1669179 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

西條剛央のブログ:構造構成主義

西條剛央のブログ:構造構成主義

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

西條剛央

西條剛央

2007/04/03
XML
カテゴリ:雑感
時間を守る,ということ


学会のシンポジウム等々でよくみかける失敗例は,時間を守らないことによってもたらされる。

ラウンドテーブルやシンポジウムの時間は、自分の時間ではない。そうではなく、参加しているみんなの時間なのだ。

くれぐれも、そこを勘違いしてはいけない。

講演なら、参加者はその人の話を聞きに来ているのだからしゃべり倒していいかもしれないが、シンポジウムといったことはその人の話だけを聞きたくてきているわけではないのだ。基本的に聴衆は自分に関心がないのだ。そう思ってプレゼンした方がよい。

時間を厳守できないならば、発表しない方がよい。評価を下げるだけだからだ。時間がきたら、即打ち切るぐらいの覚悟でやるべきだろう。

一言でいうと、発表時間を守らない、ということは「反則行為」だと思っておいたらいいと思う。いかなる競技でも、反則して得点をとっても評価されることがないように、発表時間を守らないということは、サッカーでハンドして得点をとろうとするようなものなのだ。





それから、これもよく誤解している人がいるが、自分が話したいことを話すのがプレゼンではない(昔は僕も勘違いしていたが幸いにも師の指導の段階でそれは避けることができた)。

会場にきてくれた人に、掲げたコンセプトにあったことを話し、満足してもらって帰ることが目的なのだ。

自分が話したいことと、聴衆が聴きたいことの折り合いを付けることが大事なのだが、どうしても自分の関心に偏りがちになるので、自分の関心を満たすのではなく、聴衆の関心を満たすことを重視するぐらいで、ちょうどいいのかもしれない。

周りの空気を読むことも大事だ。

うつむいているひと,寝ている人,席を立つ人などが増えてきたら話を変えるべきなのだ。


またシンポジウムなどを成功させるためには、司会者は非常に大事だと思う。もっとも、司会者が若い人だと分かっていても偉い先生の話を止められないということも起こる。そうならないためには,最初に司会者にはタイムキーパーとしての役割が与えられている,ということを何らかの形で明示(宣言)しておくとよいだろう。

ルールを明示化しておくことで,そのルールに沿って進めるという形が取れるようになるからだ。


研究会などはある程度柔軟に時間を延ばしたりすることができるが,学会のシンポジウムは時間を延ばすことができない。そこでよくある典型的な失敗は,誰かが与えられた時間を大幅にオーバーしてしまい,そのしわ寄せが他の話題提供者に及び,他の人の持ち時間が短くなってしまったり,ヘタすると「あ,時間厳守ってわけじゃなさそうだな」と他の人もオーバーして,結局,時間ギリギリまで壇上の人達だけが話し倒して,フロアの人の質問や意見などをまったく受け付けられないということになる。

最初からそういうシンポジウムだと公言しているならそれはそれでよいと思う。

しかし,「フロアからの意見も頂戴しつつ,活発な議論を行いたい」などと謳っておきながら,その時間をまったく取らないというのは羊頭狗肉も甚だしい、ということになるだろう。

そのつもりで質問などを考えてきている人もいるだろうから,そういう人からすれば「詐欺」にあったように感じるだろう。自分の時間を返してくれ,ということだ。

そうした時間が守られない会では,会場のストレスが沸々と貯まってくる。そしてそのストレスすら解消することもできず(質疑,応答の時間もなく)終わる。しゃべり倒した登壇者だけが満足して,参加者はストレスを抱えたまま帰路につくことになる。

そういう悲惨なことにならないためには、よほど慣れるまではプレゼンの練習を重ねて、時間ぴったりで終われるように必要以上に訓練してきた方がよいと思う。

せっかく内容がよくとも、鉄則を守らねば誰も聞いてはくれない。

話しても誰も聞いていない,ということが起こるのだ。

なぜか?

「自分はあなたの話に飽き飽きしている」という非言語的メッセージを発し続けているにもかかわらず,その声に耳を傾けずに,一方的に話を話題提供者は,言ってみれば聴衆を無視しているということに他ならない。

そっちが無視するなら,こっちも無視してやるわい,となるのは自明の理である。

そんなことをやっていて,評価されることはないのは当然のことなのだ。



僕も大学院時代、シンポジウムなどに出るときは、師匠や友達に何度かみてもらってプレゼンの質をできるだけ高めてから臨んだものだ。それで格段に質はよくなるのだ。

院生にプレゼンの仕方を教えるのも、師や先輩の役目でもあると僕は思う。

これからそういう機会のある若い院生などは、特にこのことは頭に刻んでおいてもらいたいと思う。



他方、もし失敗してしまったならば、それはそれで過ぎたことは仕方がない。

公の場で失敗しないに越したことはないが,それを糧に次に活かせばいいのだと僕は思う。

失敗しないひとなんていないしね。

かくいう僕も数え切れないほど失敗はしてきたし、これからもするかもしれない。

でも、そうならないために、自省を込めて書いてみました。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007/05/29 03:34:08 AM
[雑感] カテゴリの最新記事


Keyword Search

▼キーワード検索

Freepage List


© Rakuten Group, Inc.