甘夏の最終段階
小田原のみかん園ですが、今甘夏の収穫の最終段階です。
5月10日(日)も、出来れば収穫したいと思っていたんですが、
天気予報通りでしたが、雨が降り出してしまいました。
雨が降っては、甘夏の収穫も出来ませんから、
野焼き作業に切り替えました。
中央のみかん小屋の後ろの方に煙が見えますが、野焼きした後です。
小屋の前の方には、黄色の実をつけた甘夏の木があります。
この間に、何回か収穫してきたんですが、
まだ木には、あと三分の一くらいが残っています。
5月の甘夏は美味しいんですよ。
とくに、今はコロナウィルスの関係で、流通事情が不安定な事態にありますから、
当方は、園主さんたちの甘夏もあずかって、都会の団地に住む人たちに提供しています。
一方では、立派でフレッシュ・ジューシーな美味しい甘夏が、安い値段で手に入るんですから、消費者に歓迎されるのは、当然と言えば当然です。ビタミンCも豊富で、体にも良いはずですから。
他方では、従来の流通がうまく機能していない中、生産者の人たちにとっても、旬の時に販売できることは、安さの問題はあっても、さいわいな事でもあります。
寿限無寿限無じゃないですが、11月からの温州みかんに始まって、2月のネーブル、3月の湘南ゴールド、4月の清見と続いてきましたから、
今回の甘夏は、何人かの知人にとっては、
『また、みかんの押し付けかよ』と、閉口している人もいなくはないのですが。
まぁ、1年のみかんサイクルにとって、甘夏が最後の締め括りですから、
今が、最後のひと踏ん張りの時になってます。
収穫や枝切りで、腕の方は、すでにパンパンに痛くなってるんですが。
しかし、泣き言を言っている時ではありません。
『もうこれ以上の、押し売りはありませんから』ということで、
あちこちの友人知人に、ひたすらに頼みこんで、
このおいしさを体感していただくべく、甘夏の販売活動を展開中です。
みかん園で作業をしていると、
このところ、キジが近くにやってきます。
農家の人たちが大事にしているからでしょう、10メートルくらい先まで来ています。
オスのキジが、雌のキジにその存在をアピールしてるんでしょうか、
ときどき、羽を震わせて、独特の大きな声で鳴いています。
小田原・石垣山のみかん園は、キジにとっては、ガラパゴス状況なんですね。
こうした事態を見るにつけて考えさせられます。
医療や業者の資金繰りや防御服の切迫に、遅々としたポーズしかとらない政治。
ウィルスの検査体制の強化の必要性は認めても、それを進めるための予算はつけてないとか。
これまでのベットの削減計画は、この機に臨んでも、撤回せず、すすめていくとか。
人間の政治社会は、その本質が見せつけられるようになってきています。
建前論と本音の遅々とした軌道修正とを使い分けて、切迫感も緊急性も希薄な対応を見ていると、
ストレスも感じさせられますが。
他方、自然の営みというのは、ガラス張りの要素があります。
ここでは手抜きは出来ないんです、努力にはそれに対する確かな結果が返ってきます。
政治社会も、しっかりした、確かな手当が、スピードをもってすすめられること。
そこで、真偽が分かるようになるけれど、手遅れになっては努力の意味がありません。
やはり、しっかりした手当の中身と、実行の速度が必要ですね。