カテゴリ:東日本大震災
3月中に東日本大震災について書いた一連の記事をまとめてみました。
もともとは身近な人、悩んでいる人に少しでも役に立てていただければと書いてきたのですが、せっかくなのでこれをこれをベースとした著書を出して印税を義援金にできればと思っています(もちろんこれはブログなので著書用に加筆修正しなければなりませんが)。 これまで専門書ばかり出してきたので部数などは気にしなかったのですが、今回は広く読まれたい、少しでも多くの人に役に立てていただきたいと思っておりますので、迅速かつ部数を出してくれる出版社を求めています。 今のところのイメージはこんな感じです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 西條剛央著『東日本大震災から学んだこと:構造構成主義によるポスト3.11論(仮)』 【目次】 ・ はじめに 1章 「この未曾有の震災をどう受け止めればよいか(3.17.)」http://p.tl/4_el 2章 「今は“こころ”をケアしましょう(3.18.)」http://p.tl/23_P 3章 「デマとは何か,事実とは何か,覚悟とは何か(3.19.)」http://p.tl/SeNF 4章 「地震に対して有効な構えとは?(3.20.)」http://p.tl/fC2D http://p.tl/Ey4S 5章 「広くわかりあえる疎開論とは?(3.21.)」http://p.tl/PsVJ 6章 「不謹慎とは何か?(3.22.)」http://p.tl/HivU 7章 「水質汚染と今後の水不足対策(3.23.)」http://p.tl/xUGH 8章 「新たなフェイズで考えるべきこと(3.24.)」http://p.tl/x3e1 9章 「風評被害を防ぐにはどうしたらよいか?(3.25.)」http://p.tl/7t4a 10章 「震災におけるテレビの功罪とこれからのマスコミのあり方(3.26.)」http://p.tl/TFT6 http://p.tl/Etam 11章 「広くわかりあうための原発論とは?:推進派と反対派の壁を越えて(3.27.)」http://p.tl/etHN 12章 「原発の代替えエネルギーについて考える:本当の環境問題とは何か(3.28.)」http://p.tl/Dlrd 13章 「ポスト3.11.の未来に向かって(3.29.)」http://p.tl/pztn (随時加わる可能性あり)。 ・ 解説 池田清彦 ・ あとがき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ はじめに 東日本大震災という未曾有の激震災直後。 実家が主被災地である仙台市で,兄が消防局の災害予防に携わっていて,科学哲学,心理学を専門としている身だからできることはあるはず。それは書くこと。書いて少しでも誰かの役に立つこと。 多くの犠牲者のためにも,それが今の僕にできることだと思ってこれを書いています。 * 僕は東京であの震災を経験しました。長く強い揺れの後,宮城県震度7と聞いて両親の死が頭をよぎりました。幸い両親は無事でしたが,大好きな伯父さんが今もって行方不明です。 震災後数日間は,テレビを見るほどに深まる本当に大変なことになってしまったという思いと,悲惨すぎる現実と,それでも何かしなければという思いに突き動かされ,テレビやTwitterで情報を集め,チャリティを呼びかけ,行方がわからない伯父の情報を集め,高校の同期の安否確認をするためにメールしたりしていました。 福島原発は二転三転しながら不穏さを増していく一方で,3月15日には静岡で震度6の地震が起きたときには,東海地震と連動し始めたかもしれないと戦慄しました。 翌日は秋田大学で講演がありました。中止も検討したのですが,秋田大学のご賛同のもと東日本大震災の義援金チャリティ講演とさせていただけることになったため,決行することにしました。 皆さんの協力のおかげで無事に終えることはできましたが,その夜は,家族の心配などが重なり寝つくことができませんでした。原発に関する情報は錯綜し,東京直下型の余震の可能性もある中で,家族の安全や仕事といった事柄について,何をどう考えればよいのかもわからなくなっていたのです。 しかし,その夜,心身の疲労がピークに達して「もういいや」と思った途端,色々なことが整理されたのです。何が正解かも今は誰もわからない。最後は自分の生き方に沿って決断するしかない。それが生きるということなんだ。そう思えた途端腹が据わりました。 そうして徹夜で書き終えたのが第1章です。ですから,この考察は3月17日から始まっています。 最初は自分の考えを整理するために書いたのですが,その後は同じような悩みをもっている人は多いはずだ,少しでもみなさんがこの震災について考える際のヒントになればと思い,書きつづっていきました。1日に1つ記事を書いていくうちに,Yahoo関連記事に内田樹さんの記事と並んで掲載されたり,ガジェット通信に掲載されたり,出版社からオファーが届いたりするようになっていきました。 僕は専門書しか書いたことがないのですが,チャリティ本として一般書を出すことで印税を義援金にできればと思い,出版を決意しました。また疎開や不謹慎、原発といった様々な二項対立に対して、信念対立を超えるためのメタ理論である構造構成主義は有益な視座を提供すると考えています。さらに構造構成主義は科学論でもありますので、時々刻々と進行する事態を科学哲学的な視点からどのように捉えればよいか、ひとつの有効な考え方を示していると思います。 多くの人に読んでいただき,少しでも学びになった,気が楽になったという人がいたら著者としてそれに勝る喜びはありません。また一人でも多くの人に本書を購入していただけることで,被災者の経済的支援につながることを心から願っています。 最後に3月17日の記事の最後を引用して前書きを終えたいと思います。 -- 大丈夫。 日本は必ずこれを乗り越えてより成熟した社会になる。世界でも一段飛び抜けた国になれるはずだ。 この凄惨な経験を肯定することは決してできないけども,近い将来に,そうした犠牲があったからこそ僕らはこういう社会になれた,と思うことはできる。 それが僕らが目指すべき未来なのだ。 -- 2011年3月31日 西條剛央 . お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011/04/04 07:54:36 AM
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