|
カテゴリ:思うこと
たまに言われるセリフ。
「モノを書く人の頭の中って、一体どうなってるの?」 私は特別変わったことをしているわけでもないし、ごくごく一般的な思想をしてると思っている。(自分では) 人間観察や、空想・妄想したりする趣味はあるけれど、(←この辺ですでに「一般的」ではなくなっている気もするが)、それで他人にひどく迷惑をかけたこともなければ、今まで職務質問を受けたことは皆無である。(←これが自慢) しかし、どうも「モノ書き=変わってる」という考えが通説だそうで。 なので。 少し考えてみることにした。 そして、たどり着いた結論。 「モノをつくる」ひとの頭の中身。 それって、「おもちゃ箱のようなもの」じゃないか、ってこと。 みんなみんな、頭の中に「おもちゃ箱」を持っている。 思い出してみよう、おもちゃ箱の中身。 お人形、ぬいぐるみ、積み木、風船、ビー玉、お手玉、トランプ、けん玉、絵本、鈴、カスタネット、ハーモニカ、デンデン太鼓、インスタントカメラ、スケッチブック、クレヨン、絵の具、色鉛筆……。 色とりどり、形もさまざま。だけど、子供にとって夢のあるものが詰まってる魔法の玉手箱。 ありとあらゆる思想が、そこから生まれた。 ビー玉やお手玉を、人前で器用にやってみせるのが上手いのが「大道芸人」だとしたら……。 カスタネットやハーモニカが上手い人は、心地良い素敵な音色を響かせる「音楽屋」さん。 真っ白いスケッチブックに、素敵な色で夢のような世界を表現するのが、「絵描き」さん。 カメラのファインダーを通して、今その瞬間を捉える、優しい「時間の押し花屋」さん。 お人形やぬいぐるみを相手にお友達になれて、楽しく情感を込めておしゃべりするのが上手い人は、「舞台役者」で。 空想の中で、お人形やぬいぐるみ、みんなとお花畑で花を摘んで首飾りを作ったりお話したり、絵本の中にまで入っていって、まったく違う展開や、結末の違う続きのお話を作るのが上手い人は、「脚本家」……。 子供の時にしか見えないもの。聴こえないもの。出逢えないもの。 子供の頃は、みんな空想家であって、冒険家だった。 エネルギーの満ち溢れる小さな体でいっぱい深呼吸して。 何にでもなれる気がした。 しかし。 大きくなるにつれて、おもちゃ箱の中身は、大人によってどんどん取り替えられていく。 汚れたぬいぐるみやお人形は捨てられて、代わりに参考書やパソコンが入れられる。 年と共に、きれいなビー玉や、色とりどりの絵の具やクレヨンは、付け爪や、口紅・アイシャドーに変わっていく……。(ドレッサーの中身は、大人の女の魔法箱として、別な意味で夢(?)があるかもしれませんが) もはや「おもちゃ箱」は夢の玉手箱じゃなく、現実のクローゼットとなっている。 「モノをつくるひと」って、みんな変わってるわけじゃない。 「好き」という想いが、走らせる。 今でも幼い頃の夢を。 覗くだけで楽しかった「おもちゃ箱」を頭の中に持ち、 昔はみんなが持ってた夢のような時間を、現実と折り合いながら、今も紡いでいるだけ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年04月27日 21時31分58秒
コメント(0) | コメントを書く
[思うこと] カテゴリの最新記事
|