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カテゴリ:日記
朝の9時過ぎ。マッサージしながらお客さんと話をしていると、けたたましい携帯の呼び出し音が響きました。
“プップップップ!電話!!プップップップ!電話!!” (註:ラジオ番組・サタオンのMC、伊津野亮さんのお声です) んん?消防団員からの電話だなァ・・・。見ると市役所勤務のY君からでした。嫌な予感が・・・。 「菅さん、火事です!場所は宮○地内!!」 「えっ!今仕事の真っ最中なんだけど・・・(さて、どうしよう??)」 と、電話のやり取りを聞いてたお客さんが、 「大変!それじゃ行かなくちゃねェ。いいですよ、私は。今日の夕方でも」 と言ってくれたので、後からまた電話してもらう事にして、準備して出動しました。 ポンプ庫へ行ったら積載車は無し。すでに出動したようです。そこで自分の車で現場に向かいました。でも肝腎の現場が分からない。知人が外にいたので聞いたら「山の方らしい」、ということでそちらに向かいました。 手前で駐車して現場に向かうと、ウチの部の代理とS君が非常線(通行止めの赤いロープ)を張ろうとしている所でした。 「ここはいいから、現場に行ってくれ!」 と代理と交代。部長や代理といった役職の人間は現場に近い所に居なくちゃダメですから。 さて・・・非常線。 実はこれまで何度も火災現場には出動しているものの、非常線は初めてです。 まァ、状況が状況ですから、皆さんちゃんと言う事を聞いて停まってくれます、ほとんどの人は(苦笑) しばらくすると、後方から“ツカツカ・・・”と初老の男性が歩いてきました。そして向こうのロープを持っているS君に向かって、 「なんで進入禁止にしてるんだ!もう通れるんじゃないのか!」 なんだ、このオヤジ?と思いましたが、優しく、 「すみませ~ん、私たちも現場の状況が良く掴めないんですけど、でもまだ非常線の解除命令が出ていないんです」 と返事すると、 「そんなもの、もっと臨機応変にしたらどうなんだ!!こっちは時間が無いんだ!!」 とかなんとか、かなり強い口調で言ってきました。さすがにカチン!と来たんで、 「私らが勝手に判断出来ません!上からの指令がない限り通せません!」 と返事をすると、 「フン!臨機応変にしたらいいんだ!!」 みたいな事を言って、そのまま現場の方へ歩いていきました。そしてしばらくして戻ってきたかと思うと、 「通ってもいい、みたいな事を言ってたぞ!通せ!!」 と言います。 「ダメです!あなたがどう聞いて来たかは関係ない!私たちは上からの指令が無いと動けませんから!!」 すると(何を!!)みたいな感じで車に戻って行ったかと思うと、その車が動いて私たちの方へ来ました。強行突破するつもりか??と思いましたが、ロープの手前で停まりました。 見るとオバちゃんが運転する軽自動車に運転手も含めてオバちゃんが3人、助手席の後ろに件のジイさんが座っていました。オバちゃん3人の格好は、どう見ても『山菜取り』の格好でした。オイオイ、時間が無い、ってそれかい!! 腹が立ったので、後は無視してました。さすがに運転しているオバちゃんも、強硬突破はするつもりはなさそうだったし。 その間、何台かの積載車やポンプ車を通しましたが、そのうちの一台のドライバー(消防団員)に、 「あ!5分団(ウチは6分団)さんか・・・申し訳ないっすけど、現場の状況が掴めなくて・・・非常線を解除してもいいか、現場の上の方から指示を仰いでもらえますか??」 とお願いしたところ、しばらく経って彼が戻ってきました。 「3分団の分団長から聞いてきたところ『そろそろ解除してもいいだろう』という事でした」 「スンマセン!ありがとうございます!∠( ̄∧ ̄) 」 という事で非常線を解除。私たちも現場に向かいました。 その後、足止めを食らっていた車が徐行しながら通ります。あのジイさん?知らないっす!!(-_-#) きっとねェ、周りの人にアレコレ言うんだろうなァ。 「煙も上がってないところを見ると、もう鎮火してたんだろう。