今、問題は何か-『学問と政治』(岩波新書)
6月12日付「しんぶん赤旗」の読書欄で、この本を知りました。
その書評は「政治家の無知と堕落 深刻な現状」と題して、田中優子・法政大学名誉教授が書いたものでしたが。
『学問と政治-学術会議任命拒否問題とは何か-』(岩波新書 2022年4月20日刊 840円)です。
著者は、芦名定道、宇野重規、岡田正則、小沢隆一、加藤陽子、松宮孝明の6名ですが、
2020年10月1日に菅内閣により日本学術会議への推薦名簿から、任命を拒否された人たち6名です。
普通、本の紹介は、その本を読んでから感想となり・意見となりを書くものだとおもうのですが。
そうしなければ、無責任だし、失礼だと思うんですが。
私にとって、この本ばかりは違うんです。
もちろん、今読みつつあるわけですが。
だいたい、私などは、不勉強さからして、この6名の方たちの名前と存在というのは、菅内閣が任命を拒否したことで、それによって初めてその名を知った方たちなんです。だいたい、私などは、著名な方というのは、その人が亡くなって、その人に寄せられた追悼文により認識するのが、おおかったんですね。
今を現に生きている、学問的な業績をつくりだしつつある人というのは、よく知らなかったんです。
この6名の方も、どの様な学術の努力をされてきた方たちなのか、まったく知りませんでした。
問題がおきてから、当然、新聞記事などをあたって、なんで政府とぶつかったのか、拒否された理由はなにか、それをつかもうとしたんですが。政府の方は、説明を拒否するわけですから、そうするしかないじゃないですか。
ところが、マスコミでは、問題について憶測的な論評はあっても、その確かな客観性ということがつかめれなかったんですね。
そうした中で、この岩波新書を知ったわけです。
ず~と抱いてきた疑問-何故、6名の方たちは菅政権によって任命拒否をされたのか?
それぞれの立場から、当事者として、意見を述べてくれています。
だから、その疑問を解くための、この本は、直接的な客観材料です。
ようするに、何が問題なのか。6名はどのような理由で任命拒否されたのか。
そのことは、政治と科学・学問が、今どの様な関係になっているのか。
そこには、どの様な問題があるのか。
これらのことを調べるために、
この本は、大事な、そして切迫した本だということです。
すなわち、日本が置かれている民主主義の危機ですが、その問題を解明し、打開するための、
それを探るための、客観的な材料となる本だということです。
追加
去年、2021年10月ですが、宇野重規著『民主主義とは何か』(講談社現代新書 2020年10月刊)を読んでました。
任命をはずされている宇野重規著『民主主義とはなにか』を読んで | みかんの木を育てる-四季の変化 - 楽天ブログ (rakuten.co.jp)