人類のインフラ 一生使える腕時計とは
腕時計の話が続いています・・・・・いやぁ、男って腕時計が好きですね。実際。ま、もう少しお付き合い下さい。(笑)さて、一生使える時計ってご存知でしょうか?イメージとしては おじいさんの古時計・・・・・100年休まずにチクタク・チクタクああ、確かに動いていましたね。唄の中ですが・・・・(笑)そのイメージを受け継いているのかもしれませんがスイス製高級腕時計のウリ文句が一生使える機械式時計と、いうものです。機械式時計とは上記のように電子部品を一切使わない。昔ながらのゼンマイや歯車で構成されている時計の事です。そして、そのウリ文句に釣られてか・・・・・スイス製高級腕時計は何十万もするにも関わらずよく売れています。何十万円もしても、一生使えるなら安いものかもしれません。だが・・・・機械式腕時計が一生使えるというのは本当でしょうか?この件に関しはいろいろな意見があって、言い出すとキリがないのですが私個人的な意見では機械式腕時計を一生使うのは難しいと、思います。理由1 頻繁なメンテナンスが必要。 機械式腕時計はゼンマイや歯車で構成されているので、4-5年毎の分解整備が必要です。 すべての部品を洗浄し給油、再組み立て、調整が必要です。 素人にできるレベルではなく熟練工にお願いするしかありません。 1回の分解整備に最低3万円。 50年時計を保たそうと思うと30万円必要となります。理由2 部品がないと終わり 機械式時計と言えど部品は摩耗します。交換用の部品がなければ修理不能となります。 部品供給が優秀と言われるロレックス社でも部品の供給が製造後25年と言われています。 スイス製高級時計も多くの種類がありますが、実は中身(ムーヴメント)を作っている会社は 多くはありません。ほとんどのスイス高級時計メーカーは中身を買ってケースに入れて売っているのです。 (多少の手直しはするらしい・・・・)中身を提供しているのはETA社。 そのETA社ですが、 先日(と、言っても2006年) グループ企業以外の供給を停止すると発表しました。 つまり、ETA社のグループ企業と時計の中身を自社開発している時計メーカー以外は 新規の時計の製造+保守用部品の入手が不可能となりました。 一生使えると思って買った高級時計が一瞬にして修理不可能となったのです。・・・・・などなど・・・・・機械式腕時計は一生使えるというイメージがあるかもしれませんが現実はけっこう厳しいのです。ま、しいて言うならば部品供給が安定していて、信頼のある時計メーカーで、お金の事は言わない・・・・・のであれば、一生使える時計はあります。ロレックスなんかは内部もほとんど自社開発で部品供給も流通もしっかりしているのでかなり安全です。値段が高いのも納得です。あと、ETA社のグループ企業 例えばオメガなんかも安心度が高いでしょう。こちらも日本法人もありますしね。つまり、機械式時計でも一生使えるとは限らないのです。 なんか身も蓋もない話になってきましたね。しかし、ご安心ください。これから本題です。人類のインフラ・・・・それは、目立たないけれど静かに人々の生活を支えてきたモノ。そして今も地球上で多くの人々を支え続けているモノ。と、いう意味だそうです。腕時計にも人類のインフラと呼ばれる時計があります。その一つが先日紹介したカシオ F-91Wです。これは疑いのない事実ですが、実はもっとスゴイモノがあるのです。・・・・・・それがコレミヨタ 2035 何ですか? これは???と、いう感じですが、これは腕時計の中身(ムーヴメント)です。機械式時計ではなくクオーツという電子式です。ミヨタという名前はほとんどの方が知らないと思いますが実は日本のシチズンの系列会社で文字通り日本製です。実は、現在販売されている国内外を問わず大半の腕時計にはこのミヨタ 2035が組み込まれています。安価、正確、頑丈。すべてを兼ね備えたムーヴメントなのです。なんと、累計生産数は30億個以上世界中の2人に1個持っている計算です。製造元のシチズンでもミヨタ 2035はデファクトスタンダード(事実上の世界標準)だと公言しています。異議はないでしょう。なんたって30億個ですからね。しかも、このミヨタ2035は普通に買えます。安いとこだと、1個650円でした。(笑)私の考える「一生使える腕時計」とはこのミヨタ2035を搭載している腕時計です。まぁ、実際はほとんどの時計がこのムーヴメントを搭載しているのでケースが頑丈で、パッキンが手に入りやすいような時計だとさらに良いです。壊れても平気です。中身(ムーヴメント)を入れ替えれば良いのです。たぶん、あと20-30年は製造しているだろうし流通在庫が何億個もありますしね。電池も100均で手に入るような汎用品なのでよほどの事がなければ大丈夫です。心配ならこのミヨタ2035を10個くらい買っておいて電池を抜いてジップロックに乾燥剤と一緒に入れて保管しておく。時計が壊れたら中身を入れ替える。もう完璧ですね。これで一生使えます。ロレックスもいいですが ミヨタ2035はもっといいです。ま、あんまりワクワクしませんけどね・・・(笑)ちなみにミヨタ2035は先日紹介したチープカシオにも搭載されています。1000円程度で買えます。カッコイイし、非常にお買い得です。ここだけの話ですが、ガガミラノとかにも搭載されていたりします。まさに事実上の世界標準ですね。注意:腕時計は精密機械です。決して裏蓋を開けて中身を確認したりしないで下さい。 整備等は必ず専門家にお願いしましょう。 ん十万で買った時計の中身が650円だとショックを受けますから。