木の完成度。
世の中にいろんな資源があるけど、「木」くらい完成度の高い資源はないですね。山に生えている状態ですでに90パーセント以上の完成度でしょう。だって、細い木でも適当な長さに切ればそれだけで「杖」になる。枝葉だって、燃やせば「燃料」だ。太い木だって、切って積み重ねれば「ログハウス」の材料にもなるし、それをそのまま地面に穴を掘って立てれば「掘っ立て小屋」の柱になる。ただ、さすがに丸太のままではログハウスや、丸木橋くらいにしかならす使いにくい。そこで、「製材」という作業をする。丁度、大根の「短冊切り」みたいなもんですね。野菜だって、丸ごとじゃ扱いにくいからカットする。それと同じですね。今でこそ電動のこでカットするのですが、100数十年くらい前までは人力でカットしてました。短冊状にカットした木は「板」と言います。板になると、それを組み合わせて棚を作ったり、床に張ったり、壁に張ったり、と用途がぐっと増えます。家にもなるし、橋にもなる。確かに最後には、大工さんや職人さんの手が入って「もの」が生まれるんだけど、それでもほんの最後の仕上げの部分だけで、90パーセント以上は大自然は作り上げてるんですね。このくらい省エネな材料はないんです。大自然が木を育むと同時に二酸化炭素を「有機物」に変えて酸素を放出する。これからの時代、「木」で間に合うものは「木」で作るべきでしょう。どんどん使って、どんんど植える。しっかり森の面倒も見て、「林業」を盛り上げる。林業というのは「環境産業」なんですよ。21世紀にふさわしい産業です。ということで、木をもっと使いましょう。