2021/03/05(金)22:36
新聞連載記事に娘の事故が掲載!『罪人の肖像』
昨日、中日新聞朝刊の連載記事『罪人の肖像』「第2部交通事故」④二つの花
にさえりんの交通事故の記事が掲載されました!!さえりんの月命日でした。
タイトルは「償いとは 遺族の苦悩」です。写真はさえりんの事故現場、知立市
上重原交差点で写されたもの。そして花を供えた電柱の背後にはさえりんを轢いた
加害者のとよく似た青いトラックが疾走してくる絵がとてもリアルに感じました。
この連載記事の担当記者のAさんから最初に連絡を頂いたのは、今年の1月8日。
私のこのブログのメールフォームに「ブログを読みました。できれば取材をさせて
いただきたいのですが一度話を聞いて頂けないでしょうか」とメールが来ました。
私はとても悩みました。昨年大晦日の毎日新聞の野村さんの記事を読んだから、
私のブログを見つけたのだとすぐわかりました。私が悩んだ理由は、中日新聞を
あまり信用していなかったからです。昨年7月の嫌な思い出が蘇りました。
「結局、中日新聞は地元で一番シェアがあるから横柄な態度をとるんだよ!!」と
遺族の方からもよく聞いていたのも理由の一つです。私たちが書いてほしいと頼ん
だ時には散々取材しても結局記事にはならず、はっきり言って当てにならないとい
う思い出しかありません!!しかも、連載記事のタイトルが「罪人(つみびと)の
肖像」明らかに加害者目線です。私たち被害者の想いを正しく書いていただけるか
どうかも大きな不安の材料でした!!
私はこの中日新聞のAさんにお返事をする前に、毎日新聞の野村さんの後輩の高井
さんにお電話して相談しました。すると高井さんは「どのように書いてくれるかは
記者によく相談すれば大丈夫ですよ。私たちに遠慮せずにせっかくの機会ですので
話だけでも聞いて、信用できる人かどうか直に見て判断されたらどうでしょうか」
とお優しい言葉をかけてくださいました。
それで一度会ってお話を聞いてから取材に応じるか決めようと思い、Aさんと
会う約束をしたのです。もちろん私一人ではとっても不安なので主人も一緒です。
1月13日、知立市内のファミレスで初めて中日新聞記者Aさんとお会いしました。
そこにはもう一人同じく連載記事の担当記者のSさんもみえました。
まずは連載記事の趣旨から伺いました。『罪人の肖像』の第1部は「使い捨て」
というタイトルで振り込め詐欺下っ端の犯罪者の全6回の連載記事でした。頂いた
資料には犯罪は『社会を映す鏡』他人事とせず向き合う「人生を真面目に歩んで
きた人間ですら、ふとしたことで加害者になり得る現実を突きつけられる。犯罪は『社会を映す鏡』とも呼ばれるが、私たちは、そんな「鏡」とどう向き合ってきた
のだろうか。」「身近で日々起きている事件や事故を独自取材でたどる。加害者だ
けでなく、被害者や加害者家族など、当事者たちの群像を通し、罪を犯すという
ことの意味、その罪を生む温床となった社会のゆがみを考えたい。」と書いてあり
少し興味が湧きました。
というのも、私もずっと疑問だったからです。こんなに多く毎日のように起こって
いる事件事故の裏側や、その後の加害者側や、被害者、遺族はその後どんなふうに
生きているのだろうか??罪はどのように償われ、苦痛や苦悩を抱えた当事者の
その後の人生を知りたいと。私も自分が被害者遺族になって初めて味わったどん
底の人生を今はブログだけですが、地元の新聞ならもっともっと多くの方に知って
もらえるのではないか。同じく家族を殺されて苦しんでみえる方の為にも。
私はAさんとSさんの話をよく聞いてそんな風に思えたのです!!
それで『罪人の肖像』「第2部交通事故」での掲載を了承し取材を受けたのです。
それからAさんとSさんは何度か我が家にも裁判所にも足を運んでくださいました。
取材は入念に行われ、この方々は私の担当のN弁護士に話を聞きに大阪まで行かれ
佐々木さんに事故の詳しい調査内容を聞くため仙台まで足を運ばれました。
私は驚きましたΣ(゚Д゚)たった1回の記事を書くためにここまで入念な取材をされて
いる現実を知ったからです。読んでしまえば数分で終わってしまう記事も、こんな
に大変な思いをして記者の方々は正確に詳しく調べて下さっているとわかり、少し
見方が変わっていったのです。大っ嫌いになっていた中日新聞も捨てたものでは
ないんだと、信用できるか否かは新聞社ではなく、人だったのだと思えたのです。
そして、昨日さえりんの交通事故の記事が掲載されたのです!!
昨日朝起きたらすぐに車庫の新聞受けに中日新聞を取りに行き、早速読みました。
すると概ね私たちの想いは書いてくださっていてホッとしました。
ただ一つ良く思えなかったことは、加害者の仮名です。前から「加害者は仮名に
します」とは言われていたのですが、読んでみたら全く実名とはかけ離れた仮名
で、一文字もかすっていませんでした。こういうものなのかと知りました。
こんなことなら加害者Aの方がまだましだったのにと思いました。でも仕方ありま
せん。「私たち夫婦と紗愛理は当然実名でお願いします!!」と頼んだ通り実名に
なっていました。私たちまで仮名にしたらそれはもう別の事故になってしまうから
です!!私たちの意向を汲んだ内容で書いていただいたことに感謝しました!!
この連載記事全6回が終わった後には交通事故の注意を促すような記事を書いて
くださるということもお聞きし、少し安心しました(´▽`) ホッ
当然ですがタイトルにも「罪人」と書いてあるように加害者の想いが多く書かれて
いてモヤモヤする気持ちも正直あります。実際に新聞社にも「もっと被害者の気持
ちを書け!!」という問い合わせもあったそうです。それでも何より多くの方々が
こうして中日新聞という地元一番シェアの新聞を読んで、交通事故の現実に関心を
示して下さることが何より有難いと思ったのです!!
AさんSさん、私のブログを見つけて記事にして下さりありがとうございました!!
そして、私たちはもう更なる一歩へと進み始めました!!
・さえりんの想いが詰まったストラップを5カ所に置いてもらえた。
・市役所にお願いして、現場に大きな立看板を立ててもらえた。
・毎日新聞、中日新聞に掲載されて、市の情報新聞の取材も受けた。
しかし、これだけで満足するわけにはいかないのです!!
更なる目標は、あの現場の交差点の歩車分離信号機へ変えることです!!
そして、さえりんのような悲しい犠牲者を二度と出さないことです!!
愛知県の全国の横断歩道での理不尽な被害者を出さない社会にすることです!!
そのためにこれからも一歩また一歩前に進んでいかなければならないのです!!
さえりんとお空のみんなにお願いします!!
パパとママのこれからの奮闘ぶりをしっかり見守っていてね
(昨日、月命日に事故現場の立看板の前で!!主人と私と遺影の紗愛理)
(中日新聞朝刊 3月4日(木)連載記事 罪人の肖像 4⃣二つの花)
(さえりん9歳の時 茨城県鉾田市の親戚の海の家part5)
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