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カテゴリ:時事問題
《引用開始》・・・読売新聞 2008年6月20日づけ
「中華」「蒋介石」・・・復権へ 【台北=石井利尚】 20日で発足1か月を迎える台湾の馬英久・国民党政権は、「中華」の呼称と、国民党を率いた蒋介石元総統の“復権”を急いでいる。 台北の観光地「台湾民主記念館(旧称・中正記念堂)」では、陳水扁・前民進党政権が始めた「国民党独裁を批判する展示」が中止となった。同記念館はもともと蒋介石の死を悼み、業績を顕彰する目的で建設されたもので、蒋氏の威厳を復活させた。また、陳政権時代に閉鎖された、蒋介石・蒋経国両元総統の遺体の仮安置先(桃園県)も再び一般公開された。 一方、陳政権が「中華民国」の呼称を「台湾」に買えた「正名政策」の見直しも進んでいる。「中華民国(台湾)」と表示されていた総統府ホームページがらは「台湾」が消され、公営企業「台湾郵政」は「中華郵政」の名称が復活する見通し。国防部発行の「台湾のために戦う」から、「中華のために」に変更された。 「中華」を重視し、「一つの中国」を主張した蒋介石を復権させるのは、対中配慮も関係ありそうだ。 《引用終わり》 6月17日付けの記事でも取り上げましたが、台湾の政策が急旋回しています。着々と台湾の『中国化』(中華人民共和国化)が進んでいるようです。 どういう事か分からない方もいらっしゃるかもしれないので、ここで簡単に中国と台湾の関係について書いてみたいと思います(ウィキペディア(Wikipedia)、『大地の咆哮』杉本信行著、を参考にしました) 中国大陸では、太平洋戦争(第二次世界大戦)における日本の敗北により、日本を相手に戦っていた中華民国が連合国(戦勝国)の一国として中国大陸を統治する体制が整いました。ところが対日戦争で疲弊し、さらにアメリカからの援助が減っていた中国国民党率いる中華民国国軍に対して、ソビエト連邦からの支援を受けていた中国共産党率いる中国人民解放軍が勝利を収めて中華民国政府を追い出し、1949年に共産主義政党による中華人民共和国が誕生しました。 この時に、中国大陸を追い出された蒋介石の中華民国政府が逃げこんだ先が台湾でした。 蒋介石は全島に戒厳令を布告し、さらに翌1950年には大陸反攻を目指し、国内の内乱状態を平定するとして『動員かん乱(反乱平定)時期臨時条款』で、憲法で保障されるすべての人権を国民から奪ったのです。つまり、台湾内は依然として戦争状態であるとして、戒厳令と臨時条款により台湾を支配しました(白色テロの時代)。それがその後30年以上、1987年7月に戒厳令が解除されるまで続いたのだそうです。 この時に、日本の植民地時代およびそれ以前から台湾に暮らしていた人たち=本省人(親日的)が、中国大陸から来た人たち=外省人=中華民国政府に弾圧され、その後、1988年に本省人である李登輝氏が中華民国総統、国民党主席に就任するまで支配されつづけたのです。 李登輝氏は国民党主席ではありますが本省人であり、中華人民共和国との関係を改善し、臨時条款を廃止させ、政治の「民主化」を推進させました。その後、2000年に民主進歩党の陳水扁氏(本省人)が当選し、第10期中華民国総統に就任しました。 その後、つい先ごろの2008年3月22日に実施された2008年の中華民国総統選挙において当選したのが、国民党主席であり外省人である馬英九総統です。 引用した記事でも分かるように、この方は完全に親中および反日のようです。 《引用開始》・・・(2008年6月18日00時04分 読売新聞) 「尖閣は台湾の領土」馬総統が日本との協議要求 【台北=石井利尚】沖縄県石垣市の尖閣諸島(台湾名・釣魚台列島)の領海に台湾当局の巡視船9隻が民間抗議船と侵入した事件について、台湾の馬英九総統は17日の記者会見で、尖閣諸島の領有権を主張した上、巡視船と抗議船の行動を支持、称賛した。 馬総統は一方で、平和的な話し合いによる解決を日本に呼びかけた。台湾当局が検討していた尖閣付近への軍艦の派遣は中止が決まった。 台湾の遊漁船が10日に、尖閣の領海で日本の巡視船と衝突して沈没した事故以降、馬総統が見解を表明するのは初めて。馬総統は「釣魚台は中華民国の領土で、台湾に属する」と表明、「遊漁船が領海に入るのは自然なことで、他国の干渉には当然抗議する」と述べ、日本の巡視船の「侵入」を批判した。 馬総統は、台湾巡視船が尖閣の領海内で「ここは中華民国の主権範囲」とスピーカーで主張したことを紹介し、「正しく、正確なやり方だ」と述べた。そして、馬総統は「日本は主権問題を話し合おうとせず、漁業問題でも結論が出ていないが、これを変える必要がある」と語り、日台協議を開催するよう求めた。 《引用終わり》 さてさて、どうあっても日本に対する強硬な態度は止めないようですね。 それに対して中国とは仲良くやっているみたいだし。徐々に台湾の中国化が進んでいるように感じるのは私だけでしょうか。 中国は台湾を相手にするのに、何も武力を使ってする必要はないんです。このように、『総統』の地位を利用して極めて合法的に中国に近づいて来させ、ゆくゆくは併合・・・などと考えているのかもしれません。 考えすぎですね、きっと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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