2011年3月11日から1年 ドイツから。
もう一年、まだ一年。三つのことを考えると、何とも言えない気持ちとしかいいようがありません。ドイツの人が、「もうすぐ3月11日だね」と気にしてくれる度、答えようのない気持ちが沸いてくる。地震と、津波と、原発事故。一つ一つのことを考えるのですら、何とも言えず…。そうだね、といったきり、黙っていると、察してくれたのか、話は違う方へ流れていく。うん。気にかけてくれる、それだけでもありがたいなぁと思います。心ある人は、ドイツにも沢山います。私は、自分が何かできるような人間ではなくて、なかなか難しいなぁと思うのだけど今もいろんなことにめげずに頑張っている人や、これからの道のりのあまりの険しさにくじけそうになっている人が、少しでも希望を持って、ほんのちょっとでもほっと息のつけるときがあったらいいなぁと心から願っています。私ごとで恐縮ですがいつも、泣きそうになっても、もう動けないなぁと思っても、優しい友達や知人はあきらめずに「パンドラの箱の最後に残っていたものは」といってくれます。そういう人は、一人じゃないのです。ドイツの人は、そうやって頑張るのかなぁ。と思ったりします。希望でしょ、知ってるよ。でも、希望もないモン。と思っている自分もいました。ほんとにどん底にいたら、そんなこといわれたって、どうしようもないのです。だから、安易な慰めは口に出せないと、私は心の中で思います。頑張って、とも言えない。頑張って頑張って、これ以上どうしようもない、これ以上どう頑張れっていうの?そんな気持ちにも、身に覚えがあります。うん。そうだよね。だから、私は人に「頑張って」と素直に言えない。でも、この頃は、頑張っては「応援してるから」という気持ちだと、そういう気持ちを受け取るようにしています。それで。こんなことを言うのはおこがましい気もするのです。だけど。誰かに勇気が出たらいいなぁ、力がわいたらいいなぁと思って書きます。今日で一年経った。まだ、でも、もう、でも。とにかく、一年は過ぎました。なんにも変わっていないようでも、365日、何かをしてきたあなたがいます。とにかく、今日を迎えられたあなたがいます。偉そうに聞こえたらごめんなさい。でも。一年前、11ヶ月前、10ヶ月前のことを思ったら、それを乗り越えて今まで頑張ってきた自分がいる。どうぞ、偉かった、頑張ったとほめてあげてください。よく、ここまでこられたと、胸を張ってください。そして少しでも、ちょっとでも、ほほえむことができるようになっていることを心の底から祈ります。そして、自分も、もう少し頑張ろうと思います。いっぱいいっぱい、頑張ってきた人たちのこと、もっと頑張って生きたかった人たちのことを思って。勇気を出して、またちょっと、前に進もうと思うのです。みんなが、それぞれ、幸せになれるといいなぁ。