みかんの木を育てる-四季の変化

2021/04/04(日)15:11

小田原・石垣山のみかん園で、草取りと元肥の施肥をしてきました

みかん栽培(1352)

​草取りと元肥の施肥​桜の花も満開となり、春雨爛漫の時です。 みかん園は動き出して、ひと雨ごとに雑草が繁茂してきています。 みかん園の手入れは、この3月から4月は元肥の施肥です。 左側は草取りして施肥を完了した木で、 右側はこれから取り掛かろうとしている木です。 葉の色も、全体として黄緑色で、肥料が不足していることを意思表示しています。 これまでは「自然栽培」として、あまり肥料などは撒いてこなかったんですが、 まわりのみかん畑の木に比べると、その違いは明白です。 本来なら濃緑色のはずのみかんの木が、黄色っぽくなっているのが目立っています。 それは、みかんの木が肥料が不足していると、悲鳴をあげているんですね。 ものごと、人間の勝手な都合ばかりでは、つづきません。 美味しいみかんを沢山得たいという都合だけでは、毎年の円滑な回転はできないんですね。 そんな中、ベテランの園主の方から施肥を厚くするようにとのアドバイスがありました。 そこで今回は、配合肥料をいつも以上に取り寄せて、 長年不足していた元肥ですが、今回はしっかりと施肥するようにしました。 その施肥する時期は、春雨の季節の、3月下旬から4月上旬の間です。 何ごとも時が勝負で、元肥はこの時なんですね。 だけど、せっかくの肥料ですが、 ただ、そのまま肥料を撒いたんでは、ダメなんです。 たくましい雑草の方に肥料がとられてしまい、雑草のために肥料を撒くようなことになりますから、 その前に、雑草の草取りをしなければなりません。樹冠の下の草取りです。これまでも、なんとか草刈りだけは、してきていたんですが、 草刈りは地面の表面を刈っているだけですから、効果は薄いんです。 その地表の下には、雑草の根が厚いカーペット状になって覆っていますから。 いくら肥料を撒いたとしても、その下の肝心なみかんの木の根まではとどかないんです。 施肥をする前には、少なくとも樹冠の下の草取りをしなければならないわけです。 草刈りならば、草刈り機で比較的簡単に済むんですが、 草刈り機では、大事なみかんの木の根を傷めてしまいます。従って、ねじりガマをつかって地面をはいつくばって、草取りをすることになります。 草刈りと違って、この草取りは大変なんです。 成木のみかんの木ともなると、半径2メートル以上になりますから、簡単ではないんです。 それをみかん園全体では、100本近くおこなうということですから、大変です。 1日に8本を施肥したとしても、ゆうに10数日はかかることになる大仕事です。 こんな裏方仕事など、都会の消費者には分かりっこないじゃないですか。「安く、美味しいみかんが欲しい」、この一点だけですから。 お金を出しさえすれば、みかんは八百屋さんでいつでも手に入ることなんですから。 しかし、そのために生産者がどの様な苦労をしているかとなると、疎いんです。 ものごとの一面しか見れていないんですね。 しかし、それはだれに責任を求めるわけにもいかず、今の「自由」社会では致し方ないんですね。 だけど、そういう関係になっているわけです。 みかん生産者としては、美味しいみかんを提供するには、なんとしてもこの3-4月に、草取りと施肥をしなければならないわけです。それは、1,2年は手抜きをして何とかごまかしたとしても、つづきません。 毎年毎年美味しいみかんを提供していくには、元肥の施肥はかかせないわけです。ということで、これから、まだ数回は、元肥の施肥をつづけていきます。

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