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西條剛央のブログ:構造構成主義

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西條剛央

西條剛央

2011/04/28
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カテゴリ:東日本大震災
伯父さんの四十九日の法事を終えてから急遽、伯父さんの息子さん(いとこ)と妹(母)と一緒に石巻の渡波地区に。石巻ラジオに出演するためもあったのですが、@Ringo_ago_2003_さんのツイートが気になったので確かめにいこうと思ったのです。

いとこのかずおみ君は、ちょっとみない間に心身ともにえらい立派な青年に成長してました。震災翌日からお父さんのことを探して歩いており、法事の長も立派に務めていました。

法事後会食していたときに思い立って、一緒に行こうと誘ったのです。何かできることがあった方が人間は救われる、ということがありますし、チームで行った方が効果的な支援ができます。父はたまたま仕事で行けないので、はじめて母も一緒に行くことになりました。

きっかけとなった@Ringo_ago_2003_さんのツイートはこれです→「@saijotakeo 初めまして。石巻では自宅避難者が避難者から除外されました。市からの物資配布も終わり、沿岸部ではみな片付けに追われ市役所まで物資を取りにいけません。車すらありません。」

行く途中でおみ君に震災後の捜索などについていろいろな話を聞きました。4店舗のマネージャーをしていたが、本当は2つぐらいの店舗で質を保ちたいという志向性のずれがあったので会社を辞めて実家に戻って数ヶ月父(伯父さん)の仕事の手伝いをしていたこと。

震災の前日3.10に姉の子どもの入園式などに出るために東京に帰ったら、翌日あの地震が起きたこと。自分が残っていればどうにかできたかもしれないと考えたこと。1週間後ぐらいでもう駄目かもしれないと思ったこと。ずっと探して歩いていたので周辺地域の地理にやたら詳しくなったこと等々。

石巻ラジオ局には早めに着いたので早めに放送してもらうことに。母とおみ君もスタジオに。困っている自宅避難民の方はぜひこれを聞いてアクセスして欲しいということ、送る方も救われているのだから遠慮はいりませんので、というようなことを話しました。スタッフの皆さんも皆さん良い人でした。

その後、渡波地区に向かいました。ラジオ局から少し行った地点で、1m前後浸水しているという感じでした。道路の周囲には床上浸水した際の膨大な粗大ゴミの壁ができていて、水の跡がはっきり残っています。

驚いたのが高度です。地盤が明らかに下がっているのです。河が手が届くようなところにあります。場所によってはメートル単位で下がっているようでした。満潮になっただけで冠水する理由がよくわかりました。土豪も積まれていません。余震津波、大雨、台風などきたらとんでもないことになります。

渡波(わたのは)地区み向かう途中の道は滅茶苦茶でした。信号は消えたまま。建物は残っているのですが、国道沿いに全域がやられています。ひっくりかえった車があちこちに積み上がっています。陥没した道路には砂利道が敷かれています。

渡波中に向かう途中、@Ringo_ago_2003_さんに電話が通じて、渡波中学校と女子商業高校の前のエリアと教えてもらったので、そこで車を降りました。確かに一部の家は残っているのですが、一階は柱だけで、建物の向こう側が見えるのです。家と家の間には車が積み重なっています。

南三陸町や陸前高田とはまったく違う光景でした。南三陸町などの壊滅地域の自宅避難宅は高台にあるため津波被害をまったく受けていないのです。津波が届くか届かないかで1と0、地獄と天国ぐらいに明暗がわかれています。

とはいえ、ライフラインも通っておらず、多くの家族が寄り添って暮らしているので避難所と同じなのですが、建物は被害を受けずに残っています。石巻のそのあたりのエリア(海に沿った国道沿い)は一部鉄砲水で壊滅しているところはありますが、半壊した建物が残っています。

母が、すいませーんと家の中に向かって声をかけますが、反応なし。母がすたすたと他の所に行ってしまったので、「おみ君もそっちに一緒に行って、おれはこっちを探してみるから」といって二手に分かれて動くことに。

一通り探索してみたあと、電話したのですがつながらず(なんと車の中に置きっぱなしですたすた歩いて行っていた)、一体どこにいったんだと思いながら国道から中の方に入っていきました。

