慶文堂　ひま人日記

タミフル服用による異常行動が問題になっていますが、今朝の新聞にこのような記事がありました。



《引用開始》・・・YOMIURI　ONLINEより（2007年3月23日3時1分 読売新聞）

インフルエンザ１４歳男子、タミフル服用せず飛び降り

　西日本で先週末、インフルエンザにかかった男子（１４）が、自宅２階から飛び降り、足を骨折していたことがわかった。タミフルは服用していなかった。


　主治医によると、この男子は１５日、３８度の熱があり、翌日いったん熱が下がったものの、１７日未明に自宅２階から飛び降りたとみられ、玄関先で倒れているところを発見された。

　病院搬送時に熱があり、検査でＢ型インフルエンザに感染していたことがわかった。男子は「夢の中で何かに追われ、飛び降りた」と話しているという。

　タミフル服用後の「飛び降り」事例が相次ぎ、薬との因果関係が疑われているが、服用していない患者の飛び降り例はこれまであまり報告がないという。このケースは来月、厚労省研究班会議で報告される予定。

　インフルエンザの高熱によって幻覚や異常行動が起きることは知られている。薗部友良・日本赤十字社医療センター小児科部長は「全国の医療機関に報告を求め、薬の影響の有無を解明するべきではないか」と話す。

《引用終わり》



せっかくここまで育てた我が子がインフルエンザに罹り、医者に処方された薬を飲んだ事によると思われる異常行動によって亡くなってしまう・・・親にとって、これほど無念な事はありません。
だからこそ大騒ぎしているのですが、さて、問題はどこにあるのでしょうか？


上に引用した記事によると、今回はタミフルを服用しなくても異常行動が起こったそうです。この男子の場合は幸いにも骨折で済みましたが、マンションなどの場合なら間違い無く即死だったでしょう。
では、この事例をもってタミフルと異常行動とは関係が無い、と言えるのでしょうか？


実際に、インフルエンザによる異常行動というのは見られるようです。
従って、タミフル服用＝異常行動、とは一概に言えない部分もあります。
が、ここ数週間の事例を見てみると、やはりタミフルと異常行動には何らかの因果関係があるのではないか？と思ってしまいます。



拙ブログでも書きましたが、ウチの小２の娘もインフルエンザに罹患した時に、タミフルを服用しました。服用後数時間は注意しいましたが、幸いにも異常行動は見られませんでした。

でも行き付けの医院で思った事です、インフルエンザ検査で陽性⇒タミフルを出しますね！という図式はすでに一般化しているようです。
だからこそ全世界の７５％のタミフルが日本で使われている、という現状になるのでしょう。

でも何故、他の国では使わないのでしょうか？

まず言えることは、他の国ではそもそも薬に対する認識が日本とは違うのかもしれません。


日本もだいぶ変わってきました。昔は風邪を引いて医者に行くと、

「ハイ、注射しましょう」

とか、

「先生、注射してくれ！」

などと、すぐに注射したものです。そして医者がなかなか注射してくれないと、

「あそこはダメだ。注射もしてくれない」

などと陰口を叩かれてしまったりして。

でも風邪の特効薬というのは、私は寡聞にして聞いたことがありません。やはり本人の体力というか自己回復力次第、という部分が大きいのです。
つまり、風邪を引いた時は無理しないでゆっくり身体を休める、というのが一番いいのです。
最近はそういう考えもだいぶ浸透してきたようで、むやみに注射しなくなりました。でも相変わらず薬は出しますねェ。
まァ、薬を処方しなかったら医者も儲かりませんから(笑)


ただ、日本のこの過剰なまでの『薬神話』とも呼ぶべき状況が、これまでも抗生物質に対する耐性菌を生み出し、また今回のインフルエンザ⇒タミフル処方という図式になり、その結果、インフルエンザの流行に伴う大量のタミフル使用、という結果になったように思われます。

薬の使用が多ければ多いほど、今度はその薬による副作用が起こる割合も大きくなる、というのは当たり前の事ですよね。
ましてやその使用量というのが、全世界のタミフル使用量の７５％という途方も無い数字になると、これはもう異常としか思えません。


日本が全世界の使用量の７５％ものタミフルを使用している・・・これを逆から見れば、日本だけが特にタミフルを使いたがり、諸外国ではあまり使いたがらない、ということにもなりますよねェ。何故、諸外国ではタミフルを使用しないのでしょうか？



私が考える理由は、日本の『薬神話』以外にも二つあります。


一つ目は、タミフルの安全性に問題のある可能性がある場合。

確かにタミフルはインフルエンザに対しては効果があるようです。ウチの娘も翌日には熱も下がり、ケロッとしていました。
が、２年ぐらい前からその副作用が（諸外国も含む）アチコチで問題視されていた事は確かなようです。そのために、日本以外では使用する医師が慎重になっている可能性がある、ということ。
そして、もしそうなら恐らく彼らは日本でのタミフル使用による影響を注目している事でしょう、非常な関心を持って。




そして二つ目。鳥インフルエンザの関連です。

数年前から問題になっている鳥インフルエンザ。これは、恐らくこれまでの人類が出遭った事がない新種のインフルエンザ・ウィルスでしょう。と言うことは、このウィルスに対して人類の免疫機能はほとんど役に立たない可能性が高い（というか、ほとんど役に立たないんでしょうね）ということです。
その一方で、鳥インフルエンザに対するタミフルの効果はすでに確認されています。
そのため、厚生労働省も躍起になってタミフルを備蓄してきたのでしょう。
ところがそんなタミフルも、使いすぎると抗生物質に対する耐性菌が生まれたようにタミフルに対する耐性を獲得したウィルスが出現する可能性もあります。
それを防ぐためにも、諸外国では今のうちはタミフルの使用をなるべく控え、来たるべき鳥インフルエンザの流行に備える、と。



果たして真実はどこにあるのか？と思ったら・・・タミフル耐性のインフルエンザ・ウィルスはすでに出現しているんですね。

以下は、読売新聞の２００５年の記事です。

『タミフルに耐性ウイルス、鳥インフルエンザ患者から』
YOMUIRI　ONLINEより（2005年10月24日 読売新聞）


頼みの綱だったタミフルがもし効かなかったとしたら、いったいどうなるのか？


こうなってくると、体力をつけて免疫力を衰えさせない、否、もっと積極的に免疫力を強化するような生活をする必要があります。そしてインフルエンザに罹らない身体と、もし罹ってもそれに負けないだけの体力をつけておく必要があるでしょう。


ということは、古来から日本でも行われてきた養生法が見なおされてもおかしくはありませんねェ。
さて、こりゃいよいよ我々鍼灸マッサージ師の出番ですかァ(o⌒ｰ^)y