一年間のみかん作業のまとめにかかります
平成30年の確定申告の準備今年も確定申告の用紙が届きました。私などにとって確定申告は、一年間のみかん作業のまとめです。収入-支出、これが、当然ながら骨格になります。これから少しずつ項目ごとに記帳してあった数値を整理していきます。当方の場合は、年金みかん農夫です。東京・八王子から神奈川県西部の真鶴・小田原まで、みかん作業で通っています。2000年に父が死去しましたが、残されたみかん畑を放置するわけにもいかなくて、以来、休日ともなると80キロ離れた畑(125坪)まで、草取りに通うようになりました。この相模路を車で通う作業ですが、18年間が経過したことになります。みかん園を維持する上で、経費支出として、この交通費が馬鹿にならないわけです。昨年・2018年には、1年間で120往復をしました。週に2回ペースでした。この往復で、ガソリン代がどれだけかかったか。285,105円でした。小田原厚木道路を使ってますが、高速料はどうかというと、159,860円かかってました。要するに、交通費だけで、44万5千円がかかったわけです。今の時勢で、みかんの収入(もうけ)で、44万円も収益を得るなんてことは大変ですね。売上金を全部合わせても、とてもそんな金額はでない、逆立ちしても出てきません。しかし、そこが年金農夫が務めるところのみかん作業です。要するに年金収入のほとんどは、これで消えていっているわけです。もう一つ、さいわいがあります。真鶴へ通う途中の小田原ですが、豊臣秀吉が小田原攻めで築いた一夜城があります。その史跡のある石垣山ですが、乱開発が抑えられて、自然豊かなみかん山として守られています。『真鶴のみかんだけでは、量は少ないから、ここのみかんも持って行ったらよい』学生時代の友人がいて、その彼が市民園として自らの畑の一角を貸してくれたんですね。加えて、昨年の11月からですが、彼の実家ですが、泊って作業も出来るようにと、そこを貸してくれたんですね。それは願ったりかなったりでした。こうした援助が無ければ、物理的にも、体力的にも成り立たなくなっていたんですが。こうした条件がひらけてきたというのは、まったくの偶然であり、不思議な縁なんですね。これによって、東京・多摩の団地の住人は、近郊のみかん農家とつながることが出来ました。みかん園の四季折々を、その気になりさえすけば、じかに体感できることになりました。もちろんみかんは当然ですが、それに加えて小田原の歴史にも親しめます。それだけじゃなく、相模湾の自然の景色も素晴らしいし、箱根や湯河原の温泉も楽しめます。やすくて、飛び切り新鮮な地魚も楽しめるわけです。そうした、みかん園の魅力、可能性からしたら、採算上で、もうかるかと言えば、それはありえないことですが、大赤字をきたさない程度なら、その支出を埋めてくれるものがあるんじゃないですか。都会の団地のつつましく生活する人たちにとって、みかん園が近づきになります。ということで、収支は赤字ですが。それを出来るだけ抑えるようにしたなら、そのかわりに、都会団地の高齢者にとって、リゾートというか、オアシスが提供されるわけです。そうした可能性が、本当に現実性として開けるかどうかは、ここしばらくの間の、それぞれの努力とその理解にかかっているわけです。ここが、みかん園を維持していく上での中心問題なんですね。