つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

2011/04/15(金)20:42

新百人一詩その62―杜甫「春望」―

百人一詩(295)

「春望」 杜甫 国破れて山河在り 城春にして草木深し 時に感じては花にも涙を灌ぎ 別れを恨みては鳥にも心を驚かす 烽火三月に連なり 家書万金に抵(あた)る 白頭掻けば更に短く 渾(す)べて簪(しん)に勝(た)えざらんと欲す ----------- 口語自由訳 国が崩壊しても山河は変わらず 春の都長安には今年も草木が生い茂る 時勢に心痛めては花を見ても涙がこぼれ 離れ離れになった人を想っては鳥の哭にもこの胸が痛む 戦いの火は幾月も幾月もやむことなくつづき 家族からの便りは万金を積み重ねてもそうそう来ない 白髪頭は掻けば掻くほど毛が抜け落ちて 簪を挿すにも挿せぬありさまである 韓国の次は大陸に渡って唐の時代に遡ります。 李白と並ぶ大詩人、杜甫の登場です。 少し意訳し、また訳詩が鳥のくちばしに見えるように工夫しました。 詩の背景に興味のある方はご自分でお調べください。 教科書に載るほど有名な作品です。 時勢を勘案しての詩の紹介でした。

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