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カテゴリ:雑感
気力が湧いてこないこともあり、小説を読んでいた。
北方謙三著『血涙 新楊家将』(上・下)。 遼と宋との攻防を舞台とした、悲劇的な運命のもと、哀しみを背負いつつ、懸命に生き、戦い散っていく人々の鎮魂歌。 『北方謙三水滸伝』(全19巻)を超える物語など、書けないのではないかと思っていたが、ある意味で、それを超える物語なのは間違いない。西武線と担々麺屋で危なく涙が出そうになるのを懸命に堪えねばならなかった。 題名にあるように、これ以上ないぐらい非業の運命の物語にもかかわらず、読み終わった後に不思議と心が洗われるような気持ちになるのは、それぞれが運命に翻弄され、苦しみつつも、懸命に生き、死んでいく姿が描かれているからかもしれない。 ちなみに、この前の物語として『楊家将(上・下)』がある。完全に『血涙』へつなぐための序章的な位置づけとなっているのだが、これを読まずとも『血涙』は愉しめる。というか、『血涙』の方が圧倒的におもしろく、そこで語られている「楊家将」で十分ともいえるので、読まなくてもいいと思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/03/10 03:31:28 AM
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