西條剛央のブログ:構造構成主義

2014/04/23(水)10:29

信頼と作為とノウハウ本

組織論(6)

人間は、自分が最初からもっているものはリソースとは思わない(だからよいということもあるのだけど)。 しかし、それは他者からみたら貴重なリソースということはけっこうある。 たとえば、「信頼」などというものは、目には見えないけど、簡単に築けるものではなく、すべての根幹を成す極めて重要なリソースだ。 * そういう、"見えない財産"というものは確かにある。 しかし、「信頼を得よう」と作為的に行動した時点で、それは本来のものとは別の何かになる。 作為というのは「〜のために」ということだ。 だからノウハウ本を鵜呑みにして、作為的に(打算的に)動く人は、本当に欲しいものは得られないという逆説が生まれる。 作為のないところに、たいがいの"本当"は生まれるのだ。 * じゃあどうすればよいのか? ノウハウ本を読むのはいいけど、そこから「作為」を抜くこと。 たとえば、人に動いてもらうには感謝することが大事と書いてあったら、相手を動かすために感謝するのではなく、結果として動いてくれることもあるかもしれないが、そういうことは忘れて、ただ自然に湧いてきた感謝の思いを相手に伝えるようにすること。 自然にできる人は、自然にしていればいい。 ただ、感謝を忘れがちな人は、誰かが何かしてくれるのは当たり前と思っていないかと自分に問うて、意識的に感謝の言葉を口に出すようにすることはよいことだと思う。 それは〜のためにという作為ではなく、たんに意識して習慣づける、ということだからだ。 習慣になればあとは自然にできるようになる。 * ようするに、事後的にそういうことだったからそうしたほうがよいという作為的な方法と、進行形で起こっていることは違うので、本に書いてあることは真に受けずに作為を抜いて受け取った方が良いですよ、ということですね。

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