地御前の朝 1月
休日の朝早くに目が覚めると、ベランダから空模様を確認して地御前に出かけることがよくあります。今年の一月は、前週の土曜日が二回目。初回は元旦の初日の出でした。地御前(じごぜん)といっても、地元の人にしか分からないかもしれないので、少し詳しく説明してみます。位置は広島市の西側にあたり、市内から下りのJRに乗って20分あまり走っていくと、左手に海が見え始めるのが地御前です。地御前から宮島口あたりにかけて、防波堤に近い当たりには牡蠣棚が並び、干潮時には姿を現します。少し沖合には、カキ筏が浮かび、朝早くからクレーンを付けた牡蠣の漁船が港と筏の間を往復します。ということで、地御前というのは、なかなか広島湾らしい場所で、家から車で10分ほどということもあり、お気に入りの場所です。この日は、雲の多い朝でした。ただ、空に表情を作ってくれるのは「雲」なので、雲一つない快晴というのは逆に絵になりにくいですね。朝の空が一番美しくなるのは日の出の45分前くらいから30分前くらい。この時間帯にいい色が出てこなければ、その日はハズレです。この日はまあまあくらいでした。漁港からは少し離れた防波堤で夜明けを待ちました。夜が開ける直前くらいになるとあたりもかなり明るくなってきて、きれいな朝焼けの赤味は薄くなってしまいます。また、最も冷えるのも夜明けの直前です。まだあたりが暗い時にはそれほど寒くないのですが、そこから夜明けが近づくに従って、不思議にぐっと冷え込んできます。太陽が出てくると、当然あたりも明るくなるのですが、太陽の光が強くなった分、カメラは絞りを強くしてくるので、コントラストが強調されます。人間の目というのはものすごく性能がいいので、周りの明るさも認識しつつ、太陽の赤さもしっかりと見ることができますが、カメラはそこまで優秀ではないので、実際に見ているくらい明るくすると、太陽が白く飛んでしまいます。太陽の赤味を残せば、全体に強いコントラストが出てきますが、それがまた、朝日の写真を印象的にします。太陽が昇り始めると、ほんとにあっという間です。よく、太陽の中に鳥が飛んでいたりする写真を見たりしますが、この太陽の中を鳥が通り過ぎていくことも稀なら、その瞬間にシャッターを押すことができるのもまた奇跡的なことです。やっぱり、何回も足を運んでこそ、いい写真というのは撮れるんだなあ、と思います。この日は雲が多く、太陽の上に雲に隠れてしまい、このあとずっと曇りでした。牡蠣がおいしい季節は、もう少し続きますね。インフルエンザに気を付けて、牡蠣で精をつけて冬を乗り切ってください。本日もお付き合い、ありがとうございます。