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西條剛央のブログ:構造構成主義

西條剛央のブログ:構造構成主義

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西條剛央

西條剛央

2005/11/02
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カテゴリ:哲学
Mixiの「現代思想」のコミュニティで,まこすけ侍さんが,「哲学はどのように役立つのか?」 という興味深い問いのトピックスを立てている。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=2460041
      
僕も自分なりに考えてきた問いでもあるため,改めて「哲学はどのように役立つか」を考える上での留意点,考え方について考えてみることにする。

これまで,哲学は「机上の空論」「何でもアリ」「哲学者のオモチャ(パズル)」「現実と無関係な観念論」といった様々な悪口がいわれてきた。

何を隠そう,数年前まで僕もそう思っていたから,この批判は故なきものではないと思う。

これからも言われ続けるであろう。



しかし,何事においても,批判したり「何の役にも立たない」というのは,とても簡単なことで,誰にでもできる。

僕はよく「批判はあかちゃんでも泣くということによってできるが,創造すること,作り出すことはずっとずっと難しい」と学生にいう。

そういう観点からも,このトピックでは敢えて「哲学が何の役に立つのか」という建設的問い掲げたところが,ユニークだ。

ぼくも『構造構成主義とは何か』を執筆するにあたり,科学に携わる人にどうすれば「哲学」という営みの意味や機能を伝えることができるだろうか,と考えながら書いてきた。

これは哲学者といわれる人は例に漏れず考え続けてきた問いの1つなのかもしれない。それゆえ,こうした問いに妥当な答えを出していくことは,簡単なことではないのだろう。簡単だったらこんな問いでは頭を悩ませることもない。

だからこそ議論する意味があるといえる。



この問いを深めていくには,ちょっとしたコツ(心構え)が必要な気がした。

したがって,「哲学どのように役立つのか?」を考える際の【考え方】について,次に,自分なりに整理してみたいと思う。



それは,常に【建設的思考】を心がけつつ,また【原理的思考により理路を積み重ねていく】ことといえるかもしれない。



抽象的でわからん,という声が聞こえてきた。



もっと具体的にいえば,この問いにアプローチするためには,まず 【“哲学”とは何か】を明示化して論じる必要があるだろう。

それなくしては,【“哲学”がどのように役立つのか?】 についても適切に考えることができないはずだ。

なぜなら,【“哲学”とは何か】とはいわば【哲学の構造】のことであり,【“哲学”がどのように役立つのか?】 とはいわば【哲学の機能】といえるからである。



これらをまとめれば,

1)自分は哲学とは~ということだと思う【哲学の構造】。
2)そのため~ということに役立つと思う【哲学の機能】。
3)たとえば~【具体例】

といったように抽象度の高いことから理路を積み重ね,具体的な方向へと考えを推し進めることによって,「どのように役立つか」を明らかにしていくことができるはずだ。


とはいえ,こうしたことに縛られず,自由に思考することももちろん大事だろう。

これは,【拡散モード】といえるだろう。

しかし,やはりそれと同時に,「哲学はどのように役立つのか?」という最初の問いに立ち戻る【収束モード】なくしては,当初の問いに対する妥当な答えを得ることはできないだろう。

さもなければ,「哲学は何の役にも立たない」と思っている人に「なるほど」と思ってもらうどころか,「やはり哲学は思弁的なオモチャに過ぎず何の役にも立たない」などという誤解を広めることになってしまうことになってしまうかもしれない。


もちろん,【拡散モード】と【収束モード】はどちらか一方だけが重要なのではなく,思考を進める上で,相補完的な関係にあり,これらの【モード】を相互に繰り返すことにより,つまり,こうした【思考の弛緩運動の圧力】により,新たな知が生み出されるのだと思う。


ということで,こうした【視点】を意識しつつ,改めて“哲学はどのように役立つか?”を考えていきたいと思った。





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Last updated  2005/12/07 05:30:26 PM


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