「せとか」を完全収穫する
早川のみかん園に、「せとか」の木が一本だけですが、あります。
とっくに、温州みかんの流通がおわったこの時期に、みかんを楽しめる貴重な品種の一つです。

この一本の木から、1コンテナ=20キロが収穫できました。
みかんの木の移植というのは、難しいんです。
本当なら5本の「せとか」があるはずなんです。
他の4本の「せとか」の木は、移植するのに失敗してしまいした。
みかんの木は、毛根が命でして、それで水や養分を吸収します。
移植するとき、作業者がくたびれていて、力ずくで根を引っぱっちゃったんですね。
毛根がだめになると、木は水や養分を吸収できなくなる。
それじゃあだめなんだと、わかってはいたつもりだったんですが、
それでも、結局は引き抜いたんですね、毛根を移植できなかったんですね。
5本中、移植するのに成功したのは、たったこの1本でした。
この木は移植にせいこうした、貴重なたった一本の木となりました。
いつが「せとか」の収穫の時なのか
先般、紹介しましたが、園主の一人がたまたまつぶやいたひと言、
「鳥に食われるから、早く採った方がいいよ」
それで、みかん畑に行ったら、指摘の通り鳥が実をついばみだしていた。
しかし、この時は天気が下り坂で、前の晩に雨が降ったんで、木はずぶぬれでした。
みかんは濡れた時に収穫すると、病菌が繁殖しやすくなってますから、傷みやすいんです。
だから、雨滴がある時は、収獲できないんです。
それで、急きょ、防鳥ネットをかけて引きあげてきたのが、先週でした。
従って、「せとか」の収穫は、今回となったわけですが。
先週、網掛けしておいたのは正解でした。
私が木に近づいたら、ネットの中でヒヨドリが、さかんにバタバタもがいていました。

「このやろう!」と、脅かしてやったんですが。
脅かしたら、なおのこと、さかんにドタバタしていました。
防鳥ネットのなかに、ヒヨドリが入り込んでいたんですが。
ネットを剥がしてみたら、「せとか」の果実には、ヒヨドリによる加害はまったく無し。
ヒヨドリは、ネットの中に入ったものの、果実をついばむどころじゃなかったんですね。
ネットの中で、バタバタしていたのは、どうやったらネットの外に出れるか、
そのために、必死になってもがいていたんです。
そこに、私などが来たもんですから、なおのこと、それこそパニック状態でした。
「ざまぁ、みろ」です。悪さをしていた罰だ、と。
ということで、「せとか」の懸案の収穫でしたが、
1コンテナ=20キロでしたが、無事に完了しました。
移植の作業をしてから3年目ですが、
これが初めての収穫です。
収穫作業を終えたのは午後4時半でしたが、
案の定、天気は下り坂でした。黒い雲が近づいてきています。
今夜には、天気予報通り、雨がふることは明らかです。
雨が降っては、明日は、この時期懸案の草どめの作業はできません。
それで、急きょ、予定の変更です。
ただちに収穫したみかんを車に積み込んで、帰京してきた次第です。