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![]() 本日は、ビス頭を隠す、ダボ埋め加工について解説します。 冒頭の写真のように、ダボのあとがアクセントにもなります。 木材をビスで組み立てる、というのは、個人的にはとっても合理的な方法だと思います。 木材には繊維があり、ビスを使って繊維にビスの山(凸)を食い込ませることによって接合します。 釘は、木材の圧力によって固定しますので、まっすぐ引っ張る力が働けば抜けやすく、接合力という点では今一つ。 かつ、ビスのように「逆回し」で抜くことができないので、抜くときは「釘抜き」を使うことになります。 かつては木材の組み立ては「釘」が一般的でしたが、今では釘と金槌で組み立てる人は少ないですね。 接着剤で接合する、という方法もありますが、基本的には「不可逆的」な接合なので、再利用が難しくなります。 古民家などの材料が再利用されるのは、組木という手法を多用して「分解できる」ように作ってあることがポイントだと思います。 おそらく、2×4住宅を分解しても材料の再利用は不可能でしょう。 さて、ビスで組み立てる話ですが、組み立て後はこんな感じで、ビス頭が見える状態になります。 釘に比べるとビスの頭は大きいので、目立ちやすいのは事実です。 ![]() そこで、ビスの頭をダボで埋めて隠す、という方法を説明します。 ビスで組み立てた状態はこの状態。 ![]() 電動ドライバーでさらに締めこんでビス頭をめり込ませます。 杉材は比較的柔らかく、ビス頭に「フレキ付き」のものであれば、きれいにビスがめり込みます。 ![]() おおよそ10mm~15mm程度めり込ませます。 ビスが「フレキ付き」でなく「ラッパ」だと、木の表面を起こして捲れてしまうのでこの方法は使えません。 「フレキ」というのは、ビスの皿の下側にある突起のことです。 左がフレキ付き、右がラッパです。 ![]() その場合は、あらかじめ、皿部分が収まるような座繰りの穴をあらかじめドリルであけてからビス固定する必要があります。 こんな下穴キリがあります。 ⇒下穴用皿取キリ(下穴3ミリ×皿取9ミリ/木工用) また、電動ドライバーがパワー不足の場合はビスが入っていかない場合もありますので、要注意。 ![]() 穴にダボを差し込みます。 8mmのダボです。 ちょうどコーススレッドの頭の大きさとフィットします。 ![]() ゴムハンマーなどでたたいて埋め込みます。 木材が収縮すると、ダボが出っ張る可能性もあるので、微妙に浮かせるくらいの感じが一番いいのですが、これは加減が難しいところです。 ![]() ダボの出っ張った部分をカットします。 通常ののこぎりで切ると周辺に鋸の刃で傷をつけてしまうので、「片刃ノコ」を使うときれいにカットできます。 片刃ノコというのは、片面にだけ歯が出っ張っているノコで、面にそってカットしても、「面」部分を傷つけずに、突起部分だけをカットすることができます。 ![]() カットした部分にサンディングをして、カットの際のバリ取りを行い、周囲になじませます。 ![]() こんな感じです。 ![]() これをビス頭の数だけ繰り返すと、ビスの頭が見えずに完成度もアップします。 ![]() 木工においては、「接着剤」の利用も大事ですし、戦後の新建材の歴史は接着剤の進歩抜きには語れません。 ただ、木材という素材の汎用性や、分解、再生によって再利用可能であるエコな素材であると考えると、接着によって再利用が困難になることも間違いありません。 「ビス」のもう一つの大きな長所は「逆回し」して「分解」できることです。 我が家では、子供のために作った本棚を分解して、子供部屋の小上がりの材料に再利用したりしていますが、これも、ビスで組み立てたものだったから可能なことです。 接着は、くっつけた時点で、それを分解するときのことなど、一切考えていませんので、再利用することが困難ですね。
Last updated
2022/06/20 01:32:23 PM
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