2009/04/03(金)10:35
九州大学での集中講義(2月の日記)
九州大学の松永先生の日本語教育のゼミで集中講義をしてきた。
2日間という限られた時間だったが、皆さん「純朴」でよい人達だったので居心地がよく僕もリラックスして愉しい時間を過ごすことができた。
時間が限られていたので、質的研究ワークショップのアドバンス編に近い内容にした。
まず研究者として(人間として)成長するための条件や、研究の基本中の基本原理について説明した。
あとは大学院生達にそれぞれ研究発表をしてもらい、関心と現実的制約を踏まえた上で、よりよい研究になるよう(できるよう)コメントさせていただいた。
研究発表の内容は、いわゆる質的研究というものはほとんどなく、完全な量的研究から、質も取り入れていきたいという人や、縦断研究、あるいは日本語教育史といった資料に基づく研究まで、幅広いものだった。
適宜、質的研究のコツやポイント、また研究デザインの極意、縦断データの特長を活かした分析の仕方(まとめかた)といったことについて講義させていただいた。
『ライブ講義・質的研究とは何か』を出してからは、質的研究の指導をすることが多いのだけど、今回は研究テーマが多岐に渡っていたので、それ以前に行っていたダイナミック・システムズ・アプローチの研究や、『構造構成的発達研究法の理論と実践』を編んだ経験が役に立った(↓これらの本は経時的データ(縦断研究)を扱う場合に役立つと思います)。
また研究デザインの極意や論文執筆のエッセンスは、文献資料研究、歴史的研究にもそのまま適用できるということが検証されたのは僕にとっても収穫だった。
学生達(といっても僕より年上も多く、国籍もいろいろだったけども)にとっても実りある集中講義になったみたいでよかった。
終了後、空港に行くまで時間があったので、散歩がてらに公園を通って、缶ビールを片手にみんなでいろいろ話しながら見送ってくれて嬉しかった。
もし可能なら来年もぜひ、というお話をいただけたので、またお会いできるのを愉しみにしています。