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みなとのおはなし

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2006.03.04
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カテゴリ:カテゴリ未分類
昼下がり・・・一人ボンヤリと店番をしてた。
そこへ、みかけない男の人が一人入って来た。
観光客のようで、買い物をして、この辺りの史跡の話しをしていた。
しばらくすると、「このあたりに、○○っていうお店、ありますか?」
「う~~ん、ちょっと聞いた事ないかな・・・わからないなぁ。」
「そうですか、ありがとうございました。」
そう言って、店から出て行こうとした時、その人は一言残して行った。
「30年前の彼女なんです。」
「ん?????」
立ち去ったその人の後姿をボンヤリ見てたら、一瞬、頭に浮かんだ!!
あ・・・・あのお店・・・。
不思議な感覚に襲われた。
たまに見掛ける、あるお店の女の人の姿が頭をよぎった。
そのお店の名前なんて、今まで聞いた事もないんだけど、何故かその人の姿が思い浮かんだ。
とっさに電話帳を開いて、男の人の言った名前を探す。
あった・・・住所は・・・え・・・・まさか・・・あのお店の辺り。
あわてて外に飛び出して、さっきの男の人の姿を探すが、もう見えない。
車で追い掛けたけど、結局、見つけられなかった。
どこへ行ったんだろう。
あのまま船に乗って、何処かへ帰って行ったのだろうか。
それとも、どこかでまた、その人を尋ねているのだろうか。
そんな事考えながら、家に帰って来た。

しかし・・・私は何してるんだろう。
「30年前の彼女」という言葉で、なんとか会わせてあげたい!なんて馬鹿なこと考えてしまった。
ホント、余計なおせっかいだよ。

そんなこと考えてたら、配達の電話。
え・・・・・うそ・・・・信じられない・・・・・マジ・・・・・??
慌てて品物を持って配達に。
その配達先の家の向いに、まぎれもない、さっきの男の人が探していた○○というお店が・・・・。
夕暮れ時、その女の人は、忙しく立ち働いていた。
私は、道を挟んでこちらがわから、その人をしばらく見ていた。
そのうち、夕飯の仕度でもあるのか、女の人は店の奥に引っ込んで、かわりにおばあさんが店番を始めた。

ハハハ・・・私、何してるんだろう・・・。
あの男の人のノスタルジックな雰囲気に、すっかり呑まれてしまっていた。
30年も昔の話。
30年も前に分かれたオトコ。
相手にも、多分、自分にも、今の生活がある。
家族がいて、生活の為に働いて、ご飯食べて・・・。

いまさら昔のオトコの出る幕じゃないよ!!
それなのに、真剣に探そうとした私・・・ホント、おせっかい。

見ず知らずのオトコの人の、たった一言に振り回されて、余計なおせっかい。
二人とも会わなくて良かったよ、きっと。
きっと、今は二人ともシアワセなんだから。





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最終更新日  2006.03.05 00:15:50
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