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カテゴリ:哲学
朝5時に起床。
午前中ひたすら論考を仕上げていく。いつこの好調期が終わるかなと思っているけど,まだ知的フィーバー「777」は続いてくれるらしい。 午後からはいつものようにS研にいく。 ちなみに,ここは一流の研究者(もちろん臨床もする)ばかりで,議論の質は異様に高い。 いってみれば,室長クラスは皆一騎当百の強者で,部長は一騎当千の勇者。臨床と実証の双方において,その知識,実践力,洞察力,建設的態度,批判的吟味,いずれをとっても超一流で,医療実証系でここまで強いひとはちょっといないと思う。ちなみに哲学にも理解があったりするし,ユーモアのセンスもある。ついでに身長も185ぐらいある。あるある研究者である。 それで,毎週あるジャーナルクラブでは海外の最新のジャーナルから論文を5,6本レビューする勉強会に出させていただいているのだが,これが本当に勉強になる。 今日も,薬物療法よりも視床下部への刺激治療の方が,パーキンソン病を劇的に治療することができるという実証研究や,1日100円もかからずにかなり効果的に鬱病を直してしまう海外の研究が紹介されていた。パーキンソン病,そのうち治せる病気になるかもしれないと思った。 最新ジャーナルを読んでいると,科学は日々進歩していて,やっぱりすごいなあとあらためて思う。ふつうの科学哲学者や科学論者は,こういう実証科学の現場を知らないから,容易に社会的構築主義的な科学論とか相対主義に飛びついて満足しちゃったりする人も出てきてしまうのかもしれない。 僕は,ここで王道の医療系実証研究の現状を学ぶことができているので,哲学に偏らないで済むという意味でもとてもよい機会を与えていただいてると思う。 ちなみに,学会や研究会での僕を知っているひとはにわかに信じられないかもしれないが,ここでは「自分が特に語るべきことは何もなく,みんなの議論を聞いていた方がためになる」と思ってしまうため,ひたすら聞き役に徹していて,前期が終わる頃まで一言も発言しなかった。 これまで「勉強会の場で黙って聞いている人は,何を考えているんだろうかなあ,消極的なのかなあ」と思っていたけど,自分がその立場になってみて,そうじゃない人もいるかもなと思った。 単に「自分が話すより,みんなの議論を聞いて吸収した方が勉強になる」と思って黙っているひともいるんだきっと,と思った。 その後は,W大に行き,竹田先生らとテニスをする。 8月のOB線で取り入れたムチの原理を使ってみる。 ほとんど力を入れることなくものすごいサーブがバシバシ入る。 入ったサーブは一球も返ってこなかった。 これはすごい方法をみつけたもんだあと思う。 ともあれ,メンバーがよいのでいつもながら本当におもしろかった。 その後は,構造構成主義を歴史学に導入している学生が,関西からきている友達を連れてきたいということで,いろいろ話を聞き,自分なりにアドバイスをする。彼は構造構成主義を使って新たなモデルを作りたいらしい。がんばれ。 そして,彼ら二人を連れて再び社会人ゼミを終えた竹田先生等と合流して飲みにいく。激安でうまい。いいところをみっけた。今度の勉強会の飲み会はここに決定。 竹田先生は,二人の関心を聞いた上でいろいろ語ってくださり,その話の中にいくつか深い洞察があって,また理路が進展した。すごい人だなあとあらためて思った。 構造構成主義の第一回シンポジウムの,池田・竹田・西條鼎談の件をオファーしたところ,快諾していただいた。そのついでというわけではないが,構造構成主義の2巻か3巻にも論考書いてくださいとお願いした(現在も,『現代のエスプリ』に「哲学の再生」というテーマで書いていただいている)。 そんなこんなで,最近の生活は,科学と哲学の往復運動から成り立っているんだなあということを再認識した一日でした。 関係者諸氏にあらためて感謝申し上げる次第です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/10/18 12:20:57 PM
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