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西條剛央のブログ:構造構成主義

◆『構造構成主義の展開』

『構造構成主義の展開 ー21世紀の思想のあり方』

編集 西條剛央・京極真・池田清彦

目次
巻頭言 構造構成主義パラダイムの展開 西條剛央

座談会 21世紀思想のあり方 池田清彦・西條剛央・京極真・上田修司

第一部 構造構成主義と関連思想
構造主義科学論余話(池田清彦)

構造主義の思想史的意義(内田 樹)

ポストモダン思想(高田明典)

理論体育学の提唱(甲野善紀)

20世紀の三大思想と構造構成主義(やすいゆたか)

構成主義とは何でないのか?(菅村玄二)

哲学の再生(竹田青嗣)

無思想の意識化(養老孟司)

第二部 構造構成主義の展開
構造構成的障害論の提唱(京極 真)

歴史学の信念対立を読み解く(多田羅健志) 

構造構成主義的臨床心理学(高橋 史) 

認知運動療法の新展開(村上仁之) 

構造構成的英語教育学研究法(田中博晃) 

人間科学的医学(斎藤清二) 

構造構成的認知症アプローチ(田中義行) 

構造構成主義的国家(上田修司) 

構造構成主義的看護学(高木廣文) 

構造構成主義とはどのような理論か?(西條剛央)

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巻頭言

 構造構成主義パラダイムの展開

 二十世紀、思想は客観主義、科学主義に代表されるモダニズムから、相対主義よりのポストモダニズムへと展開した。そして、二十一世紀に入り、それらの限界を乗り越えるべく「構造構成主義」という新たなメタ理論が台頭してきた。
 冒頭の座談会では、構造構成主義に焦点を当てながら、今後の思想のあり方を展望している。対話体ということもあり比較的容易に理解できるようになっているため、構造構成主義の方向性を把握することができるだろう。
 第一部では、構造構成主義と関連する諸思想を、それぞれの領域を代表する第一線の学者に論じて頂いた。ここまで豪華なメンバーが一同に介した論文集はなかなかお目にかかれないであろう。それらの論考群には、相反する主張のものもあるが、構造構成主義は、多様な立場、矛盾した思想的立場があって然るべきであり、そうでありながら何でもアリの相対主義に帰着しない理路を有するメタ理論なのである。構造構成主義は、その特性から「使える超メタ理論」として普及しつつあり,実際にこれまでも発達研究法、質的研究法、知覚研究法、心理統計学、リハビリテーション、QOL理論、古武術などに導入されている。
 第二部では、そうした動向の中から、医学、看護学、臨床心理学、障害論、認知運動療法、認知症ケア学、歴史学、英語教育、政治といった様々な分野に継承発展させた新理論をいくつか紹介することで、構造構成主義が研究実践、現場実践をいかに変えうるのかを示す。継承発展のさせ方は各研究者によって異なるものの、いずれの論考もそれぞれの領域における根本問題を解き明かす理路を提供する画期的論考となっている。
 構造構成主義の特長は、他の思想的枠組みを、関心に応じて選択し、それらをより十全に機能させるというメタ性にある。これによって「過去の思想の長所を活かす」ことを可能にしている。このような主張自体は珍しいものではないが、それを基礎づける理路はこれまで十分に体系化されてこなかったように思う。思想の真の展開は、過去の思想を全否定するという方法で達成されることはない。様々な思想のエッセンスを把握し、課題にあわせてそれらを相補完的に活用することによって、思想は全体として進展することができる。今後も、こうした論文群が発表されていくことによって、学問領域全体の発展につながっていくと思われる。
 なお、構造構成主義の学術誌がシリーズ本(1)として公刊されることになっているので、本書と併読して頂ければ望外の喜びである

 構造構成主義という新たな思想的動向を曇りなき眼で見定めて欲しい。


編者を代表して 西條剛央


(1)西條剛央・京極真・池田清彦(編著) 現代思想のレボリューション――構造構成主義研究1 北大路書房 二〇〇七年三月公刊 



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