くり坊のひとりごと(blog版)

2015/12/18(金)15:29

冬の朝 月と金星

徒然なるままに(612)

師走ですねえ。 ご存じのとおり、冬至というのは、一年で最も夜が長く、昼が短い日。 この日を境に、だんだんと日が伸び始めることになります。 今年の冬至は12月22日。 例年、22日とか23日ころになるのですが、キリストの誕生日とされる12月25日というのも、だんだんと日が長くなり始める日ということで決められた、という話もあります。 ということで、今の時期が一番日が短いのですが、その分、夜明けの美しさに接する機会も増えてきます。 私の場合は、朝6時に起きて、それから、ベランダに上がってみるのですが、だんだんと東の空が明るくなって赤みがさす時間帯です。 我が家は斜面を削って造られた団地にあるのですが、標高が高い分、わずかに瀬戸内海も見えます。 この時期ですと、牡蠣の作業船の灯りがぽつぽつと灯って見えます。 冒頭の月の写真は、12月8日の朝のものです。 美しい三日月と、明けの明星のコラボを手持ちで撮って見ました。 月というのは写真に撮ると結構明るいもので、アップで撮る際はかなり暗めに撮らないと真っ白になります。 月の丸い輪郭がはっきりと見え、その中にぼんやりと月の模様が見えますが、これを地球照といいます。 地球にあたった太陽の光が月を照らしているもので、もし月に住んでいれば、「月明かり」ならぬ、「地球明かり」ということになります。 金星というのは、水金地火木というくらいで、太陽系にあって、地球のもう一回り内側を回っている星。 最近の話題としては、エンジントラブルを起こしていた金星探査機あかつきが、金星の軌道への再投入が成功した、というものがありましたが、その金星ですね。 「明けの明星」「宵の明星」といって、朝夕に一際明るく光る星ですが、地球から太陽の方を向かないと見えないので、太陽に背を向けた夜には見えません。 そのため、昼と夜の間にだけ、地面に近いところで輝くんですね。 三日月といいましたが、三日月というのは、新月(月の出ない日)から三日目の月のことで、西に沈む太陽を追いかけるようにして見える月なので、日没後の夕方に見えるものを言います。 朝見える三日月は、日の出に先行して東の空に見えるのですが、これは、実は三日目の月ではないので、正確には三日月ではありません。 有明月と呼んだりしますが、明け方見える三日月は新月になる寸前の月、ということですので、月齢でいいますと、26日27日あたりになりますね。 ということで、冒頭の写真の月は、三日月ではなく、有明月ということになります。 考えてみれば当たり前の話ですが、地球上から見て、太陽の位置と、月の位置が離れて見える程満月に近くなり、近くになればなるほど、三日月のように細くなります。 頭の中で太陽の光を月が受ける状況をイメージすれば分かります。 なので、細い月というのは、日の出前、あるいは日没直後には見えますが、真夜中には見えません。 さらに言うと、「菜の花や 月は東に 日は西に」という与謝蕪村の有名な俳句がありますが、ここに見える月は、目いっぱい太陽との距離が離れているので、満月、ということになります。 冬の朝は、こうしたドラマチックな夜明けに接する機会も多くなります。 忙しい師走ではありますが、朝、少しだけ早く起きて、夜明けを感じてみるのもいいと思います。 こちらは、12月15日の夕方の月。 最初の写真から7日後ということになりますが、その間に、新月になり、そして、これが正真正銘の三日月です。

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