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カテゴリ:星新一
これもブックオフで単価80円でまとめ買いしたうちの1冊。星さんのフィクションはすべて読破したつもりでいたが、ジュブナイル・ファンタジーがあるとは知らなかった。体裁は一応長編小説だが、長さ的には中編であり、オムニバス形式だから実際は短編小説の積み重ねと言っていい。
『不思議の国のアリス』を連想させる冒頭から、主人公の少年は夢の国へと誘われる。お父さんの夢、病気の少年の夢、子どもを交通事故で亡くした母親の夢、人生に挫折した中年の夢、自殺を図った女性の夢…と他人の夢を転々とし、やっと現実の世界に戻ってくるというのが粗筋。 個人的には、いろんな理想的なものを彫ってきて、完成させようとして挫折し、最後に道の穴をふさぐための石を刻んでいる老人の夢が好きだ。一隅を照らすとはまさにああいうことをいうのだろう。 子どもがいないので処分本NO.216。 【中古】 ブランコのむこうで (新潮文庫) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.04.17 07:06:13
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