『気まぐれ指数』星新一:新潮文庫
普通に分類すれば、ミステリーか犯罪小説ということになるのでしょうが、そこは星新一節。一応、仏像盗難事件とか、株券詐欺とか、にせ仏像造りとか、犯罪めいた出来事があるのですが、当事者四人の男女二組がだれも被害に遭わず、しまいには気まぐれにも結婚までしちゃうというお話。短編の名手が一人でつなぎ合わせたリレー小説といった趣もあり、あちこちにちりばめられたシニカルなアフォリズムが魅力でもあり。警察が前面に登場しないどころか、まったく出てこないミステリー。星さんにしては登場人物に固有名詞が出てきたり、赤電話とか小道具が多少古めかしくて時代を感じさせますが、今読んでも十分に楽しめるドタバタ喜劇であることは保証いたします。10500円以上お買い上げで送料無料【中古】afb_【単品】_気まぐれ指数 (新潮文庫) 新一 星