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ヘーゲル『法の哲学』11 マルクスの批判 福田静夫先生のヘーゲル『法の哲学』学習会は、次回を7月10日に、c.立法権の後半を予定しています。
今の、ロシアのウクライナ侵略に対して、また日米安保条約に対して、核心的な批判をしてるんですね。 さらに第二章として、三つのこと、 カントは晩年にこんな考察、提言を残していたんですね。 10年前の2011年10月29日ですが、参考までに紹介しておきます。 だいたい、マルクスの『ヘーゲル法哲学批判』については、まともに吟味したものなどないでしょう。 エンゲルスがマルクス死後に『フォイエルバッハ論』を書いますが。これは、マルクスの遺稿を調べるなかで、若き頃は刊行できずにしまわれていたもの、そのため社会的には知られることがなかったもの。そのヘーゲル弁証法の批判を、空白になっていた部分を埋めるとともに、そうした難書を探究していくための、手引きを意図して書いたんだと思うんですよ。字面を解釈するんじゃなくて、そうした位置をもつものとして、手引きとして生かす必要があると思うんです。 一つは努力賞ですね。一介の学徒が、一般にはおざなりにされていた宝に、よくぞ食らいついたな、ということです。しかしやはり、マルクスをとおしてヘーゲルを理解しようとしたわけですが、そこには難解で手探りしている状態が見えると思うんですよ。大体、こんな問題を誰かと討議することなんて、そんな機会はまわりには、そんな条件は、ほとんどなかったわけですから。まぁ今だって、同じですが。 二つ、やはり、ヘーゲルはプロイセン国立大学の総長をも経験した人でもあり、大御所です。25歳のマルクスは、その主著の一つを批判の対象にしています。ヘーゲルは啓蒙君主制の民主主義的なあるべき理想を、立憲君主制のありかたを説いてますね。理念が現象になって現れる、現象は理念のあらわれとの見地です。これに対して、マルクスの時代は、1840年代になるとプロイセン君主制は違っていた。フォイエルバッハやマルクスは教師の道を断たれる。ライン新聞は検閲で廃刊させられて、マルクスはフランスに亡命せざるをえなかったわけで、反動的な専制君主にかわったプロイセン国家の反動的な現実とたたかわざるをえなかった。 マルクスは、ヘーゲルが『法の哲学』で提起している問題に対して、大事な成果とともに、その中にある個別のおかしな、誤った見解を検討しています。その問題の原因となっている哲学の根本的見方にたいする批判について探らざるをえなかったことが見えてきます。 何度もマルクスの言葉を紹介しますが、 「ヘーゲルによってもっとも筋道だった、もっとも豊かな、そして究極的な形にまとめられたドイツの国家および法の哲学に対する批判は、一面、現代国家とそれにつながる現実との批判的分析であるとともに、他面また、ドイツの政治的および法的意識の従来のあり方全体の決定的否定でもある」(『ヘーゲル法哲学批判序論』より 国民文庫 P340) ここに核心があると思います。 三つ、この「他面また、ドイツの政治的および法的意識の従来のあり方全体の決定的否定でもある」との点ですが、 今回のところでは、「代議制度の場合、ある状況において選挙で棄権者が多くなる場合があり、そのことが不義な政権によって利用されている」と、これは事実のするどい追跡だと思うんですよ。今日の日本でも、見られることじゃないですか。 1821年の『法の哲学』第311節の注釈について、その批判ですが。 マルクスは、ヘーゲルが、現状を批判的に見るのではなく、理念が現象としてあらわれとみることで、現状を理性のあらわれとしてとらえることから、現状を合理化し弁護しちゃっていること、この点を批判しています。 ようするヘーゲルが理念として考えているように、何か素晴らしい精神が天(どこからか)下ってくるものではなくて、現在の諸々の矛盾に満ちた現象・運動の中から、意識的にとらえたものが精神であり、現実の概念的な把握なんですね。したがって、一見すると真逆な否定的な現象の中に、まだ明らかになっていない大事な事柄が秘められているということです。大事な点は、批判的意識によりそれを探りだすことです。 ヘーゲルには俗人的な面もありますが、大事なのは逆立ちしている考え方の問題です。しかし近代において逆立ちした形であっても弁証法を意識化した大な功績を残した人なんですね。マルクスの努力というのは、弁証法のヘーゲルによる逆立ちを正して、現状の矛盾を分析して、それを総括したものとしての概念ととらえた。このことから、ヘーゲルが検討していることがらから、その本当の帰結を引き出すことが大事になっている。マルクスは言いたかったのはこの点かとおもうし、また課題として提起しているんじゃないかと思います。
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忙しいであろう昨今にも関わらず、順調に学研を進めているようで、恐れ入ります。「予習」のレポートのはずですが、「復習」の総括言って良いのでわないでしょうか!
(2022年06月28日 21時04分25秒)
渡政(わたまさ)さんへ
大部の範囲を話されるもので、それをこなすのは大変です。だたいた講義を聞いちゃうと基本線がひかれちゃうじゃないですか。だから、復習も予習も大事になります。この選挙と草刈りの中で。 学生時代にも、こんな復習・予習に取り組んだ記憶がないんですが。それもまたよしです。 (2022年07月01日 17時28分03秒) |