子が用意されていて、
ホテルのようだった。
そういえば室内にトイレやバスは気づかなかったが、
全介護の場合はそれらなしの部屋もあるのだろうか。
ドイツで病院に入ったり介護施設に入ったりすること。
多分、ドイツに来ている人でそんなことを思い描く人はあまり居ないだろう。
だけど、ずっと暮らしていたら、それは決して関係のない世界ではない。
元気であっても女性は出産のときに入院する人がほとんどで
怪我や緊急の病気でなくとも、検査で入院ということもある。
私は数年前まで入院したことがなかった。
特に入院することもないと思っていた。
眼科で検査入院してみて、初めてなるほどねと思うこともいくつかあった。
病院や病棟によってもかなり違い、
友人の入院暦やお見舞いなどの話から
聞いていたことと違うこともいくつもあることも知った。
病院から一歩進んで、介護施設。
ありがたいことに、私自身はまだその領域にお世話になることはない。
その予定もない。
しかし、ずっと住み続けて何かがあったら、私はどこに行くことになるのだろう。
滞在許可が無期限、つまりドイツ国民と変わらない条件で住めることになるまでは
自治体の世話にならなければ生きられない事態になったら、
強制的に日本へ戻ることになる。
よしんば無期限の許可が出て、一人のとき。
さて、どうするか。