はじめて故郷での政治対話
みかん農夫は相変わらず、草取り作業です。
これは小田原・早川のみかん園ですが、
8月10日、畑の入り口にあって、雑草に覆われたみかんの木です。
今回の草取り対象の木です。
雨降りか炎天下か、8月の草取りはたいへんなんですね。
この一本の草取りだけで、40分くらいかかりました。
やれやれと言ったところです。
今回は、もう一つ懸案がありました。
私の故郷・真鶴ですが、そこで初めての政治活動です。
「政治活動」たって、「赤旗」の宣伝紙を渡して挨拶するだけなんですが。
黒岩町議と一緒に、60年ぶりの小学校の同窓生、みかん畑のご近所をまわりました。
神奈川県の片田舎ですから、共産党町会議員とともに訪ねる。
そんなことは、当地に71年前に生まれてから、それ以来初めてのことでした。
だから相手もびっくりするだろうと思い、
事前に電話して、趣旨をはなしてアポをとろうとしたんです。
そのなかに、「わるいけど、来ないで」という人も一人いたけれど。
落語じゃないけれど、
「その日は用事ででかけるから」「買い物に行く予定だから」「病院に行く日だから」・・。
結局、電話した人は、誰一人としてアポをとれなかったんですね。
一人くらいは会話できないと動く甲斐がないと、ガックリすることもなくはなかったんですが、
私が相手の立場であれば、それも分からないわけじゃないですから、
「こっちは忙しい」と、へんな電話には、きつく断っている次第ですから。
そんなこともあり、
当日、黒岩町議に訪問に出かける前に、そんな状況を話して、
「予定した人とは会えないんだけど、ポストに宣伝紙を入れておくことは話してあるから・・・」と。
黒岩町議からは、「今、真鶴町は、去年の町長の選挙人名簿コピー問題が尾を引いていて、
住民感情は微妙な状況なんで、私と訪問するとなると、相手も複雑じゃないか」と。
それは、私などのまったく知らない真鶴の状況でした。
まぁ、とにかく宣伝紙をポストにいれるだけでも・・・てなことで、出かけたんです。
こうして、事前のアポの不案内な状況からして、
小学校の同窓生と畑の近所の人の、6名のお宅を訪ねることにしたんですが。
結局、この1時間半くらいの訪問活動で、5名の人と対話することが出来ました。
中には、会議があって留守してる旦那にかわって、奥さんが待っていてくれたり、
アポでは出かける予定だったのを、調整して自宅にいてくれたりで、
5人が5人とも、暖かい話の弾むひと時になったんですね。
私などは、「共産党は選挙で後退したけれど、このままじゃ軍事費が増えて暮らしが潰される。
みかん畑に1000回以上も来てたんだけど、なにしろ雑草を相手にしていただけだったから、
今の状況は、雑草を相手にしているだけじゃダメで、
選挙は、もっとまわりの人と話すようにしろ、ということかと。
それで黒岩(町議)さんと一緒に、訪ねることにしたしだいで・・・」と。
私などは、率直なところ、事前のアポの断られ方がショックだったんで、
60年のブランクで、初めての政治訪問なわけですから、それも当然なこと。
せめてポストに見本紙をいれておくくらいか、と思ってたんですが。
しかし結果からすると、案ずるより産むがやすしですね。
よもや、こんなに生きた会話が出来るとは、まったく想像できなかったんですが。
みなさんそれぞれの暮らしの中で、気軽に話し合える関係を必要としてるんですね。
なんで、この20年間、1000回以上も真鶴のみかん畑に通っていながら、
このほんの一歩の踏み込みをしなかったのか。
いくらその社会的な存在が大事になってると言っても、その影響力が広がっていたとしても、
生きた人とのつながり、組織の幹が大きくならなければ、選挙の後退もきたすじゃないですか。
まぁ、遅まきながらの蛍光灯といったところですが、
生まれてはじめて郷里で、政治対話をしたわけで、それ自体が画期的なことではあるんですが、
しかし肝腎なのは、この一歩をさらに広げれるかどうか、ということですね。
ところで、この状況というのは、住まいする東京・八王子の団地生活でも、同じなんですね。
30年も同じ団地に暮らしていて、寝に帰って来るだけで、駅の階段数を知らないんです。
「隣は何をする人ぞ」といった状態ですから。
ここでも、ただ「ヘーゲル法哲学」の学習発信をしているだけでなく、
政治対話の一歩を踏み出すことが求められているということです。