すると向こうの方から、自転車を二人乗りした中学生ぐらいの男の子達がきたので話しかけました。この辺って人いるのかな?と聞くと、ところどころ二階にいますよ、と。

洗濯物とか生活の跡があるところには人がいます。よく見るとところどころに数台の自転車が置いてある家が。

妙に愛嬌のある子たちで、「お兄さん何やってるんすか、フリーのボランティアっすか?」「うん、まあそんなところ」といって、いろいろ周囲の状況を教えて貰いました。自転車を取りに行くところだったこと、近くの鹿妻小学校にいること、中学生ではなく高校生であること。

ここで会ったのも何かの縁だろうと思ったので、「そこの車にマンガとかあるけどいらない?」と聞くと、「欲しいっす」。時々自転車を持ち上げながら瓦礫の中を一緒に歩いていくことに。

「この辺はかろうじて家は残っているけど、これじゃかなりたいへんだね」というと、「慣れるっすよ、ははは」と友達と笑っていました。たくましい。この明るさに救われる。

母が向こうから歩いてきて合流。積んできたマンガ本などを見せたところ、ワンピースやはじめの一歩など欲しいものだけ数冊手にしていました。

他にもいろいろあるんだけど、持ちきれないだろうから避難所案内してくれないかなというと、「いいっすよ」と。しょうた君が車に乗って、友達が自転車に乗って案内してくれることに。

行く途中、「ここおれんちっす」とアパートを指差す。「大丈夫そうだね」というと、「でもあちこちひび割れていて住めないっす」と。見た目以上に大きなダメージを受けているようだ。

数分で小学校の体育館に到着。僕は気がつかなかったけど、体育館も傾いていたらしい。家に帰ってから「体育館全体が傾いていたから、これってこういうデザインなのかなと思いました」とおみ君。「いやいやピサの斜塔じゃないだから(笑)」と僕。

誰か代表みたいなひとのところに案内してもらうことに。体育館の中はところどころ段ボールで仕切りが。昼は家の片付けなどで100人程度だけど、夜は300人ぐらいになるらしい。体育倉庫のようなところが本部になっている。

代表補佐の女性がいたので、一面に掲載された河北新聞の記事をみせながら、「ふんばろう東日本」について説明をして、この周辺の自宅避難民を支援したいんです、といろいろ話を伺う。賢明さと柔軟性をあわせもっている女性でかなり貴重な話を伺うことができた。

最初はこの体育館に2000人いたこと。今は300人だから1700人ぐらいは家に戻ったこと。地区会長さんがしっかりしているところは支援物資は行き渡っているが、会長さんが亡くなったり、投げ出していなくなった地区は、物資が行き渡らず悲惨なことになっているとのこと。

小学校でも物資を配っているが、仕事がない、お金がない、車がないという人達もいて、どこまで配ってよいのかというのは判断が難しいということ。

地図で周囲の地域のこと教えてもらえませんかというと、地図がないんですと。ああ、それじゃ仕方ないですね、と思ったら目の前の机の上に地図が隠れていたのを発見。これで教えてくださいといってiphoneの動画で撮影。かなり詳しく教えてくれました。

ユニセフの人に、待っていないで地区を車で廻って欲しいとアドバイスしたといってました。僕がまとめた個別避難宅の支援方法と同じことをいってました→http://p.tl/XcQA 困っている人のためになるのであればと一生懸命的確に説明してくれました。学校の先生なのかもしれません。

窓口になって欲しい旨を伝えてその方向で調整することに。ただ荷物を置く場所が限られているから、運営サイドとしては、全員にヒアリングしてとかは難しいとのこと。やはり避難所の一般の人にも窓口を作る必要がある。

話していると体育館がぐらぐら揺れ出す。「これは震度4だ」と女性。5だったら携帯の警報がなるから、大丈夫と。周囲の人に「ずいぶんたくましくなって」とつっこまれる。そうじゃないとやっていけないと。お礼を言って体育館に戻るとテレビで地震速報が。本当に震度4だった。

この地域は地盤沈下しているから余震による津波をかなり怖れている。防波堤も高台もない。本当に津波がきたら、おそらく小学校など頑丈な建物の二階以上に逃げるのだろう。かなり深刻な地域だ。

外に出るとしょうた君とお母さんが。新聞をみせて説明をする。「早稲田大学の先生なんすね、大学入れてください」「いやいやそんな権力ないから、ちゃんと勉強してくれ」と笑顔で会話。宮城水産の2年生だが、高校が壊滅したので、石巻西高で授業があるらしい。

しょうた君のお母さんにプロジェクトの説明をして、2人に避難所一般生活者としての窓口になってもらうことに。しょうた君とは友達になりました。 http://t.co/LxJICaU





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Last updated  2011/05/02 06:55:11 PM
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