だったらもっと臨機応変にやらなきゃイカン!」 とかなんとか。 でもね、煙が上がっていなくても消化活動は続いているんです。そこを平気で車が通ったら、消火活動に支障を来たす場合だってあるんですよ。 それどころか進入してきた車のせいで消火活動中の団員や署員が事故に遭う可能性だってあるし、現場によってはムリに通行した車両自体が火災および消火活動の巻き添えを食らう事だってあるわけです。 そういう事を防ぐために非常線を張って通行止めするわけですよ。 もしそうなったら誰が責任を取るんですか?こういう人に限って何か起きた場合に、 「もっとちゃんと非常線を張っていなかった、オマエラが悪い!」 とか何とか、責任転嫁するんでしょうねェ。 きっとあのジイさん、どっかの会社か公務員でしかるべき役職のあった『お偉いさん』だったんじゃないかな。 他人は自分の言う事を聞くもんだ!と勘違いしている、偉い人。自分の意のままにならないと面白くない人。 だから「臨機応変にやらなきゃならん!」とか何んとか言ってたんでしょうねェ。 臨機応変、けっこうですよォ、他の場合ならね。 でもこういう災害の現場の場合、各人が勝手に判断して銘々勝手な行動を起こしちゃったらどういう事態を引き起こすか分からない。だからこそ災害の現場における消防団は、上からの命令がない限り勝手な行動をしてはいけないんです。 もしその場に分団長・副分団長などの幹部が居なかったら部長の、部長が居なかったら代理の指示で動く事になります。さらに代理が居なかったら班長の、班長が居なかったら・・・団歴の古い方の指示、という事になるのかな?とにかくそうやって指令系統をハッキリさせておかないとそれこそバラバラになってしまい、どんな不測の事態が引き起こされるか分かりません。 だから、火災・災害の現場においては各人の勝手な判断というのは慎むべきなんです・・・というような事をあの場で根気良く、懇切丁寧に説明すべきだったのかな?でも私も手が離せなかった(ジイさん、道の向こうに居た)し、だいいちそんな事、言われなくても分かりそうなもんですけどねェ。 なお、通常の現場では迂回できるところを探してその前後に非常線を張り、迂回してもらうようにするものですが、今回はたまたま現場が奥の集落へ向かう一本道だったために完全にストップになっちゃいました。 たった一時間ちょいの出動でしたけど、なんだか余計に疲れちゃったなァ。 なお、あの時のお客さんは午後からちゃんと治療しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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山菜採りに行かなくても~
(2008年05月13日 14時44分15秒)
そんなことがあったなんて知りませんでしたよ~・・お疲れ様です。後で区長さんとも話したんですが、車通り多いんですよと、やはり止めておかないと大変なことになってたと思います。と言っても私が4部の積載車見つけて非常線張っててくれって頼んだ張本人なんですけど・・。でも真面目に団員は燃えてる方を見ながら作業をしてる訳で、車がビュンビュン行きかってたらマジで轢かれちゃいますからね。火災ってホント嫌なもんですね。予防消防で行きましょ!! 小隊訓練の件なんですけど????・・・。
(2008年05月13日 21時35分59秒)
月山六乃助さんへ
そうですか、ウチはほとんど最前線で筒先を持ってるんで(珍しいなァ)とは思っていたんですけど。 非常線を張る、というのは当然の事なんですよね。消火活動に支障が出ますから。当然のことなんですけど、このジイさんみたいに自分勝手な文句を言って来る人もいるし。それに、実は工事現場のダンプが一台とそれに続いて軽自動車が一台、スルスル・・・と何時の間にか通って行っちゃったんです。ダメだ!って言ったんですけどねェ。 非常線って初めてでしたけど、けっこう大変でした(笑) (2008年05月14日 09時05分25秒) |