国連・人権委員会の日本への勧告
5年前に国連・人権委員会が、日本の「表現の自由」について調査し、勧告していました。
当方は、その時の特別報告者のあいさつをフェイスブックで紹介させてもらったんです。
当時は、2015年の「戦争法」問題が焦点になってましたから、私などは日本国憲法の自由はどの様に状態にあるか、憲法学者等の意見を見ていたんです。
今回、あらためて、デビッド・ケイ氏の報告書を読んでみました。

報告書は22ページですが、
ジャーナリストの方に問い合わせしたところ、それを送ってきてくれました。
これを読んでいると、一番の問題は、「表現の自由」は近代民主主義の基本ですが、
その自由を危険にさらすのは、政府・権力機関であり、その規制なんですね。
それは、ロシアや中国、戦前の日本を見れば明らかですが。
その点で、今の日本の現状というのは、どの様な状態にあるのか。
その社会の中に暮らしていると、空気のようなものですから、なかなかわからないじゃないですか。
幕末・明治維新の頃、アーネスト・サトウ、ハリスなどの人たちが、当時の日本社会の様子を、客観的な視点からの記録として残してくれたじゃないですか。
それと同じように、今回、国連・人権委員会の調査官は、日本の現在の様子を調査してくれてます。
人権を前にすすめるうえで、今の日本がどの様な客観的な状況にあるのか。調査して、描き出して切れてます。
基本的な問題として、メディアの規制機関が敗戦後に独立機関としてつくられていたのが、日本の主権回復とともに総務省のもとかえられたこと。そして記者クラブの問題。それらにより政府のメディアに対する統制を可能にしていること。
個別問題としてランダムに上げれば、ジャーナリストの自由の状況について、また選挙の自由、沖縄や原発の報道問題、慰安婦問題、教科書問題、ヘイト問題、等々について、問題点が取り上げられています。
みな注意しなければならない問題だと思います。自分たちの社会が、今どの様な状態にあるのか、見えてくると思います。
第二に、この調査を踏まえて、改善への勧告が提起されています。
調査は、世界人権にてらして行われたものですが、助言・勧告を最後の部分でしてくれています。
報告者も言ってますが、勧告というのはあくまで勧告であって、それを生かすも捨てるも、あくまで日本の国民自身や国・政府・行政機関がそれをどうするか、そこにゆだねられてるということです。
私などとしては、とにかくその「報告書(勧告書)」が日本のメディア、「表現の自由」について、どの様な報告内容であるのか、私自身も含めて多くの国民が知るということが大事な出発点になると思っています。
そうしたことで、これを紹介させていただきました。