schatzky☆ドイツ忘我と結実の境。

2014/03/15(土)20:15

ドイツ 無期限の在留資格(永住ビザ)にむけて

ドイツで暮らすには(16)

2012年8月28日、役所へ行ったら、 無期限の滞在許可申請手続き続行と、 さかさか事が運んだ、びっくりな日だった。 いろいろな事が重なって、 この日に手続きをした方がいろいろと面倒でないという 手続き規定をさっぱりすっぱり無視した判断をしてくれたのは、 休暇から帰ってきた、いつものおにーちゃんだった。 足りないっていわれた書類を持っていったんだよね。 「書類は揃ってるね」 「あと、指紋を押したりする手続きの予約を取って、1週間くらい先になるんだけど」 まあ、それはいいんだけど、 急に働くことになったところは常勤なので フリーランスのビザだとどうなるの?っていうのがあって。 正規雇用の一種なので、労働許可、違うのがいりますかね?と話しかけてみた。 「うーん、そうかぁ…じゃあ、今日手続きしちゃうかぁ」 え?なんですと? 「写真持ってる?」 「登録料135ユーロなんだけど、持ってる?」 え、えっと、写真はいつも用意してある。 お金、ないよ。けど、銀行行ってきてもよければおろしてくるよ! というわけで、なにやら手続きが進んだ!! なんと!! おにーちゃん、事務手続きの内規、思いっきり無視(笑) ありがとうだなぁ…。 滞在許可のことで、言ってみれば戦いだしたのは、多分2008年だった。 博士論文を提出し、口頭試問を受け、そこでドイツでの勉学は一区切り(合格すればね)。 しかし、それは、終わりではない。 ドイツの博士号取得条件は、博士論文を「出版」すること。 正確には、出版しない限り博士号は取得できないし、 一定期間中に出版できなければ、博士号取得資格は剥奪されうる。 日本は違う。博論を出して、OKをもらって修了証が出れば、ドクター。 出版は不要。 さて、口頭試問を受ければあとは単なる出版だけだから~と 早々に博士を名乗りはじめる人もいるが 厳密に言うとそれは詐称にあたる。出版に検閲はないとはいえ、 出していないものは出していないのであり、大学からも博士号授与証書はもらえない。 その為、そういう「これから明らかに博士になります」という人たちには Dr.des.という称号が用意されている(にもかかわらず、大学でいいといわれたという事を理由に早々とDr.と名乗る人もいる。いいか悪いかを判断するのは大学じゃなくて司法なのだが)。 話がずれた。滞在許可の話だ。 学生としての滞在資格、いわゆる「学生ビザ」なのだが ドイツは入学式や卒業式というものがない。 マギスター、マスターといった「修士」や、 昨今流行の(企業受けはよろしくない)バチェラー、日本でいう「学士」は、 大抵、最終口頭試験修了=学業修了になる。 学生の在留資格は、学生でいる間だけ、発行される滞在許可。 つまり、試験が修了し、学業が修了となればその滞在許可は早晩無効になる (知人のなかに試験終了後10日間で荷物をまとめて帰れといわれたイスラエル人がいる)。 次に、首尾良く修了した場合、ドイツでは、*1年間の「就職先探しのための滞在許可」が出る。 これは2005年からの措置。 *2013年に確認したら、この期間はいつからか、18ヶ月に延長されていた。めでたいことではある。 そこで、である。 博士号の場合、いったい「首尾良く修了」というのはいつになるのか。 これはまだ解釈が定まっておらず、自治体によってまちまち。 私が住んでいた街は、厳しく厳しく、最初は「論文提出で」といってきた。 アホちゃう? 論文提出したって、口頭試験はまだ残ってるんですけど。 抗議したら、「じゃあ、口頭試験日で」 私は学校に聞いてみた。 「そりゃあ、正確には出版しないと修了とは言えないね。」 というお答えだった。 しかしながら。この部分については、未だ解釈が分かれている。 自治体は、金ばかりかかる学生は追い出したいので、さっさと期限を切ろうとする。 しかし、誰がなんといおうと、 学問についての専門的な判断を下せる機関は、 役所ではなく、大学。 そうなんだけど、何か勘違いしている自治体は 「いや、そんなことはない」と言い張るんだな。 そんなわけで、うやむやむにゃむにゃと、 私の場合は不思議なことに、口頭試験から更に半年が過ぎた次の年の春、 2009年にいったん修了と見なされた。 理由は、2009年春にうちの教授が「博論が認められ、あと出版が残っています」 と一筆書いたからと。 まったく、アホですな…。 そんなアホな某大学街の自治体外人局とは異なり 後光が差して見えたのが、 今、住所をおいている隣町の自治体のおにーちゃんだった。 たぶん、あのおにーちゃんは、 よいように、よいようにと持っていってくれる なんといったらいいんか、ポジティブな決定の仕方を模索していてくれたように思う。 ほんとに、最初におにーちゃんのところに書類持っていって良かった。 彼は、私のアルファベット頭文字では、本来全然関係ない掛なのであった。 その続きはまた今度って事で。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る